お空のあいちゃん

お空のあいちゃん

陣痛



10時になっても陣痛が強くならなかったので、陣痛促進剤をうつことになりました。11時ごろになると、よわい痛みを腰のあたりに感じるようになりました。12時をすぎると本格的な痛みがやってきました。このころになると、不安は頑張ろうという気持ちに変わっていました。

陣痛の痛みは、今はもう忘れてしまいました。 痛かったけれど、どんないたみだったかは、忘れてしまいました。 よく、陣痛の痛みは忘れてしまう物だというけど、本当だなあ、と思いました。覚えているのは、痛くていたくてうなっている時に、となりでいびきをかいて寝ていた、主人の顔です。私が“きたきたきた!”といって叫んで主人の手をぎゅっと握ると、ふっと目を覚まし“だいじょうぶ?”と声はかけてくれました。 でも、私の痛みがひいていくのと同時に、主人も夢のなかへもどっていきました。

そんなことを何回か繰り返していると、看護師さんが、様子を見にきました。 私の子宮口はも6cm開いていると言われました。 看護師さんに進められて、麻酔をうつことに。 両肩を看護師さんに押さえられて、背中から麻酔をうちました。 陣痛のいたみと、背中からうつ注射の怖さで、”こわいよお”と弱音をはいていました。 麻酔をうつととたんに痛みはなくなりました。 私は体力をたくわえるたけに、少し寝ることにしました。

4時すぎ、看護師さんがに,“そろそろだと思うんだけど”と言っておこされました。 看護師さんがチェックすると、もうあいちゃんの頭がみえている、と言われました。 先生たちがぞくぞくと部屋に入ってきました。 あいちゃんのために皆がスタンバイをはじめました。

麻酔のおかげで、痛みは全然ありませんでした。 看護師さんが日本語で10を数えてくれて、それにあわせていきみました。 自分がどういきんでいるか感覚はぜんぜんなかったけど、先生達は“うまい、うまい、その調子”と言ってくれました。 そして、4時29分、あいちゃんは産まれました。 お世辞にも“元気”といえない産声をあげて...。


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: