海を感じていたい

海を感じていたい

徒然なるままに (川柳)



 塾へ行く子にへそくりも付けてやり

 誰のため鏡に向かい紅をさす

 好きだから片目つぶって寄り添って

 人垣の頭上を飛んだお賽銭

 肩ならべ吾子と風切る野の小道

 今が旬この一時をいつまでも

 鬼になり雷落とす母哀し

 「平和」とは犠牲の上にできるモノ

 音楽に合わせて落とす体脂肪

 やわらかい幼子の手に癒される

 雨が降り庭の雑草我が天下

 煙草代へそくりに換えマイホーム

 欲しいモノ山ほどあれど資金なし

 見ず言わず聞かずで守る友の情

 憧れの君も今ではお爺さん

 高速で家事切り上げて筆を執る

 いつ見たか主人そっくり子の仕草

 「母の日」も家族休んで母動く

 「母休み」看板揚げて眠りたい

 母よりも丈も態度もデカクなり

 幼い日傍にベッタリ今は無視

 部活終え星を見上げてペダル漕ぐ

 ダイエット掛けた値段と反比例

 可愛いと思った日々が懐かしい

 日に二回洗濯の山母襲う

 介護すら保険掛けねば受けられず

 新車買うお金が化けて塾へ行く

 春休み子らは天国母地獄

 指を折り言葉絞って十七字

 家よりも外で輝く妻の顔

 ダイエットマシンで夫の歩く騒音(おと)

