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昨日、やっと念願の「ゲド戦記」を見てきました。基本的にジブリ作品好きなんです。でもって原作も読み尽くしたし、この大作をジブリがどう2時間に料理するのか、とっても興味津津に出掛けました。それに、丁度メインに引用されている3巻の「さいはての島」を読んでるときに、訳者の清水真砂子さんの講演会を聞くことができ、彼女の作品に対する思いなども少し伺っていたので、より作品への興味は深まっていました。やっぱり原作を見てから行ったのは正解でした。原作を読んで自分の中に描いた壮大なスケールは、やはりスクリーンの中に押し留めることはできませんものね。そもそも竜からして、私のイメージするものとは違いますもの。原作の「ゲド戦記」は長年に渡って書き綴られたものなので、「ハリーポッター」のようにとりあえず1話ずつ完結するストーリーになってはいます。が、やはりそれぞれの流れを踏まえてしか全体として存分に楽しめない物語だと思います。そこでジブリは、とりあえずのそれぞれの巻のメインキャストを登場させ、全体を縮小して完結にその作品の思いを伝えることにしたようです。原作の特に5巻で感じる最後の鳥肌が立つようなゾクゾクする感動とは流石に遠いものが有りましたが、伝えたいテーマはとりあえず伝わる作品になったとは思います。1巻から「影」、2巻から「テナー」、3巻から「アレン」、4巻から「テルー」、そして5巻から「テハヌー・竜」を連れてきて、一堂に会させてしまいました。よって、それぞれの設定には、原作とは大なり小なり違う点が出てきてしまうわけですが、それはそれで理解できるものでは有りました。例えば、時間的なギャップが起こりますので、原作の5巻で同じように全員が一堂に会した時とは、年齢的なズレが大きくて違和感ありました。でも、おかげで原作には無いアレンとテルーの素敵なロマンスが見れて、その点においては最もジブリらしくて満足です。ただ、それぞれの人物像の描き方については、あまりにも小奇麗で簡単過ぎてもの足りなさは感じてしまいますけど・・・。そして、最も違和感があった点といえば、映画全体が今までのジブリ作品の総集編みたいで、せっかく初めて息子の吾朗氏の手によるものということだったにしては、独創性は全く感じられませんでした。まぁ、今までの宮崎作品は、どれもゲド戦記からのソースを取り入れて出来上がっているということですので、それも致し方ないのかもしれませんが、皆どこかで見たことのあるキャラクターばっかりなのです。ゲドは「ナウシカ」で見た風で、「ラピュタ」の軍人、「もののけ」からはジコ坊やアシタカ・エボシ御前・ヤックル、「千と千尋の神隠し」からカオナシ、カオナシのドロドロ感、「ハウル」の街並みなどなど。声優人もほとんどが今までと同じ風体に同じ声が充てられているので、それまでのインパクトが強すぎて、今までのジブリ作品とかぶってしまってストーリーに集中できなくて・・・。この映画の独自性を感じるキャラクターは、1人もいなかったのではないでしょうか。絵的にも、繊細なジブリらしいシーンと、えっ?と思えるような簡単なタッチの部分も混在していて、今までに無くジブリにしてはやっつけ仕事になってしまったのかなぁと思ってしまいました。でも取っ掛かりとしてはいい作品です。映画ではちょっと分からなかった部分をもっと知りたいと思うのではないでしょうか。そうしたら是非、原作を読んで見てください。原作には原作に対しての不満な部分が無いわけでもないのですが、とっても深く重く心にしみてくる壮大なファンタジーの世界です。大人に読んで欲しい物語だと思います。 ←ブログランキング
August 31, 2006
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最近のGyaoはすごいですねぇ。建て続けに新しい韓国ドラマが始っては、気付かぬうちにとっとと先に進んでしまって・・・。あれもこれもと欲を出してはみますが、結局追いつけず悔しい思いをしています。でもって、夏休み中に映画の「ゲド戦記」を見に行きたいと思いながらも、行く前にどうしても原作を読んでしまいたいと意地になってて、暇を見つけては読書にもいそしんでおりました。ブログの方も、お馴染みの方の所へお邪魔するのがやっとで、書き込みまで手が回らずにおりました。そして、やっと今日の午後、全6巻を読み終えました。ギリギリ夏休み中に目標クリアで見に行けそうです。途中さらさらっーと読める巻となかなか調子に乗らない巻との波は大きかったですね。私的には2・4・5巻はあっという間でしたが、1・3がブレーキ的な時間のかかりようでした。でも、流石に世界3大物語というだけあって、「指輪物語」と同じように読み応えありました。出てくる設定や地名や人物名もなんとなく似ているところがチラチラっと有って、「指輪物語」にも思いを馳せながら読み進めていきました。そして、どちらにも共通すること。・・・・・“人は誰しもいずれ死ぬ”ということ。年齢的にも“どう生きて、何を残すか”ということを真剣に考えてしまいました。次の世代に渡していけるもの・・・、渡しておかなければならないこと・・・。子ども達に向かう姿勢も心持ち変わってきそうです。 ←ブログランキング
