0県に転勤とAIH9回目まで


 日にちがないくせに、住む所が決まってないじゃない! 
 とりあえず、小鳥を預けるのに実家に言わなきゃと思い伝える。「あちらのご両親にもいうんよ」と言われた。T君に伝えて「生理中だったら卵に影響ないから私もついて行こうか?」と。でもT君は「なんかあったらいけんけぇ」と行かなくていいと言ってくれた。T君も私も不正出血、無排卵をかなり恐れている。
 O県にいけば気が紛れるのかな?なんて前向きな引越しを希望している。辞令がおり次第T君は親に話に行くのでは・・・それでは遅い気もするが、息子の判断だからいいやと思うことにした。あまり気にするとまたお腹が痛くなる。子宮は精神的なものが大きいし。
 10月5日に引越ししてきた。5日はとうとうダウンして掃除を急きょ母に電話してきてもらった。引越業者に言葉もでないくらい熱ぽかった。母はすぐにかけつけてくれたので本当助かった。7日に両親が小鳥を持ってきてくれた。お金を5万おいていった。母はM医院は体外専門ということをインターネットで調べていた。表面上は「引越祝い」だった。
 病院に行った。へたくそな看護婦は血を抜くのに何度も失敗しやがった。痛すぎる。女医は、またしても癌検診と卵管造影を言ってきた。癌検診は一度ひっかっかってるからと言うけど・・・いたたまれない思い。内診で「きれいな卵巣ですよ。子宮もきれい」気持ち落ち着いた。いい先生ならいいんだけど。。。
 病院に出向いた。今度は男の先生だった。「クロミッドで副作用がでてますね。膜が薄くなってます」と。卵は4個出来ていた。いつもより少ないなって思っていたら「1個か2個でいいんですよ。そんなに作って多胎児になっても困るから。薬来月は減らしましょう」と言われた。いつも6個とか7個作っても出来なかったのに。種が少ない分、卵を増やしましょうって言われ続けて頑張っていたのが・・・あれ?って感じだ。1個や2個ならクロミッドも飲まなくても私の体は作られている。1年治療をして、薬や注射をした結果が副作用なんて・・・悲しくなった。結果が自分の膜を薄くした。ようは治療によって、不妊に自分もなっていくのだ。
 癌検査もした。「来月生理が来たらその血を検査しますから」と。出血中でも検査なのか・・・もう、女って感覚がないなぁ。風俗でもストリップでもなんでも出来そうだなぁ。と、人事の感覚になっているけど年齢制限にひっかかる歳にもなってしまった。 
 社会にいつまで取り残されたらいいんだろうか。不安ばかりつのる。焦る。何度T君との結婚を後悔したことか、何度浮気を考えたことか、何度死のうと思ったことか(死んだらあの世で3人の子供に会えるのに)・・・幸せとの比率は不幸のほうが多いのに、なんで一緒にいるんだろうなぁ。って考える時が増えてき始めていた。
 11月からAIHの再開となると、また正月ももめるのかな?もめてもいいけど、こっちに報告はしてこないで!お腹や神経に負担をこれ以上かけないで!と。
 所詮血のつながりのない嫁がしてることなんだろうなぁ。実家の親だけが頼りだけど、あと三ヶ月で孫が出来たら変わるのかな?でも娘の子供の方が誰だって可愛いはずなのに。孫を見せてあげられなくてごめんね。ばあちゃんも孫の中で一番先に結婚したくせに、他のひ孫だけ生まれていっていて、私にだけ出来ない事を不憫がっていた。他の孫には2人目も生まれてるというのに。79歳のばあちゃんがいつまで生きてくれるんだろう。この世で抱かせてあげることが出来るのか不安。O県に来て、ばあちゃんは3度も電話をくれた。「さみしゅうないか?」「なれたか」と。そっけない会話が電話を切った後涙が止まらない。一番気にしてるのが伝わる。
 11月11日。クロミッドをもらいに行く。腫れはひいてると告げられて一安心をした。副作用の腫れだったので気になっていた。その時先生から話があった。「ご主人の結果ですけど・・・」途中で「連れてきます」と呼びに行った。一人で聞くのが怖かった。「いい結果ですよ」の声に耳を疑った。帰りの車の中では涙が止まらなかった。不妊の文通の子から聞いた、先々月からのEM-Xのおかげかな?75日で出るっていってたし、1本6千円も高くはない結果になったね!って喜んだ。インターネットのおかげだった。早速2本追加注文した。これから毎日の副作用も先生の言葉で平気になった気がする。
 18日。O大の先生に検査してもらった。睾丸が人より小さいのでむらが出来る。と・・・これは先天性のもので、どうしようもないらしい。
 EM-Xで喜んだのは単にムラのいいときだったみたいだった。ショックだった。翌日病院で私の内診だった。T君は「お願いします」と言ってきた。AIHをしろってことよね・・・。覚悟を決めなきゃな・・・今週末だ。
 義兄から正月はどうするかと聞いてきた。それどころじゃない。卵をちゃんと作らなきゃ・・・必死だった。とにかく奇形を減らして・・・どうにかして!って。
 22日。私は病院に行って来た。明日祝日だからナースステーションにあがって注射をしてあさってAIHと言われ、ナースステーションを見て帰ろうと2階にあがったら、新生児室の横だった。かわいかった。でも明日を頑張れば明後日AIHが出来るんだ!って言い聞かせた。
 24日AIHだった。台の上で股を開いた状態の時、先生に「この数値だと、厳しいね」と言われ、動揺とショックを隠しきれないくらいの中痛みをこらえた。T君はまぁまぁだと言っていた結果が・・・痛みが数段増した感じだった。7回目なのに・・・
 また、薬の副作用との戦いの2週間になる。T君は前半の3日間大阪に出張に行った。
 火曜日の夜10時半、Tの家から電話がなった。こんな夜にまたか・・・と言う思いととったらAIHが無駄になるかもしれない。また出血がでたら・・・いろいろ考えとれなかった。今は心無い言葉を聞いてこの痛みを無駄にもできない。
 正月の話を母がT君に話してきた。「T君だけでも正月家に行くのよ。いたらない娘で本当ごめんなさい」と。
 いたらない娘?・・・最大の努力もしてるのに・・・ただ、あの家に言って、出血やストレスを貯めないようにしてるのが、いたらないの?義姉は弟を責めるなって・・・なんで、私がいたらないの?
