ジュゴンに襲われた


電気も水道もなく、島の真中には活火山。その横を車で通る時には火山灰や火山弾をよけながらなんていう今にもゴジラが出てきそうな島。
島の人の暮らし収録し、島の反対側に人をこわがらないはぐれジュゴンがいるというので水中カメラを持って出動。
島の女の子が水面をたたくと、数分してジュゴンがやってきた。
早速女性レポーターと水中カメラをもってボクは海に入った。
最初の内は近づいたり離れたり、レポーターとの2sも撮れ大成功。
島に戻ろうとおもった矢先、
どうもジュゴンの様子がおかしい、レポーターやボクに体当たりをしてくるようになった。それも凄い勢いで、鼻先をこすりつけ、ヒレで抱きかかえようとする。
それをボクと彼女に交互に。
やばい!と思いジュゴンをひきつけておいて、レポーターを先に陸にむかわせた。
いままで2人に交互に向かってきたのでなんとかなったけど、今度はボク一人。
連続してアタック、目を見ると興奮してるのがわかる。
陸までは数百メートル、水深は5~6m。
ぶつかり、抱えて水中に引きずり込む。
マスクもフィンもはずれ(シュノーケルだった)、
長い時間襲われ(実際は数分。後で島の人に聞いたら仲間のジュゴンがいないので遊んでいたらしい、海がめなんかも何度も水の上へジャンプさせ死んでも遊んでいるという)
「無謀なTV取材!ジュゴンと死のダイビング」新聞記事が目の前に浮かび、島の人にジュゴンに迷惑かけてゴメンとか、家族の顔が浮かびもうだめだと思って
力尽きかけた時、
目の前にカヌーが!
必死で上半身を船のへりにひっかけた、
島の人が笑顔で助けてくれました。
手にはしっかりと水中カメラ、一部始終が収録されていました。
そこには震える声で「Thank you Thank you・・」
帰ってこれた。自力では立ちあがれず、肩を抱かれ
陸で何度ももどしました。
ウエットスーツは傷だらけ。
陸のスタッフは水中が見えないため、遊んでいるとしか思わなかったそうです。

海に入る前はいなかったカヌー、
突然現れ、気づいた時にはいなくなっていました。
それ以来、小さなカヌーの置物がボクの守り神です。
海は不思議なことが起こります。
ジュゴンに遊ばれるなんて皆さん信じられないようですが、ホントの話です。

今思い出しても怖い。
その頃は自然科学番組を担当しており、良い映像を撮るため
ついつい無理をしていた。
「自然を甘く見るな!」
海の生き物に警告を受けたような気がする
出来事でした。

それから海とジュゴンに深く関わりを持つようになるのです。


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