我が謎は紅き空に飛び立つ

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第三話 最大の賭け


でも死ぬ前に、やれることはやっておきたい。
できることを、やらないで死にたくない。
最後の賭けだって、確率がゼロなわけじゃないんだ。
やるしかない
やってやる


「おい、ケビン!正気か?拡散を打つなんてここで死ぬわけには、行かないんだろ?」
ケビンは、パルチザンから来る、粒子砲の嵐をかわしながらも、火電粒子砲の拡散のコードを入れていく。
「確率では、80パーセントあるんだ。」
「それは、練習での話だろ。こんな、戦場の中でこれだけの攻撃をかわしながらできるはずがない。」
RKUをなくした、ラグナロクは攻撃のバリエーションがなくなり。一発一発打っていっては間に合わないのである。
そのため拡散を使いバリエーションを加えRKUを超えた数を打ち出そうというのだった。
「でもこのまま、相手のエネルギー切れを待ってられない。やるしかないんだ。」
そう、強く断言するケビンに一つの通達が入る。
「ケビン!オレだニコラウスだ。拡散を使うのか?今割り出したところ、このままでは50パーセントの確率に落ちそうだ。それでもやるか?」
「あぁやってやるさ、やるしかないだろ。」
気合を張ってそう答える
「そうか、なら一ついっておく。ラグナロクを壊して帰ってきたらお前は、俺が締め上げてやるからな。成功して帰って来い。」
フッと笑いを浮かべて、ケビンは今まで全て背負ってきたプレッシャーが取り除かれたような気がした。
そしてコードを入れ終わり、火電粒子砲のセットアップを開始する。
ガコンガコンと、心地よい音が鳴り響きセットアップは終了した。後は、相手全てをロックオンするだけである。
「ちぃちょこまかと、ロックオンしにくいじゃないか。」
向こうは、隊長クラスのパイロットとプログラマー、最高の動きをこなすのは当然である。だが、こちらのパイロットも負けてはいない。機関銃をうまく使い、ロックオンが徐々にうまくいっている。そしてすべての、ロックオンがうまくいき。後は最高のタイミングで、打ち込むだけとなっている。

ラグナロクの行動パターンが、少し変わった。何かを仕掛けてくるのだろうといくつもの死線を越えてきたレーリウスは、すぐわかった。
(何を仕掛けてくるのだろうかは、だいたいわかる。この状況だ、RKUもなしにこの状況を打開できるのは、向こうの機体を見る限り主砲の拡散を使うしか手は残ってないはずだ。だがしかし、テリウネスはその技術の開発に成功しているのか?わがゲルニカでさえ、使える確立は70パーセントを超えてないというのに)
だが、とレーリウスは思う。この状況から見て、使えても使えなくても。このまま死ぬなら悪あがきくらいは、するだろうと思う。
(ならその悪あがきを、当てられないように動かなければ)
「ルビィ、RKUがロックオンされている可能性がある。動きを早めてくれだがパルチザンの護衛は、忘れるな。」
「わかったわ」

「出力に異常なし、フレームに異常なし、ということは確実に成功させれるかも知れねえな。」
と安心したのもつかの間敵のRKUは、先ほどのスピードよりだいぶ早くなりこちらを惑わしてくる。
「ちぃ、あの速さかよ。だったらこうしてやる。」
RKUへのロックオンを即座に中止し全てをパルチザンへと向ける。
「いっけぇー」
いくつにも分かれた、粒子砲が光のようにパルチザンに向かっていく。外に開いて大きくカーブして全てがパルチザンへの方向へ向かい、撃破できるというところだったのだが。拡散粒子砲が成功したからといって、敵を確実に撃破できるとはケビンは思っていなかった。その考えは、あたっていて今までめまぐるしい速さで飛び回っていたRKUが一つ一つの粒子砲の前に来て粒子の幕をを張っていたのだ。もちろんそれでは、パルチザンに一本も通っていない。
(拡散は、あくまで複線。本題はこれからだ。)
ラグナロクは、最大スピードでそこを離れる。そのスピードに乗ったままパルチザンの周りを弧を書くようにとび機関銃に火がつく。パルチザンも、それを回避するために身をよじるが左翼に五発ほど命中する。

「なんということだ、この私がやられるなどとは。テリウネスの奴らめ、あいつらの機体はどういう性能を持っているのだ?。」
そう、レーリウスは悪態をつくと。旋回して、自分がもといた艦隊に戻ろうとするが。
「ちょっと待って、艦隊に戻ってはダメ。敵の艦隊から大きなエネルギー反応をキャッチしたし。その目の前は、私たちの艦隊よ。戻ったらやられてしまうわ。」
「ならどうしろというのだ。ルビィ」
「この先、五キロ先にゲルニカの陸・空両基地があるわ。そこに降りましょう。」
レーリウスは、悔しそうな顔を浮かべて言った
「仕方ないな。まだRKUは、とばせるか?」
「えぇまだね、パルチザンの援護くらいならできると思うけど・・・」
「そうか、ならココを振り切る間。援護射撃ではなくシールドだけ張っていてくれないか?」
「わかったわ。」
レーリウスは、苦虫をかんだような顔をしてこの状況を最悪だと思った。

「艦長!主砲ニーベルゲン装填完了しました。いつでも打てます。」
オペレーターが、額に汗を浮かべながら叫んだ。それに答えるように、シュンジも答える。
「よし、本艦五十メートル上昇!照準あわせろ。ラグナロク・フラストレインに通達今から三十秒後敵艦にニーベルゲンを打つ。直ちに帰還せよ。」
ロンギヌスがシュンジの指示通りに、軽く上昇する。シュンジの前の席でオペレーターが照準を合わせている。黄色く光っているレーダーの枠が照準が合わさったことにより色が赤に変わる。
「艦長!照準合わさりました。回路にも異常なし。」
「わかった。ラグナロク・フラストレインRKUを回収しろ。ただしワイヤーだけ残したまま本艦にもどれ。」
「「了解」」
両機から、声が返ってくると同時に八つの光が両側に分かれていき。ラグナロク・フラストレインのもとに戻る。
「「RKU回収終了しました。直ちに帰還します。」」
その言葉を聞くと同時に、シュンジが帽子をかぶりなおし、鋭い声を発して言う。
「ニーベルゲン発射。オペレーターぬかるなよ。発射後は、直ちにこの場を離脱する。最大船速で日本に向かうぞ。」
ロンギヌスの左翼に位置する、エンジンと同等の大きさを持つ主砲の周りに光があふれて、咆哮と共に大きな黄色い閃光が敵艦に向かって飛来し瞬間大爆発を収める。
それを確認するかしないかのタイミングで、ロンギヌスは反転するやいなや、エンジンに大きな炎がともりスピードを上げる。その横では、ハッチからラグナロクとフラストレインが収納されていく。
ロンギヌス部隊は、いまから日本に向かう。


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