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何を公約とするのか。 次男は深夜タクシーを流していて、 徘徊中らしい高齢者を何度も見かけたという。 徘徊高齢者らしき人を見かけたタクシーの運転手が、 徘徊高齢者を危険から守るネットワークのサイトに連絡する。 そのサイトはタクシー会社、警察署、消防署が協力して立ち上げるもので、 連絡あり次第、警察、消防と緊密に連絡をとって、 適切な措置をとる。 これからますます高齢化社会になる。 行方不明になった徘徊高齢者が、 住まいのある地域とかなり離れた地域で行き倒れていたり、 鉄道構内に入り込んで列車に轢かれる、 などの事件が起きている。 有益なアイデアだとは思うが、 いかにも思いつきの感を免れない。 桜堤児童館がなくなるらしいんだ、 と次男がポツリと言った。 次男は2歳のときから中学1,2年の頃まで、 その桜堤児童館で多くのときを過ごした。 いい思い出もいっぱい作ってきた。 武蔵野市には児童館がその桜堤児童館1館しかない。 これは本当は驚きの事実である。 武蔵野市は東西に長い。 西部の桜堤地区は小金井市と境を接している。 東部の吉祥寺エリアの子どもたちからは、 2駅もあって遠すぎる。 三鷹駅を最寄りとする、 武蔵野市の中部地区の子どもたちにとっても不便である。 桜堤児童館に合わせて後2館、 最低3館は必要である。 これは隣接各市と比較してみれば解る。 小金井市には3館、 西東京市も3館、 調布市は学童クラブを併設した3館を含めて、 7館もある。 隣接市ではないが、 国立市は人口7万人台で、 14万人台の武蔵野市の約半分、 それで児童館数は3館もある。 武蔵野市に1館しかないということが、 いかに異常か。 そのたった1館しかない児童館を、 市は廃止の方向で検討している。 存続・増設か、それとも廃止に追いやって、 児童館ゼロ市の汚名を着るか。 それで戦おう、 と僕は提案した。 全国で読み聞かせ活動や、 子どもと人権、 いじめなどをテーマに講演活動を展開する僕にとって、 応援演説もやりやすい。 各地の児童館を会場にしての読み聞かせ経験も重ねている。 市は児童館機能は0123や、あそべえで補完できる、 と考えているらしい。 しかし、0123は乳幼児の施設、 他市では学童クラブに当たるあそべえは、 学校内施設を利用した、 その学校の児童の放課後の居場所である。 合わせても4,5歳児と中学生は対象から外れる。 児童館は対象が0歳から中学3年までと異年齢の幅が広い。 児童福祉法に基づいて、 児童の遊びを通した健康増進と情操教育を目的にして、 開設された児童館の補完は不可能である。 次男の公約はこうして児童館の存続・増設に定まった、 当然のことながら児童館は親子でくるし、 催しによっては地区の老若男女も集う。 子どもに暖かい街づくり、 高齢者に優しい街づくりのもとになる。 こうして選挙戦は始まったが、 何しろ支持母体なし地盤なしで、 次男の演説や、 僕の応援演説を聞いてくれた人たちの反応はよくても、 市域を選挙カーで流しても、 静かで人影が見あたらず、 手応えはつかめない。 街行く人で手を振ってくれる人は多かったが、 それは僕に対してだった。 次男に対しての手応えを感じたい。 それは6日目にようやく感じられた。 選挙カーで通りかかると、 公園などで遊んでいる子どもたちが駆け寄ってくる。 道を流すと、選挙カーの前方にまず子どもが現れて手を振り、 次いで出てきたお母さんが手を振ってくれた。 その状態は翌7日目の最終日も続いた。 レンタルの選挙カーを返しにいった人によると、 次男も僕も乗っていないのに、 子どもたちが看板を見て手を振ってくれたという。 風が吹きだした。 後2日間、選挙運動が続けられたら、 その風はもっと強くなったろう。 7日間では支持母体も地盤もない無所属新人にとっては、 訴えが浸透せずかなり不利になる。 でも、少しの風も吹いたし、 次男は善戦したという実感は僕にはあった。 定員26名、立候補者数37名、 次男は1363票獲得して22位で当選した。 「喜びは1秒、茨の道が始まる」 と、僕は言った。 大いに研鑽して公約を実現する。 それが次男下田大気に負わされた十字架である。
2015.04.30
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今回は半年以上も前に、出るから、と本人が告げたので、 選挙期間中のスケジュールを入れないようにした。 実は4年前の前回も直前になって出たい意向を見せた。 4年前はまだメディアは注目していなかったが、 タクシードライバーとして、 入社早々、その月の売上トップになり、 以後、トップか、 トップに近い売り上げを続けて、 目先の利く出版社がそのノウハウの執筆を打診してきた頃だった。 だが、選挙で当選する自信が本人にはまだなかったのだろう。 結局、立候補しなかった。 3年前の春、 光文社からタクシードライバーとしての成功物語的ハウツウ書 「タクシーほど気楽な商売はない! あなたにも今すぐ始められる悠々自適の年収」 を出版、メディアが注目して、 カリスマタクシードライバーという異名をいただいた。 昨年秋には角川SSC選書から 「タクシー運転手になって人生大逆転!」を出版、 本人も機が熟したと見たのだろう。 次の武蔵野市議選に立候補すると明言した。 そのときは僕の覚悟の決め時でもあった。 本人の考えが甘いことを親の僕は重々知っていたからである。 市議選は場合によっては国政選挙より難しい。 国政は政党の公認をとり風に乗れば、 20代の新人でも議席を獲得できることが少なくない。 市議選は多くが無所属で戦う。 地域の利益代表の趣がある。 向こう三軒両隣は誰を支持するかが決まっている。 低投票率で浮動票は少ない。 その中で無所属新人としていかに戦うか。 支持母体も地盤もなく徒手空拳のスタートである。 これは親として徹底してサポートしないと泡沫候補で終わるな、 と直感した。 つまり、徹底的にサポートしようと僕は覚悟したのである。 【後編に続く】
2015.04.28
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10万円前後で売られている市販のドローンは玩具に等しい。 実際、官邸からたった200メートルしか離れていないところから飛ばして制御不能に陥り、 その屋上に墜落した。 遠隔操縦した容疑者も制御技能は拙劣だったようである。 ところで、 東京の下町の工場には天才的な職人がいる。 その職人と理工系の院生2,3人が組めば、 20キロ離れた所から飛ばし、 正確に目的地に達し、 目的を果たす高性能ドローンを製作できるだろう。 サリン爆弾を積載させ、 首相官邸や、 東京五輪のメイン競技場に投下することも可能だろう。 ドローンは任務を果たさせたら、 証拠隠滅のために自爆させればいい。 営利のために量産して販売するためではないから、 カネはかかるが、 かってのオウム真理教のようなカルト組織なら、 信者から科学者、職人をピックアップし、 製作可能だろう。 玩具のようなドローンに飛来、墜落されて、 警備に抜け穴があったと大狼狽している警視庁を見ると、 その目的のために製作された用意周到なドローンに飛来されたら、 どうするのか。 思うだけでもゾッとする。 玩具のようなドローンの販売や、 使用にいくら制限をつけても解決しない。
2015.04.26
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永遠のベストセラー「風と共に去りぬ」は、 戦時色が急速に強まった時代の1937年(昭和12年)に、 三笠書房から発刊されている。 もっともベストセラーになったのは戦後のことで、 アメリカ文化がどっと入ってきた時代に、 アメリカを代表する文芸作品ということで、 読まれたということだろう。 8歳年上の次姉の本棚にもあったから、 その頃、20歳前後の女性によく読まれたのかもしれない。 ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル主演の同名の映画が 日本で公開されたのは1952年、 次姉は20歳だった。 次姉は映画が先で、 それから本を読む傾向が強かったから、 映画で涙ぼうだになって本を買ったのかもしれない。 いずれにしても三笠書房刊は、 300万部を超える大ベストセラーになった。 