横井小楠の天道をめざして

横井小楠の天道をめざして

士道忘却事件とは



請われて松平春嶽のブレーンとなった小楠を災難が襲った。

肥後藩の江戸留守居役の別宅で宴が開かれていた。小楠も招かれていた。
そこを肥後藩士3名が切り込んできた。小楠は、丸腰であったため、命からがら逃げ、助けと共にとってかえしたが、江戸留守居役が斬られ、結果死んでしまった。

肥後藩は、小楠に
「刀が無かったとはいえ、刺客を前に逃げたのは、武士にあるまじき所業。士道忘却である。」
として、切腹をさせようとした。

松平春嶽の助命嘆願によって、切腹は免れたが、禄を没収され武士の身分を取り上げられた。

私は、肥後藩の藩士たちのやっかみがこのような結果を生み出したと思っている。
身分低い侍が、他藩の殿様に請われてブレーンとなっているのである。身分制度や、狭い世界に縛られている肥後藩士にとって、

規格外の小楠は、身の程を知らない奴としか認識できなかっただろう。

このことによって、小楠は、春嶽と別れ、肥後に帰ることになった。

以下次回。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: