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其の伍 イギリスとフランス編 後編
イギリス・ロンドンとフランス・パリの旅~フランス編
バスごとフェリーでフランスに渡った私。暫く陸路でバスに揺られた。
何時間かして、パリのコーチ(バス)ステーションに着いた。
が、フランス語はわからないし、ここはどこなのかすらさっぱりわからない。
どうしようと途方にくれていると、あるフランス人が手招きをして「こっちがタクシー乗り場」みたいな事を言っていた。(なんとなくそんな事を言ってるような気がした・・・)
それでおバカな私は彼について行き、彼の車のトランクに荷物を乗せて、ホテルの住所を示した。
それは白タクだったようだ・・・
なんとかホテルに着いたら、「ドゥ」と人差し指と中指で「2」を指し示すサインをされ、100フラン(当時の通貨単位。今はユーロになってますけど)を見せられた。
だがそのとき手元に100フランしか持ってなかったので、100フラン札1枚を渡した。
運良く、近くにパトカーがいたためか運転手は札を受け取ると、すぐに立ち去った。
私はホテルにチェックインして休んだ。
その日の夜、近くで銃声がしたりホテルが騒がしく、私の部屋も激しく誰かがノックしたりしていたが怖くって怖くて眠った。
よっぽどフロントに電話しようかと思ったが。あとで聞いたら暴動があったらしい。
2日目は、朝起きて朝食の時間がわからなかったので、フロントに電話して
聞いてみた。(フランス語わからないので会話本を見ながらぎこちなく)
そしたら英語で「The breakfast is ready.」と言われたのでちょっとびっくり。階下に降りるとみんなそれぞれ食事していた。
クロワッサンか小さいバゲット、コーヒーか紅茶を選んだ。
すぐ近くに日本人の女の子2人がいたので話しかけた。そこで彼女らと意気投合し、その日の行動を共にする事にした。
最初、オペラ座の建物を見たあと、ルーブル美術館へ。金属探知機でバッグをチェックされた。何事もなく中へ入り、絵画や彫刻を楽しんだ。
私はサモトラケのニケの彫刻が楽しみだった。教科書などでみているものの実物を見ると凄く感動する。こんな簡単な言葉では言い尽くせないほど。
モナリザも見た。美しい。当時は囲いがなかったが今では警備が強化されてケースに入っているとかニュースで聞いた事がある。
ルーブルでは美大生なのか若者が絵を模写したりもしていた。
その後セーヌ川にかかる橋をこえて、オルセー美術館へ。印象派の絵画が好きで沢山みる事ができた。フランスはほんとに芸術家の都だ。
その後ギャラリーラファイエットというデパートでウインドーショッピング。
そしてお金がないのでマクドナルドでハンバーガーとソフトクリームを
食べた。でもマクドナルドといえども結構高い。
3日目は、一人で凱旋門前で写真を撮り、マドレーヌ寺院、コンコルド広場、チュイルリー宮殿も眺めて、オランジェリー美術館へ。
ここはモネの睡蓮がある事で有名。
最近オランジェリー美術館の改装工事が終わってこの絵が公開されたとニュースで見た。
私はマリー・ローランサンが好きで彼女の絵が見られて嬉しかった。あと青の時代のピカソの絵などもあった。
最後に地下のモネの睡蓮をみた。部屋一面の絵。もの凄く感動。泣きそうになったほど。
後に何かで知ったが、モネは日本人から贈られた睡蓮をモチーフにこの絵を描いたとか。
その日は近くのパンやさんで菓子パンを買って夕食を済ませた。
4日目はホテルの従業員のパリジャンが私をパリ観光に連れて行くと言い出し、連れていってもらった。
サクレ・クール寺院、モンマルトルの丘・・・エコール・ド・パリの芸術家など沢山の芸術家を輩出した街。
そのあと近くのマルシェ(市場)へ。見た事ないくらい大きなきゅうり、色とりどりの果実、野菜。今でも目に浮かぶ。
そのあと、アフリカ料理のクスクスを食べられるレストランへ。小麦粉をだまにしたような細かいパスタ(多分そんな感じのもの)にトマト、鶏肉、ナス、ズッキーニなどを煮込んだソースがかけられている。美味しい。
フランスは移民の国でもある。黒人の方々も多い。だからこういう料理もたべられるのであろう。
5日目、私はひとり買い物デーだった。モンパルナス方面へ出向いたが、エッフェル塔はただ眺めただけ。
エルベ・シャプリエでバックをお土産に求めたりした。
昔の事でくわしくは忘れてしまった。
夜は近くのスペル・マルシェ(スーパー)で買った簡単なものを食べた。
6日目、最終日、朝早くにホテルをチェックアウトして、シャルル・ド・ゴール空港へ向かった。スーツケースの荷物はやけに重く感じた。
たしか午前の便でパリをたち、またシンガポール経由で日本へ帰国。
シンガポールまでの道中、日本人の女性が隣の席だったので色々お話をして、退屈する事はなかった。
彼女はトルコへ行き、そのあとアイルランドにもいったそう。
トルコでの宿は飛行機で知り合った人の家といっていた。ありえない。
だがトルコは親日派が多いと聞いた事もあるから、まんざら嘘ではないかも。
シンガポールには確か現地のお昼過ぎに着いた。そこで彼女とわかれた。
次の飛行機は深夜の便だから、それまでにはだいぶ時間がある。
私はシンガポール航空を利用した人が参加できる2時間のツアーに参加する事にした。
バスの中からだが、有名なラッフルズ・ホテルやマーライオンなどをみた。そして展望台について、誰かに写真をとってもらおうとしたら、たまたまアメリカ人女性がいたのでお願いした。
彼女も一人旅だったので、帰りのバスは一緒に席に座った。彼女はアメリカで英語教師(つまり国語の教師)をしているという。香港旅行の帰りだったようだ。
ツアーが終わってからも彼女とともに夕食をとったりした。あと肩こりが酷いと言ったら薬まで提供してもらった!香港で買ったらしい。
だが、お手洗いに行くといっていなくなったきり、彼女に再び会う事は叶わなかった。
そのあと、深夜の飛行機の時間になり、私はその飛行機で日本に戻ってきた。
初めての海外。全てが輝いていて、鮮やかな記憶として今でも目に焼きついている。
たった一人の旅だったので、少し心細かったけれど、その時々で出会った人から受けた優しさなどは今でも私の心の中の宝物だ。
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