新潮社が同作品を文庫で出版したのは、1977年のことで、 今日まで5巻累計で約357万部を発行している。 新潮社の新訳版は3月26日に1,2巻が発売され、 以降は4月末から順次5巻まで刊行される。 岩波文庫刊は全6巻で4月16日に刊行開始になった。 ところで、 「風と共に去りぬ」がどこかでブレークしている、 ということでもないのに、 なぜ文庫の老舗2社がほぼ同時期に競合しての刊行になったのか。 原作者のロバート・ミッチェルが没したのは1949年、 戦時加算10年を加えても、 2009年頃に著作権が切れている。 つまり、版権料なしに自由に刊行できるということである。 売れればうまい商売だが、 今の若い女性は全5巻や、 6巻ものの長大な作品に飛びつくだろうか。 モバイル世代には、 格調高い文章もとっつきにくいだろう。 かといって、高齢化した往年の読者が、 郷愁に駆られて手にするかどうか。 若い男性や、 中年世代の食指をくすぐるかどうかも疑問である。 同名の新作映画の公開でもあればともかく、 2社がほぼ同時期に刊行して、 相乗効果で売り上げを伸ばしていけるほどの需要は、 ないのではなかろうか。 2社の新訳本が共に大ヒットすれば、 出版市場にはまたとない刺激剤になる。 危ぶみながらも、それを期待したい。
2015.04.17
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航空自衛隊が創立されて60年、 創立時、 旧軍の陸海軍航空隊に在籍していた人たちが支えていたが、 もはや、その人たちはいない。 しかし、旧軍の航空隊魂は航空自衛隊に脈々と流れている。 僕はこれまでに自衛隊で12,3回講演を行っている。 陸自が3回かな。 空自が10回前後で、海自は潜水艦内を見学し、 カレーライスをご馳走になったことはあるが、 講演はまだやったことがない。 空自では講演終了後の懇親の宴で、 士官の方々と盃を交わすことが多かった。 よく飲む人が多かった。 「私ら頭も宙返りしているんです」 そんな言い方をよく聞いた。 陸自は……、海自は…… という言い方があり、 空自は「頭が宙返り」している、ということらしい。 パイロットは強力にGがかかった状態で、 宙返りもすれば急旋回もする。 急上昇急降下もする。 そのとき、頭の中も宙返りや、旋回状態だろう。 まっ、そんなこともないが、 高空を高速で飛べば、 地上の感覚と異なってくるから、 発想も地上や、 海上を動く自衛官より飛躍したものになる。 視野は広いからコセコセした考えはしない。 高空で旋回するトンビと、 地上を跳ね駆けるウサギを思い浮かべてほしい。 ウサギは俯瞰できないのである。 トンビの感覚は持てない。 頭が宙返りしている、 は僕には褒め言葉に聞こえた。 ところで、 自衛隊もサイバー戦に強い関心を抱いている。 米軍はサイバー空間を第5の戦場と位置づけている。 つまり、 陸、海、空、宇宙に次ぐ戦場ということである。 すでに、米軍は133チーム、約6000人からなる サイバー任務部隊を創設中である。 緊密な同盟関係にある自衛隊も、 まだ定かには見えないが、 米軍にならうに違いない。 陸海空でサイバー任務部隊の実験的チームを創るとすれば、 それは陸海空の各幕僚監部の情報通信課だろう。 ところで、サイバー戦の研究にもっとも向いているのは、 空自の情報通信課だと思う。 サイバー戦はいい意味で頭が宙返りしていないと、 遂行できないからである。 実際、空自の情報通信課には、 「チーム・サイバー」が設置され始動している。 次回は「チーム・サイバー」から見る 見えないサイバー戦に触れてみたい。
2015.04.15
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在日米軍事顧問団は、 自衛隊創設の影の立役者だった。 その組織は幕僚長の下に陸軍課、海軍課、空軍課の3課が置かれ、 それぞれ陸海空自衛隊に対して顧問活動を行った。 僕の姉・下田千鶴子は、 歴代の空軍課長のセクレタリーを勤め、 仕事柄、 旧陸海軍航空隊出身者と盛んな交流があった。 航空隊出身者が、 当時の航空自衛隊の要職を占めていたからである。 とりわけ、源田実さん、山田良市さんら、 海軍航空隊出身者との交流が深かったらしい。 敗色濃厚の頃、 決戦航空隊として歴戦の強者を集め、 三四三空が編成され、 松山を母基地とした。 紫電改を決戦機とするこの航空隊の活躍は、 今も広く知られている。 源田さんはこの三四三空の司令だったし、 山田さんも三四三空の先任分隊士で、 紫電改を駆ってB29や、米機動部隊の艦載戦闘機相手に、 何度か空戦を行っている。 姉は僕の記憶では仕事でパーティーに出ることも多く、 夜遅く帰宅すると、僕に、 「後10年もするとレーダーが進化して、 蟻の穴みたいな目標にも正確に命中できるんだって」 と、言ったこともあった。 姉は10年ほど勤務して米軍人と結婚し渡米した。 向こうでも航空自衛隊のパイロットが、 新配備予定のミサイル発射訓練に訪れると、 よくその世話をしたようだから、 姉のことを覚えている人はかなりいるのではないか。 姉は夫に先立たれ10年ほどして帰国した。 現在82歳になるが、 ネットの世界にも興味をもっている。 航空自衛隊にサイバー戦隊ができていることを知ったら、 何というだろうか。 (明日のブログに続く)
2015.04.14
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茨城県の鉾田市の海岸で、 150頭ものイルカが打ち上げられたってね、 地元の人が懸命に救助を行って海へ帰した、 でも、また打ち上げられて、 息絶えたイルカも多かったらしい、 きみはそのニュースを見て、 感動したんだろう、 そして、同じ日本の違う地域ではイルカを大量に捕獲し、 処分したり食べるところがある、 って知っていたんだね、 人によく慣れ難しい芸を見せてくれる、 かわいいイルカをなぜ、 って義憤にかられたんだ、 捨てる神あれば拾う神あり、 ということわざを知ってるかな、 神を地域に置きかえれば、 イルカを捨てる、つまり処分する地域もあれば、 イルカを拾う、つまり救出する地域もある、 ということなんだ、 鹿島灘という外海に面している沿岸の人々は、 イルカとあまり利害関係がない、 浜に打ち上げられれば、 情として助けてやりたくなるよね、 でも、この日本の海辺には、 イルカと深い利害関係があるところは、 いっぱいあるんだ、 湾とか、入江にある漁港を拠点に、 内海漁や、 沿岸漁業で暮らしている漁師さんが多い地域がそうだ、 この地域の漁師さん達は、 アジ、イワシ、サンマなどを獲って暮らしている、 それはイルカにとっても大好物なのだよ、 イルカが群れて湾に入ってくれば、 小さな湾では漁獲が大幅に減る、 それで漁師さんは総出でイルカ漁を行う、 浜へ引き上げてからとどめを刺す、 早く楽にしてやるということだ、 そんなところを、 過激な捕鯨反対組織のシーシェパードに撮られて、 騒ぎになったこともあった、 僕は伊豆の海辺に生まれた、 同じ地域の湾に古くからの漁港があって、 ムロアジ漁が盛んだった、 イルカの群れが湾に入ってくると、 すぐにイルカ漁を始めた、 浜に引き揚げて撲殺するんだ、 初めて見たら、やめろ、と叫びたくなるよ、 この地域ではイルカは害獣であると同時に、 貧しい時代の漁師さんにとっては、 良質のたんぱく源だったんだよ、 僕も冬場は干し肉にしたものを、 網に載せてあぶって食べたものだ、 酒の肴には味わい深かった、 ところで、きみに訊こうか、 肉料理では何が好きかな、 そうか、鶏の唐揚げか、 ヒヨコをかわいいと思うかい、 とてもかわいいか、 幼稚園のとき、 ヒヨコを飼ったことがあって、 いつも掌に乗せていたって、 唐揚げをヒヨコと思ったことはないだろう、 好きな食べ物なんだよね、 でも、食べ物だ、 でも、いのちだよ、 人間は他の生物のいのちをいただいて、 生きているんだ、生かされているんだよ、 いつもそのことを忘れずにね、 食事のときは、いただきます、って言おうね。
2015.04.11
