発端編



そもそもは「その人」が息子達名義で借金をした事が全ての始まりだった。

料理が苦手なくせに「食事処」を始めると言い出し貸店舗でいいのに店舗付きの一戸建てを購入した。

そしてその店は・・2ヶ月で潰れた。

その頃私は彼氏がまさかその歳で住宅ローンを抱えているなど知る筈もなく普通に恋愛をして・・結婚をした。

そして「その人」は私の「姑」となった。

初めの数年は二人で楽しく住んでいた。でも恐れていたその日は結構早くやってきた。

きっかけは夫の弟だった。「生活が苦しい」とヘルプを言ってきたのだ。

いまなら無理もなかっただろうと思える。でも当時の私には理解出来なかった。

「同居は絶対にイヤや~!!!あの人とは性格があわへんもん。そんなん結婚前からあった借金やろ?

私は知らんかったも~ん。」とダダをこねた。

数日悩んだ夫は「オレ会社を替わるわ。給料がいい会社(アテはあった)に行くから,仕送りだけは認めてくれ」と言った。

その仕事に替わった夫を想像してみた。まずあまり家に帰ってきてくれないだろう。

たまに帰っても凄く疲れて不機嫌になるんだろう。

今ならそこそこ早く帰ってきて私の話し相手もしてくれてるし、日曜日にはお料理だってしてくれる。

同居かぁ・・・。それもいいかな・・・。案外イヤな事ばかりじゃないかもな・・。

今の仕事は気に入ってはるしな。

こうして私は,腰まであった長い髪を耳までバッサリ切り後々ゴキブリと・・ネズミと・・

愚痴が繁殖する事になる古い家で4人暮らしを始めたのでした・・・。





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