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2015.09.25
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 うーん、今の中学生は夜の夜中に仲間と会って、

 ふらふら動いているらしいね。 

 無論、ごく少数派のはずだけど、 年端もいかないのにそういう子が増えたのは、 

 おばけがいなくなったせいもあるんじゃないの。 

 今は街は人通りが途絶えても明るい不夜城だもの。

 「早く帰らないとおばけが出るわよ」 

 という昔の親の脅しは効かなくなった。 

 昔は暗がりが多くおばけが棲み家にしたり、待ち伏せするところはいいくらでもあった。 



 今の子供達にとっておばけは、できたら身近にいてほしい好きな存在になった。 

 夜が明けるまで街が明るくなった頃、日本はは高度経済成長の波に乗った。

 その時代の転換期に怖いおばけは絶滅し、

 新しいおばけに取って代わられた。

 オバケのQ太郎である。

 高度成長期の申し子である当時の子供たちに、

 オバQは拍手を持って迎えられた。

 子供が好きな今風のおばけたちは、

 オバQの系譜を引いている。

 僕はよくおばけの絵本を読み聞かせる。

 ちっとも怖がらず友だちが登場したように、



 今必要なのは昔の夜、つまり、闇ではないか、

 と思うことがある。

 昔の闇はただ怖いということで、

 子供たちにとって反面教師的に自宅の安全さを教えていた。

 自宅の戻ればほっと安心できたのである。



 子供を食い殺すおばけなんかいやしなかった。

 でも、子供たちがそのくらいに怖がってくれ、

 早く帰宅したので不可解で痛ましい事件は起きなかった。

 昔だって子供たちが暗闇を怖れなかったら、

 稀ながら子供を取り殺す魑魅魍魎は出現しただろう。

 異常な人間という魑魅魍魎である。


 街が不夜城化して子供たちは夜を怖れなくなり、

 宵っ張りになった。

 実は親たちが先に宵っ張りになったのである。

 遊んで、残業して、別の仕事を持っていて、

 それぞれに帰宅が遅くなる。

 初めは子供たちもうちで親の帰宅を待っていた。

 やがて、親が帰宅してみると、

 子供たちの姿がない。

 そうか、どこかへ行ったんだ、そういう時代なんだ、

 と親たちは納得してしまった。

 今の親たちが簡単に納得してしまう理由は2つある。

 1つは深夜に出歩く子供たちをどう扱っていいか、

 のマニュアルを持ち合わせていない。

 子育てならマニュアルはいくらでも学ぶ機会があって、

 スキルとしても心得がある。

 しかし、深夜に出歩く子供たちを止めるマニュアルは知らない。

 想像力をあまり使わない親は、

 そうか、時代か、で無意識のうちに心で折り合いをつけてしまう。

 もっとも、こういう親は言うまでもなく少数派である。

 人通りの絶えた近くの商店街の商店の殆どは、

 シャッターを下ろしていても通りはこうこうと明るく、

 コンビニや、満喫は営業している。

 その光景を思い浮かべて安心してしまう。

 しかし、今はそういうところこそが闇で、

 昔以上に増えた魑魅魍魎たちが、

 牙を研いで獲物を狙っている。

 夜の闇が消えて今はもっと怖い明るい闇が至るところにある。

 そのことを親たちは認識すべきだろう。









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最終更新日  2015.09.25 18:49:39
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