<これまでのあらすじ♪>
すみれは大学の仲間、
八重子、由次、守、達也の5人でスキーへ来ている
由次へ淡い恋心を抱いおり、一緒にスキーへと胸躍らせていたが
皮肉にも
楽しみにしていたそのスキーで八重子と由次の些細な喧嘩から、二人が既に付き合っていた事に気付いてしまう‥
* * * * *
< 本編 >
夕食はペンションの1階の
小さな暖かそうな暖炉のあるダイニングで
各部屋から家族連れやカップルなどが集まって
どのテーブルも賑わいでいた。
すみれ達の席も
他の客達から見れば仲間が
楽しそうに食事をしているように映るのだろうが
其々の思いは複雑で、
折角のフレンチもあっさりと終えて、部屋へ戻って行った。
不機嫌そうな八重子と同じ部屋に二人きりで
泣きたい気持ちになっていたすみれは
小さな 「コンコン」 というドアのノックの音にもすぐに反応して扉のところに立った。「はい」「あ、ごめん、由次だけど‥八重子、いるかな?」
「え、あぁ、うん。ちょっと待って」
「八重、由次が‥呼んでるけど‥」
「うん‥」
普段は遠慮ない八重子の神妙な様子に
一時、自分のことは忘れて応援したい気持ちもよぎる自分が可笑しかった。
絶望感と同時に諦めが混在してすみれは気持ちをどこへ置いていいのか自分自身を持て余しているような感じだった。
そして、「ナイターに由次と行ってくるね」と柔らかい笑顔で振り向いた八重子を見て
敗北感までが入り混じり色々な思いが浮んでは消えてゆく。
一人、残されたすみれは何をしたら良いのか分からず、ただ ぼーっと 窓の外を見ていた。
3階のこの部屋は
スキーヤー達が出入りするのが見下ろせ
八重子と由次が何事もなかったかのように仲良さそうに一緒に出て行くが 見えてしまった。
「すみれ、あなたは二人の間には入れないのよ」と
気付かないうちにハラハラと落ちる涙をそのままにしながら、
必死に自分に言い聞かせていた。
すると‥
コンコンとまた、ノックの音がして「すみれ、買い物に行かないか?
このペンションのちょっと、先にお土産屋さん、見つけたんだ」
ドアに寄れるだけ寄って 部屋の中へ話し掛ける
守の声が聞こえてきた。
涙をさっと指で拭い
すぐに「待ってて。今、行くから。」 とすみれは答えていた。
* * *< まだ続きます(;^^A >
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