大館一泊旅行


「ふるさと割引・東北」で、仙台は別に行く機会があると思ったので、
ここでは大館能代空港を選択。秋田に行こうかと考えたが、空港から
秋田まで時間がかかりすぎ、観光の時間がなくなってしまうので断念。

そうなると大館か能代だが、能代には大阪便と接続しているバスがない
ので大館に決定、というわけだ。

空港は当時一番新しい民間空港だっただけあって非常にきれいだった。
あらかじめ知っていたとおり、内装に木をたくさん使っていた。
ツアーできたおばちゃんに「この辺りで採れる秋田杉らしいですよ」
と教えると、一緒にいた他のツアー客も感心していた。
トイレの手すりまで木製だったのには驚いたが。

このツアーはどこへ行くのかと思ったら、青森県の弘前だった。
県外へ行ってしまうツアーには、空港利用助成金が出るのだろうか?

行列ができているレンタカーのカウンターを見つつリムジンバス乗り場へ。
ずっと関西で暮らしている私には、空港から大館へ向かうリムジンバス
からみた長方形の広い田んぼが延々と続く光景に驚きを感じた。

昼食は駅前の鶏飯。郷土博物館までの交通手段がないのでタクシーにする。
タクシー運転手の秋田ことばも新鮮だ。

郷土博物館は、2時間ほどいたが他の客に会わなかった。帰りはバスに
しようかと思ったら土曜日はバスが走っていない。街まで歩けない距離
ではないが、不慣れな土地だし、小雨だし、4月だというのに寒い。
樹海ドームに着いたところでタクシーを呼ぶ。

ホテルはフロント以外は古めかしいが、なかなか立派だ。
部屋も設備は古いが掃除は行き届いている。
ホテルの中にレストランがあり、ホテルから出なくてもいいのがありがたい。

夕食はホテルで摂った。たぶん大館市で一番高い建物なのではないかと。
樹海ドームも日が暮れかけた時間だったがよく見えた。

翌日、チェックアウトした後、フロントのご好意で荷物を預かってくれたので
街を少し歩いてみる。雨は降っているしまだ寒いせいか、ほとんど人に会わな
かった。

帰りのリムジンバスに乗る。
と思ったら、乗っているのは私一人だった。
大館市近辺は郊外型の店がけっこうある。ここでは車が生活必需品なのだろう。

バスは停留所でお客を乗せることなくひたすら空港へ向かって走る。
途中、JRの駅がある鷹巣でようやくお客を乗せる。

空港は結構混雑していた。まあ、広くないのでそう見えるのだが。
セキュリティチェックを通ってボーディングを待つ。
見送りのロビーと搭乗待ちロビーの間は透明なガラスで仕切られている。
外からおばあちゃんに呼ばれたよちよち歩きの子供が、このガラスに
「ゴン!」
と周りに音が響き渡るくらい思い切り頭をぶつけていた。子供は何が起きたのか
理解できていない様子だ。周りの人が微笑っている。子供って面白い。

ボーディング開始。6~7割くらいの搭乗率か。誘導路がないので滑走路を
タキシングして、180度方向転換するのは初めての経験だ。

大阪行きA320は、離陸後ゴルフ場を飛び越えて曇った空を上昇していく。
途中、ベルトサインが着いたり消えたりしたが、小雨の伊丹空港に到着。
ほぼ一日の旅行は終わった。


ある日、NHKの10時のニュースで大館が取り上げられていた。

ニュースタイトル:
景気の回復、地方に波及せず

ニュース内容:
NHKの夜10時のニュース。今年の春に訪ねた大館市が出ていた。
秋田県で2番目に大きい街だが、景気の回復基調は見られないとのこと。

商店街ではシャッターを閉じた店が目立つ。

老舗ホテルも、売り上げが上がらないため、設備の回収もままならない。
結局、雇用を確保するため、他のホテルの系列に入ることになった、と
報道されていた。

とりあえず、来年春になったらもう一度大館へ行こう、と思った。



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