いっちゃんねる 日々つれづれ

いっちゃんねる 日々つれづれ

療育のススメ



いっちゃんねるを授かって、全く知らない世界に飛び込んだ私。

家にこもって出かけるのはリハビリ、検査、必要な通院が中心で

買い物はほとんど生協の宅配に任せ、

浦島太郎のようになっていました。

1歳半の時、小児神経科の先生に「療育」をススメられました。

1歳半の時点で自力歩行が可能で、自力での哺乳と経口摂食が出来るようになり、
経管栄養チューブも必要としなくなっていました。

ありがたいことに、役所からも園からもすぐに承諾を得、契約し、
1歳7ヶ月から通うことになりました。



園長先生と3人の保育士さん。
クラスはありません。いっちゃんねるが一番小さい子で、就学前の6歳までの
さまざまな障碍をもつ子が通園していました。

いっちゃんねるの担当保育士さんは、手話のできるA先生です。
個別に指導を受けるための担当保育士で、普段は6,7組の親子が3人の保育士さんと共に
療育を受けるのです。


「療育」難しい言葉ですが、内容はゆったりしていて、保育園などと似ています。
春の遠足、夏はプール、野外訓練に運動会、クリスマス会など行事も盛りだくさんです。
専門的な指導は、言語聴覚士、音楽療法士、臨床心理士、理学療法士、作業療法士、摂食指導員
などなど専門分野の客員講師を定期的に招き、親子共にその指導を受けることが出来ます。
必要ない場合は受けないことも選択できます。
内科検診、歯科検診、検便検尿などの検査も行います。

療育所によって特徴があったりします。




療育をすすめるのは、ゆったり流れる時間と
ゆったり接することのできる先生と、
ゆったり成長する子供と母が、
確かな成長を感じることが出来たからです。

その時間が、私たち親子には必要でした。

自分だけじゃないよ、と支えになりました。

そして、こんな私たちでも誰かの支えにもなっていると思うと

疲れている週末でも

だるい月曜日でも

自分を奮い立たせる原動力になっていきました。







…と通って1年。担当保育士のA先生が異動になってしまいました。

置いていかれてしまうようで悲しかったことを記憶しています。

まだ喋れなかったいっちゃんねる。A先生は病気で休んでいる、と思っていましたが、

ある日、異動先の保育所の園外保育でバッタリ出くわし、

他の子供たちと遊んでいる姿を見たら、納得した様子でした。



A先生の異動と共に担当になったのは一番若い…(3年目の)T先生でした。

それまでも事あるごとにT先生にはお世話になっていたので、

そのままそっくり引き継がれたことがホッとした点でした。

T先生は誰よりもいっちゃんねるの言葉を良く聞き、理解してくれました。

歌もたくさん歌ってくれたし、人一倍甘え上手ないっちゃんねるを良く構ってくれました。

時に厳しく、そして温かく見守ってくれた先生。

若いのに…私よりも大人な考えに、私的な会話もちょっぴり楽しい先生でした。






その半年後…T先生が突然退職することになりました。

結婚なさるそうで、いたしかたない。

でも半年前先生が変わって、また変わるなんて…

いっちゃんねるの先生が、みんないなくなっちゃって、とても悲しい思いをしました。

「オヨメ、いく?」と何度も何度も確認していたいっちゃんねるでした。

T先生が退職した理由は、別のところにあるような気がしていました。

…それからたびたびT先生と街中ですれ違います。

そのたびに、お互い気が付き、お辞儀を交わします。

パパ(旦那)がT先生が呑んだくれているのを見かけたと私に報告します。

一体何があったんでしょう…(笑)先生も人間です(笑)。




T先生の後任の先生がいっちゃんねるの担当になりました。

結婚前、この療育所で数年働いていた、と聞いていましたから、期待していました。

が、蓋を開けてみたら…期待するほどのことは無く。

普通のお母さんのような、庶民的な先生でした。

それでも、毎日、暇な日は、せっせと療育所に通っています。2005年10月。





2006年4月
 「障害者自立支援法」のもとに、療育所のシステムが変わりました。
今までは「支援費制度」で、所得に応じで自己負担額があり、母子家庭など、低所得者層は負担金が少なかったのに対し、4月からは、支払いの上限額が設けられてはいるものの一律の負担金が生じるようになりました。

 4月から保育所に通い始めたいっちゃんねる。療育所のいい所だけはとって学ばせたい、そんな思いがありましたから、契約はそのままに並行通園させてもらうことにしました。 一回あたり528円のお金を支払って療育してもらう…もし月に20日通うなら1万円を超えることになります。上限が37200円と、これまた特児手当を消化してしまう額ですから何とも憤りを隠せません。
 サービスをこれまでよりも充実させる、とは言うものの…充実させたからといって子ども伸びに反映するのか、という声も聞かれます。
 もともと自立支援法はそういった子どもたちを排除する目的ではなかった筈なのに、幼稚園や保育園に通う子どもは、並行して療育所に通い難くなってしまって、結果的に療育所は休園状態に陥ってしまうのではないだろうか…と危惧しています。


2006年9月、『障害者自立支援法』の本始動を前に…
 役所から一通の手紙が届きました。自立支援法がスタートするのを控えて、障害福祉受給者証の更新と補装具や日常生活用具の申請を受け付ける、というものでした。補装具等は9月中なら交付、10月以降は1割負担と記してあり…、特に今これを!!と必要なものが無くても、いちおう申請してみようか…という気を起こさせる内容のものでした。
 ダメ元で…補聴器、申請しようかな…。代えがあれば、修理に出したときの不便さが解消されるしね…でもまだ4年目だしね。


 話は「自立支援法」に戻って、では10月からは、一回療育所を利用して(事業所に)いくら支払うのか。療育所の規模にもよるけれど、中規模施設で754円、20日通ったら1万5千円を超えます。所得や子どもの年齢にもよるけれど保育園の保育料や、地域差もあるだろうけれど公立幼稚園の月謝と肩を並べますね。
小規模施設は500円を超えると聞きました。
 こんなに負担額が大きいのでは、療育所に通う親子がいなくなるのではないかと心配しています。そして何よりも療育が必要な子どもが適切な療育を受けられないことによる二次的障害も、危惧されるところだと思います。



 何かしら障害のあるお子さんには療育をススメたい。あなたと、あなたのお子さんにピッタリ合う療育所が見つかるといいですね。そしてあなたのお子さんの将来が、少しでも見い出せたら…と思います。






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