え?なし…

え?なし…

~天国地獄マニュアル~ 2章



多分5分くらい歩いた。
手に時計をつけていたのだが、
液晶画面が消えている。
そうやら此処には時間というものが
ないみたいだった。

「バコッ!!」

何か蹴っ飛ばした。

「ん?」

隼人はその蹴り飛ばした物
を拾った。
とても分厚い本で、
~天国地獄マニュアル~
と書いてあった。
杏は少し後ろの方を歩いていたので、
気付いていない。
隼人はなにか凄い物を拾ったかもしれない
と思い本を読んでみた。

~この本を見つけることができたなら
 この場所を無事に達することが
 出来るかもしれない。
 ここは≪死んだ人≫が、
 来る場所…~

隼人は本を閉じてしまった。
すると杏が来て
「それ何?」
と聞かれて、
本を隼人は無言で渡した。
杏はぱっと本のページをめくり、
最初の方を見た。
すると、
「何…≪死んだ人≫が来る場所?≫」
と言った。

隼人が叫んだ。
「死んだ?…そんな…
 おかしいよ。
 確かに目が覚めればこんな
 場所に来てたけど…
 納得いかない。」
と言った。
隼人の目から涙が零れた。

すると杏も本を落として、
「そんななんで?
 私いつ死んだの?」
と泣きそうになっていた。
そんな杏の様子を隼人は見た。
すると隼人は杏に《足》がないのに
きがついて、
「あ…杏。足が…
 足が…ないよ!」
と叫んでしまった。

杏は慌てて自分の足を見たが、
見える。
ふと隼人の足を見ると、
消えていて見えなかった。
そして、
「隼人!隼人も…
 足がぁぁ…」
と叫んでしまった。

このあと二人は、
自分の状況、
状態、
この場所についての答えが出た。

二人はうなだれた。
もう、どうすればいいのか分からない。

そして隼人が、
~天国地獄マニュアル~を
読んだら何かヒントがあるかもしれないと思い、
本を読み出した。


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