いっちゃんねる 日々つれづれ

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障碍児をそだてる母~気管切開のお子さん



<中学3年生の多感な時期のお子さんのお母さんとお会いして…>

高校受験を間近に控えて、お子さんとお会いすることは出来なかったのですが、
まだ小さかった頃、いかにして子育てしてきたかを尋ねました。
気管切開をして、補聴器をつけて…いっちゃんねると近い状態のお子さんです。

●3歳(年少)で幼稚園に入る前までは…
聴力が弱いために週に1回ろう学校の早期教育に通い、
障碍児の母子通園にも通い、あわせて幼稚園の未就園児クラスにも顔を出したそうです。
病院での言語訓練が週1回、運動訓練もしたそうです。

●市内の私立幼稚園に3歳(年少)の時に入園。
前例はなかったものの、受け入れはスムーズだったそう。
朝、近くまで迎えに来るバスに乗って、午後2時過ぎに園バスで帰宅するという、
普通の幼稚園児と同じに幼稚園時代を過ごしたと聞きました。

入園までにオムツをはずし、自分で痰を上げてティッシュで拭う練習をさせたそうです。
看護師はおらず、吸引が出来ないので、具合が悪い時は休ませ、休みは多かったらしいですが、年長の頃はほとんどやすまなくなったと聞きました。
引き続きろう学校で(キュードスピーチなど)指導を受け、言語訓練も週1回受けていたそうです。

その頃…下に赤ちゃんが生まれ、産前も産後もほとんど休むことなく通い、
下の子を託児所に預けたり、おんぶして連れて行ったりとご苦労なさったようでした。
ただ、そんな話もパワフルに話してくださるので感心しちゃいました。

●小学校入学前
ろう学校に進ませるか悩んだそうですが、聴力的に普通学級に入学を決めました。
年長さんの時には、ろう学校での絵日記指導もあって、読み書きが出来たので、
1年生にあがってから初めて読み書きを習う子どもよりも【貯金】がありました。
【貯金】があったから助かった、一学期は学校に慣れるだけで大変だと思うから、
もし、あなたのお子さんにそれだけの能力があるならば、【貯金】があったらいいよ、ともおっしゃっていました。

小学校入学までをじっくりと聞きました。

言葉の訓練では…カニューレしてようが、補聴器してようが、最大限に力を発揮させたかった、それをハンディと思わずに、バネとしていける精神力の強さもつけさせてあげたかった…
絵日記の指導も面倒で面倒で…だけど、絵日記があったから今の○○(←お子さんの名前)があるといっても過言じゃない、
面倒だけど、手をかけ、目をかけただけに、伸びていく。
下の子どもたちに、それだけ手をかけろといわれても出来ないけれど、
あの頃は必死でやってきた…スパルタだったんじゃないかなって思うこともある。
絵日記も夜なべで仕上げて、朝通う車の中で読ませた…
信号で止まるたびに一つ一つ読ませ…
先生に指導を受けたその日と次の日は真面目にやるのに忙しさにかまけて
3日目くらいから夜なべになっちゃうの…(笑)

…今でこそ大きな口をあけて笑って話せるけれど、
当時は笑う暇もないほどだったわよ…

●電話で…ご本人と。
少し話させてもらいました。
本当に気管切開してるの?本当に難聴なの?
信じられない、こんなに鮮明に言葉を発するなんて!!
というのが率直な感想でした。
そして、中三にもなると見知らぬ人と何を話したらいいのか…戸惑いもある。

お母さんは…まだまだ発音は良くないんだよね…
もう少しなんだけどね…
語彙は少ないしさ…

彼を目標に…そして彼女を目標に育てようと、強く心に決めたのでした。

この春、第一志望の公立高校に合格し、
春休み中に手術を受けるそうです。





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