おしゃれ手紙

2016.03.26
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テーマ: 愛しき人へ(903)
カテゴリ: 父の麦わら帽子
木の芽
いや、恥もプライドもかなぐり捨て私たちのために、頼み事をしたのかもしれない。

岡山の田舎から兵庫県の龍野市という小さな町に引っ越してからもそれは続いた。
引っ越して、最初の年、私が中学2年の冬、テレビを買った。
以来、もらったものもあったのかも知れないが、
炊飯器、洗濯機と少しづつ、家電が増えて行った。

そして、当時、「ホーム炬燵」とよばれていたものが家に来た。
冬には、それまでは、炬燵は■ 炭火 ■と決まっていたが、突然、電気で暖まる炬燵にかわった。


家電の月賦を払っていたので、うちは相変わらず貧しかったけれど、
炬燵は、うちにとってなくてはならないものとなった。

ある日、母は、
「○○さんは、上手に編み物をする。
うちの炬燵掛けを編んでもらおう」と父と話していた。

○○さんというのは、父母の職場の同僚で休み時間にも編み物をしていた。
炬燵掛け  母は、すぐ行動に移す人で、頼んだ。
そして、○○さんが作ってくれたのが、10センチ平方くらいの毛糸のモチーフをつないだ炬燵掛けだった。
余り毛糸で編んだのだろうか、青、茶色、緑で編んだモチーフの炬燵カバーは美しいもので、私もたいそう気に入った。
「こりゃあ、ええ。」と父は喜んだ。
「これを掛けたら、炬燵がぬくい」と母も喜んだ。


  そんなことを思い出したのは、■ 赤い薔薇ソースの伝説 ■という映画を見たから・・・。
主人公、ティタは、辛さを紛らわすために、毛糸でモチーフを編む。
それをつなぎ合わせて大きな作品を作る。
肩にかけた毛糸の肩掛けは、どこまでも長い長い毛糸のモチーフ。


そのモチーフつなぎの色合わせが、遠い日、母が頼んで手に入れてくれた、炬燵掛けにあまりにも似ていたのだ。
ティタのモチーフつなぎは、悲しみの大きさをあらわしていた。

しかし、うちにあった、炬燵カバーは、幸せの思い出だけが残っている
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Last updated  2016.03.27 17:03:36
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