酒呑老爺の日曜シェフ日記

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『地球の命』



『地球の命』 樹木医 塚本こなみ

 無限の宇宙を旅した宇宙飛行士たちは、数限りない星たちの中で唯一、命があるといわれている地球をどんな思いで見たのでしょう。何を思い、感じたのでしょう。計り知れないほどの地球の重みや素晴らしさを、全身で感じたのでしょうか。
 宇宙飛行士がその後に選ぶ道は、森に暮らしたり農業を営んだり、宗教家や学校の先生になることも多いと聞きます。なぜ農業なのだろうと思いました。
 地球に命があると思うようになったのは、この時からでした。地球が環境悪化のためにくしゃみをしたり熱を出したりしていないか、あまりにも多く繰り返されてきた核実験や戦争で苦しんでいないか心配です。地球も私たちと同じ命を持つと言う考え方をしなければならない時が来たと思います。
 大切なのは、ほんの少し前まであった多くの木々や森、豊かできれいな水をたたえる川、汚れていない海、そこから私たちがいただく豊富な食べ物、そして戦争のない国々です。
 今まで樹齢千年余の樹木、数百年の年月を生きてきた木々を数多く見てきました。すべてを受け入れ、すべてを許してきた樹木は長い年月、私たちを守り、恩恵を与え、自然の命をはぐくんできました。自分たちは老いて枯れ、時に強い風に身を裂かれ、倒され、朽ちて生涯を終えます。倒れたその上には新たな芽が育っていきます。自然の循環が穏やかに繰り返され、営まれていくのです。これこそが地球の命でしょう。
 私の樹木のように強く根を張って信念を持ち、感謝の心と笑顔で自然に身を任せるかのように心穏やかに過ごしたいと願っています。半年間、つたない文面にお付き合いくださいましてありがとうございました。心よりお礼申し上げます。


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