パッヘルベルのカノン

《私の「パッヘルベルのカノン」》
  この有名なカノンは広く親しまれている曲のひとつで、
小学校の卒業式に用いられることもあるようです。
正式の曲名は『3つのヴァイオリンと通奏低音のための
カノン』と呼ばれ、チェンバロが通奏低音を受け持ち、
それに第1、2、3ヴァイオリンが加わって演奏されます。
このパッヘルベルのカノンを、オカリナで演奏したいと
思い、例によってその伴奏作りから取り掛かりました。

  まず通奏低音を受け持つチェンバロは、誰も引き受けて
下さる知り合いはありません。そこでひとつ新しい試みを
してみようと思い、豊田市在住のギタリストで、オカリナ
奏者でもある黒野宏通さんに、この通奏低音をギターで
お願いしましたところ、快く引き受けて下さいました。
このギターによる通奏低音に、私がひとりで第1、2、
3ヴァイオリンを順番に、各パートを3回重ね録音して
いきました。

  ここで一番苦労したのは、3つのヴァイオリンをいかに
ずれること無く、ぴったり合わせるか、ということです。
まず第1ヴァイオリンを録音し、つぎに第1ヴァイオリンを
聞きながら第2ヴァイオリンを、 そして第1、2ヴァイオ
リンを聞きながら第3ヴァイオリンを録音しますと、
それぞれのパートが微妙にずれていってしまうのです。
これが多重録音の難しいところです。

  この微妙なずれを解決するために、ひとつの工夫を思い
付きました。それは、3つの各ヴァイオリンのパートを聴か
ないで、まったく独立して、 ギターによる通奏低音だけを
たよりに、第1、2、3ヴァイオリンを別々に重ね録音して
みる、という方法です。

  そうして最後に、3つの各ヴァイオリンのパートと
ギターによる通奏低音とを、全部合わせてみたのです。
そうすると予想通り、第1、2、3ヴァイオリンがずれ
ないで、ぴったり合わすことが出来ました。
こうして『3つのヴァイオリンとギターによる通奏低音の
ためのカノン』が出来上がったのです。
これだけでひとつの完成した演奏になるのですが、
これをバックにして、オカリナ演奏をしています。
この『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノン』は、
2nd Album に収録されています。

おかりなたち



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