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巨椋修(おぐらおさむ)

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2007年02月16日

毎日新聞に次のような記事が載っていました。

理系白書’０７：第１部　科学と非科学／３　根拠ない血液型性格判断

『昨夏、「怖いくらい、よく当たる」と、インターネットで話題になったサイトがある。

「究極の血液型心理検査」。指示に従っていくつかの質問への答えと血液型を入力すると、「あなたの性格」が表示される。

６～９月の９７日間に４８３万人が訪れ、９割近い４３２万人が検査結果を「当たっている」と答えた。

　実はこれは「だまされる心理」を巧みに使ったニセ検査だった。

現在は、ニセ検査であることも含めて「種明かし」が載せられている。

仕組みは占いの本に出ている「性格」を適当に組み合わせ、回答者の答えに関係なく表示するだけ。

このように、誰にも該当するようなあいまいな内容を「自分に当てはまる」と思い込む現象は、心理学用語で「バーナム効果」と呼ばれる』
（※巨椋注；バーナム効果とは、アメリカの詐欺師フォニアス・テイラ・バーナムの名前から取られた言葉）

血液型については、以前に

「心理学は役に立つか？」

「スピリチュアルカウンセラーを笑う」

「リテラシーを身に付けろ！」

などの回でも、書こうと思っていたことなんですけど、なんとなく書きそびれてしまっていたものです。

「血液型性格判断」というのは、1927年（昭和2年）に古河竹二の『血液型による気質の研究』が始まりです。

古河の研究によると

O型は積極的。陸軍大学出身の将校、実業家、志願兵が多い。O型は意志が強く勇気があるからである。

ちなみにO型は、犯罪者や売血者も多い。意志が強く勇気があるからだそうな。（笑）

Ｂ型も積極的。実業家が多い。社交的だからだそうな。

読んでいてわかるように、この説はムチャクチャで、正式な統計ということもないため、この血液型と気質の仮説は、1933年に日本法医学会総会で、見事に否定されています。

それが、1970年代に『血液型人間学』という本になって復活し、大ブームとなります。

しかし、その本に載っている統計や数字もかなりいい加減なもので、とても統計と言えるようなものじゃなかった。

むしろ、著者の都合のいいように書かれた統計であったりしたため、まじめに性格を研究している人には、失笑されるに留まりましたが、専門家以外の人にはおおいにウケた。

科学的にも証明されておらず、トンデモ学や、ニセ科学と言われているものです。

納豆ダイエットでヤラセ・ねつ造で有名になった『あるある大辞典２』も、2004年に血液型で性格がわかれるという特集をやって、インチキ番組ではないかと非難されていたりしています。
（参考文献；村上宣寛著『「心理テスト」はウソでした』日経ＢＰ社刊）

そもそも、人間の性格が４つであるわけがなく、その４つの性格で相性や向き不向きの仕事などが分かれるはずもありません。

逆にいえば、たった４つだから素人には分かりやすく、ブームになったのかも知れません。

星座占いなら12星座あって、全部を覚えるのは大変ですからね。（笑）

似た例としては、太った人は社交的、痩せた人は大人しく文学的、ガッチリ型は努力型といった体型で性格判断をするというのも、科学的に否定されています。

ハッキリいって、血液型や体型で性格はわかりません。

血液型性格判断は、星占いと一緒で飲み会での会話や、友だちとのバカ話のときに使うのは楽しいかも知れませんが、それが就職やいじめの材料になってしまっては困ります。

「レッテル貼り（ラべリング）について」でも書いたんですけど、血液型にせよ、不登校・ひきこもり・ニートといったレッテルにせよ、そんなものに左右されて人を判断するのは愚かなことです。

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