海洋冒険小説の家

海洋冒険小説の家

(3)詫び証文について



 ~敬白 起請文の事。
 一つ、このたび江州は浄厳院に於いて、浄土宗と宗論の義、法花負け申す事。
 一つ、向後(注1)他宗に対し、一切法難をなさぬ事。
 一つ、法花一分の義立ち置かれるの旨、かたじけなく存じ奉り候事。
 右の條々偽りこれあるに於いては、忝し(かたじけなし)
 日本国中大小神祗・大乗妙典、殊には三十番神、御罰、蒙られるべしなり。
 よって、起請文件(くだん)の如し。
 天正七年五月廿七日
          妙覚寺代、日諦、在判
         頂妙寺前住、日光、在判
           久遠院、日雄、在判
          本國寺代、日佑、在判
          要法寺代、日周、在判
          妙満寺代、日淳、在判
          妙傳寺代、日請、在判
          本能寺代、日幸、在判
          立本寺代、日仙、在判
          妙顕寺代、日休、在判
          妙蓮寺代、日衆、在判
          本隆寺代、日傳、在判
          本禅寺代、日術、在判
 菅屋九右衛門尉殿
 堀久太郎殿
 長谷川竹殿   ~

 次はもう一通詫び証文がある。それは次の通りや。それにしても法華宗の坊さんの名前というのは皆見事に「日」がついてるもんやなあ。

 ~このたび、當宗立ち置かれるの義、かたじけなく存じ候、それについては、向後他宗に対し法難の義、いささかも異義有るべからず御座候、もし今より以後、不届きの義申し出る者あらば、此の一行の旨をもって、當宗ことごとく御成敗成され候、その時は毛頭御恨み申し上ぐべからず候、此の旨御披露預かるべく候、恐々謹言。
 五月廿七日
          妙覚寺代、日諦、在判
         頂妙寺前住、日光、在判
           久遠院、日雄、在判
 菅屋九右衛門尉殿
 長谷川竹殿
 堀久太郎殿   ~

 そして、最後に信長の殿さんより、村井長門守殿宛の書状の写しや。
                       (続く)
[注1=こうご=今後]





© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: