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2007.09.22
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カテゴリ: おはなし
仇という関係がある。

いじめっ子と、いじめられっ子。
商売敵などは生活がかかっているから切実だ。

一方的にやられ続け、いじめられているような関係でも、当事者間では奇妙な友情が芽生えることがある。

それは、ひょんなことから気付く事がある。

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毎日、若奥様は自転車で買い物にいく。

陽気な若奥様は、通りすがりの看板にまで声をかける律儀な人気者だ。



散歩に行きたいのか、餌が足りないのか、はたまた飼い主の愛情が足りないのか?

通りすがりのだれかれかまわず、吼える吠えるホエル。

つながれた鎖の長さで唯一届く電柱におしっこを引っ掛けるのが日課になっている。

そんなひねた犬にでも、若奥様はやさしく微笑み、声をかける。

「あら、ワンちゃん今日も元気ね。」

いつしか、犬にも、やさしい気持ちが伝わってきたのだろうか。

犬は若奥様が通る時刻が待ち遠しくなっていた。

通る時刻が近づくと、外に出て自転車が通り過ぎるのを待っている。


さて、待っている間、おしっこをかけ続けられているのが電柱である。

電柱に命があれば、はらわた煮えくり返る想いであろう。

もっとも、若奥様は物言わぬ電柱にも声をかける。


事実関係はおしっこかける犬とかけられる電柱という関係、電柱から見れば仇のような存在だ。

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電柱「おしっこかけるんじゃない!」
犬 「そんなところに立っているのがいけないんだよ、悔しかったら動いてみろよ」

犬 「動けるのか?」

なんて会話を交わしているかどうかは定かではない。
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さて、今日も大好きな若奥様の通る頃、犬は道路に出てきた。

例によって、電柱におしっこを引っ掛けて待っていた。

『電柱さん、いつもご苦労様、またワンちゃんも一緒ね、本当に仲がいいのね。』
あきらかに勘違いなのだが、毎日にこやかに言われていると、そんな気がしてくるものだ。


ところが・・・・・・・

若奥様のやさしい声が聞こえなくなった。

いつもの時刻に通りかかる若奥様が声をかけてくれなくなったのだ。

犬は不安になっていった。


今日も若奥様が無言で通り過ぎようとしている瞬間、犬は悲しそうに若奥様を見上げた。

そこには、ちょっと苦しそうに自転車をこぐ若奥様がいた。

「ワンっ!!」犬は野生のカンで目には見えない危機を察知した。


大きく吠えながら、犬は自転車に向かって飛び出した。


鎖につながれて、自由に動ける範囲は決して広くない。

『キャッ!』

飛び出した犬が接触し、バランスを崩した自転車は電柱に向かっていく。

「ワン!!  ワンワン!!!」犬の叫びは、電線が震えるほどの叫びとなった。

若奥様の自転車は電柱に激突し、若奥様は頭にこぶができるほどぶつけてしまった。

家族が心配して若奥様は病院に行って治療してもらうことになった。

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若奥様が病院で検査を受けていた頃。

犬 「電柱よ、お前本当に動けるんだ。」
電柱「ぶつかる瞬間に回りに気づかれないようにほんのちょっとだけ動いたのさ。」
犬 「それで、あのくらいのタンコブですんだんだな。」
電柱「頭の検査をしてもらわないと困るから、加減が大変だったよ。」

犬 「お前にもわかったのか? 頭の中になにか変なものがあるのが?」
電柱「どうすれば、教えてやれるかばかり考えていたのさ。」

なんて会話がなされていたことは、前輪が歪んで放置された自転車だけが聴いていたのかもしれない。

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「だんなさん、よく聞いて下さい。」検査の結果の説明を医師がはじめた。

「奥様の頭に腫瘍が見つかりました。」
見せられたレントゲン写真には小さな黒い影が写っている。

「幸い、良性のもので早い発見ですので、経過観察と投薬治療で処置できそうです。」
医師の説明は患者に一切の不安を与えないものだった。

「このタイミングで検査を受けることができたことに感謝ですね。」
医師はこう締めくくった。

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仇という関係がある。

いじめっ子と、いじめられっ子。
商売敵などは生活がかかっているから切実だ。

一方的にやられ続け、いじめられているような関係でも、奇妙な友情が芽生えていることがある。

それは、ひょんなことから気付く事がある。






このお話はすべてフィクションです。   

イジメはいけません。





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最終更新日  2007.09.22 06:28:58
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