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「虹に立つガンマン」(1968)SPARA, GRINGO, SPARA
監督 フランク・B・コリッシュ(ブルーノ・コルブッチ)
製作 ウィリアム・サックス
脚本 マリオ・アメンドラ
ブルーノ・コルブッチ
音楽 サンテ・マリア・ロミッテリ
出演 ブライアン・ケリー、ファブリツィオ・モローニ
キーナン・ウィン、フォルコ・ルッリ、エリカ・ブラン
本編92分 総天然色 シネマスコープサイズ
日本劇場未公開のマカロニ西部劇で、1968年作品。
早撃ちと鞭の使い手として名が知られる主人公スターク(ブライアン・ケリー)は刑務所を脱獄し、裏切った仲間を射殺。追っ手に捕まった彼はメキシコの富豪で大農場主(フォルコ・ルッリ)のもとへ連行される。縛り首にされるところを、その大農場主に仕事を引き受けることで救われます。
その仕事とは、大農場主の一人息子フィデル(ファブリツィオ・モローニ)がアウトローに憧れて家出し、アメリカで無法者の集団に入っている。それを連れ戻してほしい、連れ戻してくれたら命を助けるだけでなく5000ドルを報酬にやる、というものです。
その無法者の集団というのは軍人くずれの、「少佐」と呼ばれる男(キーナン・ウィン)が率いていて、スタークとは古い顔なじみ。スタークは少佐に列車強盗の話をもちかけ、その計画に加わるように見せかけてフィデルを連れ出し、メキシコへ向かいます。
途中で何度も逃げようとするフィデルをつれてのスタークの旅が描かれる。
逃げたり捕まえたりの繰り返しのうちに2人の間に友情のようなものが芽生え、やがてスタークは大農場主のもとへつれ戻るのですが、そこで彼らを待っていたのは・・・。5000ドルの報酬を捨ててスタークは銃を取って戦うことになる。
原題の英題は「SHOOT, GRINGO... SHOOT!」で、「撃て、グリンゴ、撃て」という意味。「グリンゴ」とはメキシコ人が見た場合の「アメリカ人の白人男」のようなニュアンスで、「アメリカ野郎」「白人野郎」という感じでしょうか。
監督のフランク・B・コリッシュは「続荒野の用心棒」や「殺しが静かにやって来る」の監督セルジオ・コルブッチの弟ブルーノ・コルブッチの別名で、兄とは「殺しが静かにやって来る」では一緒に脚本を担当している。
これという見所もないようだけれども、音楽が哀調を帯びていて耳に残ります。オープニングで馬で走るスタークにかぶさって入る音楽がマカロニ感を出しています。 全体にマカロニ西部劇としては可も無く不可も無く、といったぐあい(不可の方が大きい?)ですが、何度も見ていると愛着がわいて好きになるかも?、そんな作品。
スタークとフィデルの2人が砂漠で行き倒れているのを通りかかったカリフォルニアへ向かう開拓者一家の幌馬車に救われる。牧場を経営していたけれど夫を殺されて新天地へ向かうのだという女性(エリカ・ブラン)との会話が良いですね。
「あなたほどの銃の使い手を一度だけ見たことがあるわ。主人が殺された時に」
「俺はガンマンだ。雇われて銃を撃つ。自由があるし金にもなる」
「やめようと思ったことはあるの?」
「何度かね」
「銃を捨てれば済むことじゃないの」
ラストで、銃撃戦で悪人どもをやっつけたあとで、スタークは銃を捨てる決心をし、彼女が向かったカリフォルニアへと馬を走らす。
ハッピーエンドなのか、そうではなくて悲劇が待っているのか?
それは無法者集団の少佐たちがスタークと別れたあとの彼女たち家族の幌馬車に何をしたか、によって決まります。
少佐なる人物がよくわからない。マカロニ西部劇によく出る片端から皆殺しにする凶悪な盗賊団なのか?、それとも無益な殺生を避ける統率の行き届いた集団なのか? スタークとフィデルの跡を追う少佐たちが彼女たちの馬車に出会って、馬を買いたいと言う。断ると銃にかけても馬をいただくと脅迫する。そこで場面が転換するので、その後どうなったのか説明がないので不明です(こんな重要なところを省略してはいかんぞ)。
彼女たち家族が向かったカリフォルニアへスタークも行こうとするラストをハッピーエンドと思いたいのですが、彼女たちは無事なのだろうか?
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