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全国各地で読み聞かせ活動や、 子どもと人権、いじめの問題などを主なテーマに、 講演活動を続けてきて思うことは、 子どもにあたたかい地域、 高齢者にやさしい地域は、 雰囲気が明るいということである。 そういう地域は、 子どもや、高齢者に好まれる施設の利用率が高い、 読み聞かせ会は幼稚園、保育園、小学校でやることも多いが、 コミセン、公共図書館などでの開催も少なくない。 児童館での開催は数こそ少ないが、 思い出深いものがある。 乳幼児から園児、小学生までが両親や、 粗父母とともに集まってくる。 中学生が小学生の弟妹を連れてやってくる。 読み聞かせを行っているグループも、 一人暮らしの高齢者も現れる。 子どもたちは通っている園や、 小学校という限定された世界ではなく、 他園や、他小学校の子供たちと交流できるので、 視野が広くなる。 血がつながっていなくても、 三世代、場合によっては四世代の少世界が実現するので、 子供たちは吸収するものが多い。 独居の高齢者は元気を貰う。 読み聞かせ会が終わると、 子供たちは他園や、 他小学校の子供たちと情報交換を始める。 学童クラブとは、 根本的に違う世界である。 保育園に保育を託している、 共稼ぎの若い夫婦にとって、 休日の児童館で我が子と心を通わせられるのは、 この上なく貴い時間だろう。 武蔵野市に隣接する三鷹、小金井、西東京、 調布の各市は複数の児童館を運営している。 調布市は7館あり、 そのうちの3館は、 学童クラブを併設している。 武蔵野市には、 最低3館は必要だと思っているが、 数年前から桜堤児童館の廃止が論議されてきた。 とりあえずの先延ばしが決まり、 平成27年度の廃止はないが、 市当局の廃止の意向は強く、 余程強力な存続運動を起こさないと、 2,3年後には廃止になりそうな状況である。 全国の皆さん、 どうか武蔵野市唯一の児童館の存続に、 応援の声を送ってください。
2015.04.09
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まずは本日某紙朝刊の投書欄に載った14歳中学生の投書を読んでいただきたい。 テレビを見ていて日本語の乱れに気がつく。その原因は二つあると思う。一つは美しい言葉を使用していないことだ。何気なく使っている「やばい」は美しくない言葉だ。「やばい」は元々、泥棒たちが都合が悪くなったときに使っていた隠語だそうだ。言葉が持つ本来の意味を知る必要がある。 もう一つは、言葉を正しく使っていない人が多いと思われることだ。例えば、「確信犯」の意味。「悪いこととわかっていながらなされる犯罪」と思っている人が、少なくないのではないか。しかし本来は「宗教的、政治的確信に基づいて行われる犯罪」なのだ。 日本語の乱れは食い止めなければならないし、正しく使っていきたい。そのためにも、私は本を読んで言葉を知り、辞書を引いて理解を深め、言葉の引き出しを増やしていきたい。 一読して驚いたのは、14歳の中学生が美しい言葉を使用したいと強く思っていることだ。 日本語の乱れに危機感抱いて、それを食い止めたいと真剣に考えていることだ。 そのためにも読書をし辞書を引いていく、と志を立てていることだ。 中学生と言えば、隠語、符牒、スラングを使って背伸びしたい年頃だ。 流行り言葉や、少し上の世代が使っている若者言葉を使っていきがってみたいだろう。 僕はこの14歳の美しい感性に驚嘆したのである。 年若い友と食事して、 「この赤ワイン、やべーな」 などと目を細めてグラスを運ぶ自分が恥ずかしくなった。 「田我流の新曲、聴いて鳥肌が立ったよ」 などと得意気に言っている自分がうとましくなった。 この14歳の美しすぎる感性はどこからきたのだろう、 それを考えて知らず膝を打っていた。 ゆとり教育は終止符が打たれたが、 14歳は小学1年からゆとり教育を受けてきた。 詰め込み型教育では、こういう感性は養われない。 20年後30年後、 ゆとり教育で美しい感性を養った世代が、 日本を美しく豊かに変えていくだろう、 と期待して嬉しくなった。
2015.04.07