 目に入れて痛くなかった三つまで

 親子でも世代違えば意味不明

 カエル鳴き雲の重さを目で計る

 いれこんで料理の味がとんだ夜

 木漏れ日のトンネル歩き美白する

 電話では見えない顔の心聞く

 冴え渡る朝を切り裂くカラス達

 たまにする母親ごっこああ楽し

 毒ガスをあちらこちらで撒く熟女

 ダイエットドーナツ作り延期する

 葉桜が零す光が快い

 ドーナツの穴から見える蒼い空

 ゴール目指し親子で駆ける日曜日

 大嫌い本音隠した眼が潤む

 初デートハイヒール履き背伸びする

 伸ばす手の肩の痛みに老いを知る

 起きたままベッドにトンネル口開ける

 指追って親子で競う十七字

 陰口を叩かれたとて我は我

 登り坂遙の光見て歩く

 取り憑かれ深みにはまる我が使命

 亡き祖父の思い出深く吾子を刺す

 紫煙たき斜めに歩く子ギャルかな

 右左悔やまぬようによく悩む

 空梅雨でお預け喰って田が飢える

 肩組んだ真一文字の青春期

 黄昏て蛍と遊び涼を採る

 久方の雨に洗われ笑う街

 古寺をビデオで回り癒される

 子供には子供の道が有ると知る

 湯に浸かり手足伸ばして無の境地

 雨上がり光の粒子が目に染みる

 紫陽花の熟女の様な立ち姿

 暴れ川老いても癖は直らない

 和紙一枚虹色の夢注ぎ込む

 蚊帳を吊り蛍誘って添い寝する

 君を待つ言いつつ蛍誘い入れ

 弓番えひたと的見る吾子凛々し

 的だけを見つめて歩け君の道

 他の人の噂気にせず進む道

 雨の日は本を片手に夢の旅

 揺り椅子に揺られ気づけば船を漕ぐ

 春日野の明けの緊張鹿ほぐす

 霧の中樹木立つ中に気配見る

 美術展好きな絵見つめ小半時

 南北に熱中症が駆けていく

 青春の思い出を呼ぶラベンダー

 じゃがいもの花敷き詰めた地平線

 黄昏てグラス片手にワルツ聴く

 真っ青な空がギラギラ目に染みる

 遺された愛用の品静かなり

 人の道小さな棘は呑んでいく

 そこかしこかつての気配匂い立つ

 遺された読みかけの本髪を引く

 明かさずに秘めた思いが冷めていく

 山越えた街に貴方は住むという

 熱気裂く蝉の輪唱耳に染む

 温度計鰻上りで灼ける街

 夏休み遊び優先キリギリス

 トンネルを抜ければ変わる空模様

 家に待つ子を思いだし土産選る

 お煎餅かじれば浮かぶ祖母の顔

 あの時の窓越しに見た空と祖母

 甲子園青空の下燃え上がれ

 熱風が運ぶ大地を灼く臭い

 太陽が地球を灼いて唸る時

 大地灼く太陽見上げ祈る秋

 秋近く樹木も人も色捜す

 風の香に季節を聴いて遙見る

 頼れない頼りたくない意地を張り

 嫁だから言わず聞かずの覚悟する

 七輪で遠火近火の秋の空

 一雨で回り舞台に秋の風

 蝉時雨心の壺にフィットする

 愛そうとあがいた後のビター味

 ぼかし絵の朝は好みの香り着る

 少子化が母校の名前変えていく

 蝉の音が優しい波に変わる秋

 年老いた親もいるけど義母もいる

 親子して小金貯め込み天仰ぐ

 飛行機はストンと落ちるモノと知る

 夏休み終わり見えても度胸の子

 君向けてアンテナ伸ばす感度良し

 待つという唯それだけが出来なくて

 面も背も愛さえあれば気にならず

 おきゃんよりドライが良いと言いきられ

 愛された温もり遺す腕時計

 秒針と鼓動が重なる晴れ舞台

 頬杖を付いて空見る雲が行く

 秋の空女心と同レベル

 若いのがそんなに罪な事ですか

 病得て時待つ伯父の胸の内

 久々のお袋の味染み渡る

 酸い甘い噛み分け進む人の道

 愛のムチ振り下ろしつつ母も泣く

 君が好き叱りたくないけど叱る

 嫁ぎ先の味を愛して慣れていく

 ハリケーン瞬時に都市をゴースト化

 湯のように貴方の腕に抱かれたい

 反抗期親子で通る修羅の森

 携帯の日進月歩と子の育ち

 ヘリの音頭上高くに何処へ行く

 列離れさ迷える身の静かなり

 本の字が踊り騒いで眼鏡かけ

 降りそうで降らない雨に遊ばれる

 秒針の音が優しい午後3時

 いつの間にか大人になった息子見る

 可愛くて抱きしめた日はつい昨日

 先生も心は既に民営化

 坂道を上る息子と下る母

 サラサラと風邪とおしゃべりプラタナス

 言い訳はしないと決めて口噤む

 猫と眼を合わせぬようにそっぽ向く

 芋掘りでミミズも一緒にこんにちは

 大人より疲れた顔の子供達

 ゲームする吾子の頭上に青い空

 公園で遊ぶ子いない鴉啼く

 街も樹も色鮮やかに燃え上がる

 炬燵にて本とデートの時雨刻

 晩秋を五感で愛でる美の宴

 輝いて死ぬまでずっと熱く生く

 妻よりも母よりわたし女です

 夫を見る妻の眼冴えて秋の空

 夫婦してやがて鮒鮨になり果てる

 道ありき先の光を信じたい

 眼を閉じて瞼に浮かぶ人がいる

 声を聞き芯まで染みて好きになる

 垂れてくる雲の重さで季節診る

 有終の美を飾りたい樹々の列

 温い手に触れられ心臓止まりかけ

 初雪が雪舟真似て墨絵描く

 初雪の描く墨絵に舞い上がる

 憧れの貴身に近づくその日まで

 魂の叫びを染めた曼珠沙華

 寄り添えば包み込まれる空は青

 原稿にムチを入れつつひた走り

 熱い肌貴身とじゃれ合い冷まそうか

 窓枠にはち切れそうな鼠の空

 散り果てる枯葉にせめて微笑みを

 夜空見て星の光の遠さ問う

 タコになり心の中の墨を吐く

 己が分わきまえずして胸を張る

 岩よりも固い言葉に策を練る

 四季の花一斉に咲き踊り出す

 歯車を回すつもりが回される

 パソコンを家族で取り合い賀状刷る

 故郷(ふるさと)の言葉恥じらう若い君

 我を待つ貴身を信じて道を行く

 日が落ちて雪原に見る貴身の影

 誰にでも甘くなれる恋心

 人である前に女を強く言い

 君のため涙忍んで笑う母

 生きている証を求め恋をする

 コルク栓恋する心封じ込め

 銀柱の光り輝く涙染む

















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