読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2007.09.29
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カテゴリ: 小説
とろりと温かくのどごしのよい、野菜のポタージュスープ。
全編がそんな雰囲気に満ちている小説です。
登場人物は、深い悲しみを持っている人たちです。
幼い息子を事故で亡くしたシェフの亮介。
亡き姉の思い出のスープを探すOL結子。
二人の思い出が交わり、天国のスープに溶け合うという美しい結末でした。


ほんわかスープに漂っているような気分で、それなりにおもしろく読み終えたけれど、ちょっと物足りない感じがするのはなぜかなあ。
無関係に見えるいろんなストーリーが代わりばんこに出てきて、だんだん接近してきて最後に一つの物語になる、という手法はよくあるけれど、この本の場合はあまり効果的ではなかったみたい。それに、亮介の人柄が書き込まれてないような気がするし、その妻もどういう人なのかよくわからない。結子が生活費を切り詰めてまで幻のスープを探そうとする動機が、弱いような気がする。結子はスープの材料ひとつひとつがわかるほどの敏感な舌を持っていながら、料理の方は絶望的に下手。一回だけアパートの台所でスープを作る場面がありましたけど、料理とはいえないくらい下手でした。そんなの、あり得ないと思うんだけど。
冒頭、目隠しした女性が男性からスープを飲ませてもらう不思議な場面。



悪口ばっかり言ったけど、難しい言葉も出てこないし半日くらいでスイスイ読めちゃう疲れない本。読書疲れのときにはいいかもね。







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Last updated  2007.09.29 21:32:32
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Re:「天国のスープ」 松田美智子(09/29)  
季節の花束  さん
思い出のあるスープなのですね。
最終的には求めていたスープに辿り着くのでしょうか?
ぱぐらさんの本を読むペースは速いですね。
しかも驚くほどの洞察力で、読んでみようかなと思わせてくれます。
私はこの頃、難しい言葉の羅列に満ちた本が読めなくなりました。
ひたすら軽く、頭が疲れない本ばかり読んでます。 (2007.09.30 00:45:27)

Re[1]:「天国のスープ」 松田美智子(09/29)  
ぱぐら2  さん
季節の花束さん
>ぱぐらさんの本を読むペースは速いですね。
>しかも驚くほどの洞察力で、読んでみようかなと思わせてくれます。

私って料理でも洗濯でも何をやっても早いのだけがとりえです。そのかわり荒っぽい。読書もまったく同じです。だから時々筋がわからなくなったり「これ誰?」って後戻りしたりしてるのよ。
だから洞察力なんて、とーんでもない。飛ばして読み散らかしてるだけなのよん。

>私はこの頃、難しい言葉の羅列に満ちた本が読めなくなりました。
>ひたすら軽く、頭が疲れない本ばかり読んでます。

実は私もそうなの。文豪と呼ばれる人の作品も読みたいなあとは思うんだけど、ぜんぜん手が出なくなりました。 (2007.09.30 09:26:59)

Re:「天国のスープ」 松田美智子(09/29)  
プックミ  さん
今日の寒さも手伝ってかなただただ題名だけで暖かいスープが飲みたくなりました。
読書の秋より食欲の秋?? (2007.09.30 23:11:37)

Re[1]:「天国のスープ」 松田美智子(09/29)  
ぱぐら2  さん
プックミさん
>今日の寒さも手伝ってかなただただ題名だけで暖かいスープが飲みたくなりました。
>読書の秋より食欲の秋??

関東の方は寒いらしいですね。いーなー!!
九州は今週も連続真夏日らしいです。
秋の野菜でポタージュスープ、いいですね。 (2007.10.01 07:46:39)

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