私の“四季「冬」よりLargo ” |
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ヴィヴァルデイの四季は皆さんよくご存じの弦楽合奏曲です。中でも「春」と 「秋」の第1楽章が広く愛されています。私はそれに加えて、この“「冬」より Largo ”が大好きな曲のひとつです。これをオカリナで演奏したいと思い、例によっ てその伴奏作りから、取り掛かりました。まず原曲は、多くのヴァイオリン奏者がヴ ァイオリンの弦を弓ででは無く、指で弾いて音を出すピチカートをバックに、ヴァイ オリンがソロで美しいメロデイを奏でます。そこでピアノパートにヴァイオリンのピ チカートをひとりで、沢山の奏者で演奏しているように聴こえるように、同じバック のピチカートのパートを3回重ね録音しました。ピアノパートは私の学生時代のヴァ イオリンの先生がご好意で演奏して下さいました。こうして私のオカリナ演奏の伴奏 が完成したのです。それをバックに、一番大事なあの有名な旋律をオカリナで奏でま す。これが私の演奏スタイル、つまりピアノとヴァイオリンとオカリナによるトリオ です。 ここでまたひとつ問題となるのが、トリルです。(例えば、レの音譜にトリルが付 きますと、レミレミレドレ、あるいはミレミレミレドレと演奏します)この“四季 「冬」よりLargo ”にはいくつか、このトリルの付いた箇所が出て来ます。その問題 というのは、このトリルを、例えば、レの音譜にトリルが付きますと、レミレミレ、 と演奏するのか、あるいはミレミレミレと演奏するのか?ということです。私はレミ レミレ、よりもミレミレミレと演奏するほうがより明るく聴こえるので、好きです。 でも、本来こういう大事な曲を演奏するのに、奏者の好き嫌いで決めてよいのでしょ うか?そこで、色々調べてみますと、2つの大切な演奏上の姿勢があることを学びま した。ひとつは、本来トリル奏法は、レミレミレ、でもミレミレミレでもよいのだ、 ということです。今ひとつは、ヴィヴァルデイの活躍したバロック音楽時代はミレミ レミレが好まれ、これが古典派(バッハからベートーヴェンまで)の時代に入ると、 レミレミレが好まれるようになった、ということです。そういう事もよく分からない まま、私の好みで、ミレミレミレと演奏していたのが、結果的にはよかったというこ とが分かりました。特に最後の部分で、長くトリルが続き、少しゆっくりになって、 最後に「フーッ」と溜め息をつくように演奏するのがたまらなく好きです。これは私 のFirst Albumnに収録されています。 |