楽にいこうか

楽にいこうか

准看護師養成廃止について


1996年の看護婦養成制度統合の提言に際して、准看護婦たちに次のように約束していた。
「但し准看護婦資格でも看護業務は続けられる。自他ともに認める優秀な、患者サイドに立つ准看護婦がたくさん、おられることは現在でも、将来も当然であり、その人権は守られるのである」と言われた。

私が感じるに、
実際、「准看護師養成廃止」についての勘違いは多い。

「准看護師が廃止」
つまり現在准看護師の資格を持つ我々の資格が剥奪される、と勘違いしているのである。


看護協会の見解を噛み砕いて私なりに整理してみると、


現在の准看護師の資格取得者に関しては保障する。
しかし、「看護の質の向上」に向けて「准看護師を養成する」ということが質の向上を妨げている。
そのため「准看護師をこれ以上作ってはならない」というのである。

我々が取得している准看護師資格に関してはそのままであり、現在就業している准看護師は3つの選択肢がある。

●看護師への道に向かいレギュラーコースに進学する。
●10年以上の経験をもった准看護師は通信教育により国家資格を取得する。
●そのまま准看護師として就業する

ということである。

※数年前は、移行教育が検討されてきたが、ここに来てなお進展しない移行教育に取って代わった通信教育を選択肢に加えた。


「養成制度の廃止」という事は、

准看護師養成施設の閉鎖を意味し、今後准看護師を養成しないということである。

一番若い准看護師資格取得者がそのまま准看護師で就業しても、この制度が実施されて約40年後には 定年退職することとなり、准看護師は自然消滅させることができるというものである。

しかしながら、
准看護師養成施設を運営している多くは医師会によるものであり、
准看護師必要論を訴え続けている医師会がこれを実行するとは思えないのである。


日本看護協会と日本医師会の摩擦の狭間に立たされた准看護師の悲劇である。


日本看護協会は社団法人として看護養成施設を持たない。
(このため通信制の開校にもなんら関わっていない・・・申し訳程度に奨学金云々で支援している)

一方、日本医師会は医師会団体でありながら看護養成施設を運営している。

この状況が続く限り、日本医師会は看護養成施設を持たない日本看護協会に対し優位に立った発言を繰り返し行うと思われる。

もし、事態が急転し「准看護師養成施設廃止」が行われても、
今のところ我々准看護師には准看護師資格で就業し続けることは可能である。と考える。

しんどい思いをして修得した資格である。
現在これを持った我々准看護師は、剥奪されることなく働き続けられるべきである。

准看護師としての役割をにない、その役割を遂行することに「プライド」を持っていいと私は考えます。

ただし、一部の意見として、
「准看護師を長年経験した人は、看護師にしてもいいのでは・・・」などといったものもある。
これは全く見当違いである。

我々が長年努力してなしえた経験は、あくまで経験であって国家資格を超越したものではない。

これは、看護師のみならず准看護師までも愚弄したもので戦後の看護職不足字に「10円看護婦」というものと大してかわりがない。

現在、看護職のなかに職種の「区別」があるが、上記意見は「差別」を生むものである。

准看護師としてプライドを持って就業しいくこと。これも一つの選択肢であることを忘れないでいただきたい。

ただし、今後准看護師を養成し続ける必要に対しては、私は「NO」といいたい。
看護師の中に大学卒業者が多くなった昨今、看護業務そのものが高度化してきており、准看護師養成施設のカリキュラムでは到底対応できないものとなってきている。

苦しい思いを若い准看護師にさせたくはない。
そうして准看護婦養成所を卒業した人がレギュラーコースに進学している現状で、なぜ回り道をさせる必要があるのか、と思う。

まっすぐ看護師の資格に向かっていれば2年も早く看護師の資格がとれるのに。。。


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