 12月。案の上生理が来た。AIH7回目も失敗に終わった。あの数では望めなかったらしい。
 T君に離婚届をつきつけた。私は先生によって妊娠をされるのか・・・女としては生きてないんだろうか・・・悶々としてた。そう思って市役所に出向いた。離婚届の用紙の書き方の説明を受けた。「未成年のお子さまはどちらが?」って聞かれ「いないです」と言うと、あっさり書き方の説明は終わった。子供がいないと簡単なもんなんだと痛感した。
 T君は「書いて」って言うと、結構あっさり書いた。判も押した。私は泣きじゃくってたのに、書いた。
 いつ私がその用紙を出してももういいんだ!そう思うと、いろんな物がふっきれた。私の保険となったようだ。これでなにを言われてもなにをされても私は逃げることができる。
 ・・・離婚という逃げ道が私にはできたのだ。
 8回目のAIHは25日となった。世の中はクリスマスで浮かれてる中、私はまたあの台の上で痛い思いをするのだろうか・・・
 T君が採取して、1時間すぎた。先生がやってきた。「この数値では人工授精は難しいです。一応はスイムアップしてみますけど、体外を考えてみて」と。「え?何言ってるの?この日のためにクロミッドも注射も打ったのよ」って心の中で叫んだ。なぜ・・・数が?T君は先生が去った後「ごめん」と謝った。謝るくらいのことをなんでするの?!クリスマスプレゼントはいい数値をって頼んだのに!なんで叶えてくれないの!!!怒りと悲しみが一気に襲ったかと思うと涙が止まらなくなった。
 1時間して看護婦が呼びにきた。「?AIHができるの?」って不思議に思いであの台のあるAIHをする部屋に入ってきてもらった。そこでは「一応は取れたのでしますけど・・・」と曖昧な答え。AIHが済んで先生に「ステップアップをされるなら、ご夫婦とお話があるので予約をしてください」と。痛くてそんなことまで考えられないって思ったけど・・・あの数なら・・・もう無理だ。
 自然妊娠は難しいと言われ、痛いけど・・・AIHなら出来るかも?!っと期待して8回頑張った。現に2回反応も出た。しかし、AIHも出来ない状態までなると・・・
 T君は「お金は、結婚する時に親にもらったお金ある。墓代と思ってたけど、これを使おう」と。やっぱり・・・するのかなぁ。全身麻酔も、炎症も。。。私自身が不妊になっていってる気がする。
 T君の親ももう面倒なんてみれるわけがない。面倒をみてくれる女を探して再婚したら?とも頼んだ。・・・どうしようもない。
 年が明けて生理が来た。またか・・・って気持ちと「あの数じゃぁな」と諦めてる自分がいた。
 先生に「この数でまだAIHをするんですか?」とまで言われた。
 「もう1回・・・それで体外にすすみます」と未練がましくもAIHを頼んだ。
 本には5回して出来なかったら体外にって書いてあるのに、私は9回目を迎えてる。
 いろいろ調べれば調べるほど怖くなる。でも知らなかったら治療がしにくいだろう・・・
 先生に「奥さんもクロミッドの副作用がでてます。膜も粘液も少ないですよ。」と。私もとうとう不妊になってしまった。膜が薄かったら着床しない・・・粘液なかったら精子を卵管に通せない・・・AIHではもう難しいと言われた。
 私が不妊なの?・・・しばらく唖然とした。
 「どうしますか?」と聞かれても「クロミッドください」と頼んだ。少しでも確率をあげたい。副作用よりも卵を取った自分がいた。自分に鞭をうつことで、数の少なさを埋めるしかないのだ。




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