
今日の演目は
日吉丸稚桜(ひよしまるわかきのさくら)(他の芝居でも歴史物の登場人物は、お上をはばかって名前を替えてある)
駒木山城中の段
駒木山城は木下藤吉(豊臣秀吉)が城主である。
主君小田春長(織田信長)は斎藤明舜 (斎藤道三)と同盟を結び、その証として明舜の娘、萬代姫(濃姫)と結婚したが、明舜が裏切って戦となったため、姫を見せしめとして殺そうとしているが、今は藤吉の城に軟禁している状態である。
春長から、姫の首を打ってもってこいと藤吉は命令されているが、やはり女の首を討つのは藤吉としても心苦しく、家来堀尾茂助に、自害を勧める和歌をかいた短冊をもっていかせた。姫も短冊を見て、ここは自分が自害するしかないと心を固めて、退場する。
(パトラ流かげの声
姫は、以前は春長と夫婦として仲良くくらしていたのだ。父が裏切ったのは確かに心苦しいが、それでも直接会う事すらせずに、人を介して殺すというのか。死ねと言うなら死ぬけれど、それはあなたが言うから死ぬのではない。戦の手駒にしか思っていないあなたの心が納得できない!あなたの心に絶望したから私は死にます。)
藤吉は明舜の立てこもる稲田山城の攻略方法を考えている。からめてから攻めれば勝てそうなのだが、からめてに至る道がわからず困っている。
そこへ庭先に一人の老人がしのびこむ、それを茂助が見つけて捕まえる。顔を見てみると我が妻お政 の父親鍛冶屋五郎助だった。(話をわかりやすくするために一言、五郎助は実は明舜の家来で、姫を助け出すために城に忍び込んだのだった)
一体何のために忍び込んだのかとか、兵助 の詮議をうける中で五郎助は兵助の義理の父親を殺した犯人であることが判明する。(五郎助のために一言、五郎助は義理の父親を一方的に殺害したのではなくて、父親が因縁をつけて金を脅し取ろうとしたために、やむなく殺したものである。)
しかしどんな親でも親は親(時代が封建時代だから)、それを殺されて仕方ないでは済まされない。
その時お政と兵助の子ども竹松が五郎助を追って現れる。
竹松は子どもながらも捕まえに来た小者を投げ飛ばすなど、大力である。
兵助はお政に対しお前は仇の娘であるから、一緒に暮らすことはできない、離縁だと告げる。
(影の声 昨日まで藤吉にとりたてられて出世をし、二人で頑張ろうっていってたばかり。それが、今日は離縁ですか。私が悪いならあきらめもするが、私は 昨日と何も変わっていない。父のしたことで私への愛がそんなに簡単になくなるものなの。納得できない!)
お政 はあまりのことにショックを受け、自害を図る。
五郎助がそこへ現れ、兵助 に、稲田山城への抜け道を教え、娘を勘当すると言う。(なんで鍛冶屋のが城の抜け道をしっているのか)
そこに現れた藤吉が、五郎助に向かい「斎藤明舜の家来加藤忠左衛門」と呼びかける。藤吉は五郎助の正体をしっていたのだった。
五郎助は娘を勘当すれば、自分とは赤の他人であるから、離縁せず妻と扱ってやってほしいと頼む。そして衣類をはだけると五郎助は腹を切っていたのだった。自分のために離縁となった娘を思い、婿に償いをしてやろうと抜け道を教えるが、これは自分の主を裏切ることとなる。
そこですべての罪を自分の命で償ったということである。父親の心情に瀕死のお政 はよろこび、瀕死の状態ながら兵助の前に這い寄って行こうとする。
その娘の首をはったと討ち落とす五郎助(自分も死にかけなのにすごい気力である)、一同が驚く中で 五郎助は「この首は萬代姫の首」と藤吉に差し出す。(これで萬代姫も助かる)
五郎助の気持ちにうたれ、藤吉は竹松を加藤清正と名をつけて、自分の家来として遇すると約束するのだった。その中で五郎助は死んでいくのであった。
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