
時に、獣医師系サイトの相談コーナーに、『うちの猫は完全室内飼いなので、ワクチンの必要はないのでは?』といった質問がよせられているのを見かけます。答えはいつも『ワクチンはしましょう』となっています。
この場合のワクチンとは、一番一般的な3種混合をさしているのですが、このワクチンで予防出来る3つのウイルス感染症は、感染している猫と接触していなくても、充分に感染のリスクがあるそうです。たとえば感染している猫が、グッシュンとくしゃみをしたとして、そのシブキがかなりの距離を空中移動出来る事を想像してみると…このシブキが混ざった空気を他の猫が吸い込めば、鼻の粘膜を通して他の猫が感染してしまう事も…。またこういったウイルスは、人間が靴の裏につけて外から持ち込んでしまう事もあるそうで、特に感染力の強いパルボウイルスでは、そのようなケースであっても、充分感染のリスクがあるそうです。
室内飼いであっても、やっぱりワクチンは接種した方が良いとお答えがあるのは、そんな理由からです。
では、上記の3つの感染症は、ワクチンをする事によって完全に予防出来るのか?と言うと、実はそうでも無いのだそうです。
一番感染力が強いと言われているパルボウイルスに関しては、かなり高い確立で予防が可能だそうですが、ウイルスには色々なタイプの物があって、全部が全部予防出来るとは限らないようです。例えばカリシウイルスの場合は、呼吸器に症状が現れるタイプのものには免疫がつきやすが、他のタイプのものだとそうでも無い事もあるらしいのです。これはちょっと人間のインフルエンザに似ているような気がしなくも無いような?。たとえばホンコンA型、B型のように、ちょっとタイプが違ったウイルスが存在すると言う事のようです。どうも、ウイルスとは日々変化をとげているものらしい。
それでもワクチン接種をしていれば、運悪く感染してしまったとしても、していないよりはずっと症状が軽く済むのだそうで、100%予防する事は不可能であっても、やっぱりワクチンはしていた方が安心と言う事になります。
さて、このよう伝染性の病気の予防には、ワクチンをする事は有効ですが、本当は犬の狂犬病の予防接種のように、どの猫も皆接種していれば、ウイルスはやがて行き場が無くなり、そのうち消滅に向かい、猫社会全体の感染するリスクも格段に少なくなるのだそうです。
しかし、アメリカなどのペット先進国に比べると、日本ではまだまだ接種率が低く、どうもそういう日は当分訪れそうにも無いような気がします。
飼い主たるもの、せめて自分の愛猫の健康は自分で守らねば!と言ったところがせいぜいかも?。
何年か前に新しいワクチンが発売され、予防効果が高くなってきたとの事から、海外のサイトでは、3種混合ワクチンは生後1才くらいの時の3回目を接種した後は3年に一度でよいとする意見も見られて、国内のお偉い獣医師の先生の中にもそのプログラムを推奨していた方も存在しますが、でも、本当にそれで大丈夫なのでしょうか? だって日本は、アメリカに比べたらずっとワクチン接種率が低くて、感染のリスクだって高いはず、ある意味汚染地区(?)みたいなモンなんじゃないかしら?。 そんな理由があるからか、それとも固定ユーザー獲得の為か、現場の獣医さんからは、そういった声はあまり聞こえてこず、3年に一度の声も最近ではややトーンダウンぎみのような気がします。
うーん、ワクチンて猫と暮らしていると気になる存在…と言う事で、このオハナシはまだ続く。
●確かに最近のワクチンは効果が高いようで、接種しているからか、ちょっとお鼻がグズグズするくらいなどで、熱が出たりなど全身症状にならない為に、『何か大した事なさそう』と、なかなか獣医さんを訪れずに、かえって慢性鼻炎などになって、直りにくくしてしまうケースもあるのだとか。ワクチンは肺炎などの呼吸器に症状が現れるタイプのものには免疫がつきやすいけど、部分的症状にはそうでもない事を考えると納得!やっぱりおかしいかな?と思ったら病院へ!なんですねぇ。