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昔から噂は立ち消えるのが早い。 人の噂も75日はその寿命の短さを言っている。 昔の噂は口コミでどんどん広がった。 手紙や、ビラ、張り紙などが噂を補強したが、 本線は口コミである。 新聞、ラジオ、それにテレビが加わっても、 噂は口コミで広がった。 真否が定かでない噂を公器が報道することはない。 せいぜい世間を騒がせている噂、 として取り上げるぐらいだろう。 噂はどんどん広がるが、 いい噂の足は遅い。 たとえ真実のことであっても遅い。 悪い噂は足が速い。 悪い噂が真実であることが解り、 新聞、ラジオ、テレビが一斉に報道しても、 噂で先に知った人が、 「やっぱり、本当だったんだ」 と、確認する役をしていることが多い。 悪事は千里を走る。 それだけ早く伝わっても、 噂に過ぎなかったものはすぐに消えていく。 真実なら後を追っかけるように、 確報が伝わってくる。 しかし、天変地異、戦災などの非常時は、 疑心暗鬼になった人々が、 確報が伝わってこない間に、 噂を信じて理性を失った行動に出る、 関東大震災時、 朝鮮人が井戸や、水道に毒を入れるという噂が流れ、 地域地域の自警団などが朝鮮人を虐殺した、 虚報と解って虐殺をやめた地域があっても、 まだ虚報だと知らない地域は虐殺を続けた。 非常時の噂は人々の理性を長く失わせ、 なかなか立ち消えにならない。 終戦時5歳だった僕も覚えている噂は、 占領軍が上陸してきたら、 女はみんなさらわれて犯される、 というものだった。 占領軍が進駐した地域では、 すぐにその噂はガセと解ったが、 大分経っても内陸のほうでは顔に墨を塗り、 男の格好をして裏山へ潜んだ、 などといった話は腐るほどあった。 さて、ネット時代である。 誰もが発信者になれるから、 毎日おびただしい量の真偽の定かでない噂が、 凄い勢いで拡散されて地球を駆け巡る。 ただ根拠がない単なる噂は、 ガセだという情報も凄い勢いで拡散されるから、 数時間で立ち消えになっていく。 これは噂ではないが、 STAP細胞の大報道のときも、 その直後から研究者、専門家などから、 様々な疑義がネット上で指摘された。 噂の話に戻る。 あっという間に全世界に広がった噂も、 虚偽のものであればあっという間に立ち消える。 75時間も必要ないのである。 75分と言ってもおかしくないかもしれない。 ただ、この寿命の短さが天災、戦災に見舞われたとき、 裏目に出ないか。 短時間で悪質な噂が拡散され、 それに人々が踊らされ、 短時間の間に虐殺、破壊などの、 不測の事態が起きるかもしれない。 アナログの時代と違って、 グローバルな広がりの中で、 短時間におびただしい被害、犠牲が出るおそれがある。 ネットの、この悪魔的な怖さの可能性を、 完全になくす方策は、 どこかで考えられているのだろうか。
2015.04.06
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大学留年生時、 銀座の新聞社でアルバイトをしていた。 銀座の街を特異なフアッションをした、 年若い男女が闊歩していた。 男はクタクタのジャケットに、 コットンパンツを履いて、 ずだ袋を小脇に抱えていた。 女は白いブラウスにロンスカを履き、 ぺったんこの靴。 頭に三角折りにしたスカーフを巻き、 リボンベルトを後ろ手に占めていた。 彼ら彼女たちは銀座の街路のあちこちで見かけたが、 おもにみゆき通りで幾つもの群れを作って、 屯していた。 当時の銀座人種は、 大正や、昭和一桁生まれの人達で、 こういう若者のファッションにまったく理解がなかったから、 蛇蝎のように見て通り過ぎた。 高級店のオーナーたちは、 商売のじゃまになると思い込んでいたらしく、 特に目の敵にしていた。 僕は彼らを見かける度に羨ましく思った。 既成の価値観に異を唱え、 自由を謳歌しているように映ったからである、 彼ら彼女たちをメディアはみゆき族と名づけた。 東京五輪の開幕を間近にして、 警視庁のいっせい補導で、 実体は有無を言わせぬ摘発で、 みゆき族は消滅させられた。 20年東京五輪の直前は、 閉塞感が長年続いて、 きっと既成の価値観が崩れかけて、 若者たちは新しい価値観を求めて、 様々な活動を始める。 その活動の象徴的なものが、 斬新なファッションとして登場する。 そのファッションに身を包んだ年若い男女が、 銀座の街路を闊歩するだろう。 恐らくそれはタイツを基軸にしたファッションになる。 外国に対しみっともないという理由で、 官邸あたりの意向を受け、 当局が取り締まりに乗り出したら、 それこそ世界の笑いものになるほど、 みっともない行動になる。 みゆき族取り締まりの愚を犯してはならない。
2015.04.05
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昨春、電子書籍市場にもようやく春がきた、 と僕は思った、 2013年度の電子書籍市場が936億円に膨らんだからだ、 電子雑誌も加えると、 1000億円を超えたのである、 2018年度の電子書籍市場は、 3倍の2800億円規模に成長する、 と予測するところもあって、 紙の市場との相乗効果も大きくなり、 その縮小に歯止めがかかるのではないか、 と期待した、 しかし、なぜか秋になって、 電子書籍市場は急に失速した、 それ以前からその兆しはあった、 値引きセールをしたときだけ売り上げが伸び、 やめるとストンと落ちる、 客は値引きセールを待って、 買い控えするようになった、 資本力があり足腰の強いアマゾンは、 無料で読める会員制のサービスも行っている、 無料でも出版社にはきちんと仕入れ代金支払っている、 将来の市場拡大を狙っての投資と見ていい、 市場全体の売り上げが伸び悩む状況下では、 アマゾンだけの市場拡大になってしまいそうだが、 アマゾンほど余裕のない他の電子書籍ストアは、 大幅の値引きセールを頻繁に行っている、 値引きによる売り上げ増に依存している、 どうしてこうなってしまったのか、 電子書籍を読むためのソフトが、 ストアによって違い煩わしい、 目が疲れる、 いっとき盛んに電子書籍を読んでいたのに、 最近は紙の書籍に戻った人に訊いてみると、 そんな声が上がる、 ところで、 紙の書籍市場は縮小が続いている、 暗夜行路を抜け出せない、 紙とか電子とかに関係なく、 書籍文化が変質する、 過度期に差しかかっているのかもしれない、 出版界はどのように変質していくかを正確に読んで、 しっかり対応していく必要があるだろう。
2015.04.04
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「おみおくりの作法」はイギリス映画。 試写室で観たとき、 これは日本のお話をイギリス人が演じているのではないか、 と思った。 内容がいたって日本的だったからだ。 主人公はロンドン市 民生係のジョン・メイ。 特異な容貌の持ち主だが、 性格はいたって真面目、誠実で妻子はいない。 仕事の内容は独居死や、行き倒れた人の肉親を探し、 その死を伝えること。 苦労して探し当てた肉親は遺体の引き取りを断り、 公費でまかなう質素な葬式にもやってこない、 この辺りで日本のお話じゃないかなあ、 という気がして、 世界のどこでもこれが現実なんだ、 思い直した。 主人公のバカがつくほどの誠実さ実直さは、 役所にとっても困りもの、 真面目に調査しすぎて経費がかかり過ぎる。 とうとう首を申し渡される。 主人公は取りかかりだした調査が、 完結するまで続行する許可を貰う。 ただし、私費でやらなければいけない。 主人公は独居死した老人の肉親を探し求める旅に出る。 その旅は自らを解放させる旅でもあったが… これ以上はネタバレになるので伏せる。 明るくさわやかな物語ではない。 意表をつく仕掛けが随所にあるエンターテインメントでもない。 悪意ではない、 人間の持つ弱い性に焦点を当ててぶれず、 自分が穏やかに指弾されたようで、 思い感動がずしりと心に落ちる。 たった1館での公開が大ヒットして、 どんどん上映館が拡大している。 「ソロモンの偽証」は、 書籍や、連載されていた雑誌で読んだ方も多いだろう。 こちらは大作だが、 「おみおくりの作法」とどこか同質の匂いを放っている。 明るくさわやかな映画ではない。 観ていて心に生まれた緊張が緩むことがなかった。 14歳前後の多感で正義感に充ちた純粋な価値観が、 適当に妥協してまだ臭いものが残っているのに、 蓋をしようとする大人の価値観との衝突、 せめぎあいが観ていて心を抉る。 ラストの衝撃性は自分が罪人になったように、 心を重く貫く。 イギリス映画の秀作と邦画の大作に、 映画鑑賞の好みの潮目が変わりつつあることを感じたが、 それは僕の偏った思いだろうか。
2015.04.03
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