August 29, 2006
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こちらも‘莫言’の原作を映画化したもの。ただ、盲目の少女はこの映画のために作り出されたものだとか。とすると、原作とはまるきり違うストーリーなのでは・・・?作品については見てからちょっと経ってしまったので記憶が鮮明ではないのですが、今でも強く残っているものといえば、なんともスッキリしない重い後味。中国映画らしい、存在感の有る作品でした。そもそも情けない男の浅はかさから作り出された嘘、そこからズルズル嘘が嘘を作り出し、多くの人々の善意のこもった嘘になる。その嘘が、盲目の少女のおかれた辛く厳しい現実の中に、ふっと訪れた至福のときだという。その嘘で塗り固められたものが、ほんと幸薄い彼女の人生に射したほんの僅かな光、生涯で一番の至福のときだしたら・・・余計胸を締め付けられます。世の中は厳しい・・・。だらしない主人公の男のどうしようもなさ。その中に有る真心。一見矛盾しているようなその行いが・・・人とはそういうものなのでしょうね。そして、ピュアな盲目のヒロインの大きな存在感。この役のために、1年間もの苦しいダイエットに励んだのだとか。1日3回、朝昼晩に水泳とランニングをし、食事は少量の野菜のみで、ダイエットをした1年間、米は一切口にしなかったそうだ。彼女の凛とした存在感は、そのプロ根性のなせるものなのでしょう。 ←ブログランキング
August 16, 2006
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しばらくぶりに更新です。なぜか夏休みになってから忙しいのなんのって、予想を遥かに超えて子どもやその周りのイベント事に振り回されてブログに向かう暇も無く過ごしておりました。月曜からは子どもを実家に送り出してしまったのですが、悠々と過ごそうと画策していたにもかかわらず、この時とばかりに遣りたいことは多いのにままならない忙しさでした。中国作品3作は、一気に見終わっていたのですが、書き込む余裕が無くて・・・。忘れないうちに書かなくては・・・と今日は半分義務感で・・・。こちら中国映画ですが、香川照之が出演して東京国際映画祭の優秀男優賞を受賞して話題になった映画だそうな・・・。全く知りませんでした。というのも、今回福岡アジア文化賞の案内状を受取り、その受賞者の1人‘莫言’という作家の存在を知りました。そして彼の作品が既にたくさん映画化されているとのことで、受賞記念上映会を待てずにレンタルショップに探しに行ったというわけです。で、この「故郷の香り~暖~」と「至福の時」と前回書いた「SKY OF LOVE」もついでに見つけて借りてきたというわけです。香川照之の迫真の演技は、とっても良かったです。関係ないんですけど、たまたま今回気付いたのは、この人女優の浜木綿子の1人息子なんですね。七光りを感じさせない演技力にかえって驚かされますね。そして、この主人公は「北京My love」の人じゃないですか。こちらも関係も無くチラチラとジェウォンの姿を思い浮かべてしまいましたよ。映画は、中国の田舎らしいのどかな風景と緩やかな音楽とぬる-い展開。監督は「山の郵便配達」と同じ人です。それだけで、なんとなく映画の雰囲気は想像できますよね。ただこの作品は、ちょっと謎解き風に現在と過去のシーンが交錯しながら進んでいきます。なのにぬるーく淡淡としたシーンの連続。途中、なかなか核心に触れないもどかしさと苛立ちを感じてしまいましたよ。ただ、中国作品に共通するこのぬるさに耐えてこそ、初めて見えてくる奥深さとか心に訴えて来るものとかって有りますよね。重く素晴らしい作品だと思います。見終わった後もずっと引きずってしまう胸の痛みを感じて苦しくなりました。いろんな観点から見ることの出来る深い作品です。見る人によって感じ方は様々なのではと思います。自分の青春時代に思いを馳せて、主人公の行いに賛同はしないまでも同調してしまう自分もあり、ヒロインの輝ける華やかな未来を思った時に、溢れ出る主人公への許しがたい激しい憎しみ。香川照之演じるヤ-バへの、恐れ、怒り、哀れみ、慈しみ。言いようの無い複雑な感情が、ドロドロととぐろを巻く感じ。そして、幾日か過ぎた今、やり場の無い怒りだけが残っています。 ←ブログランキング
August 10, 2006
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以前こちらで教えていただいてずーっと見たかったF4のケン主演の映画です。たまたまお目当ての中国ものを探していたら、同じ棚にこれを見つけて借りてきました。韓国の「リベンバーミー ―同感―」のリメイク版。ストーリー的にはもちろんほとんど同じですが、やはり中国映画らしい?画面の暗さや雰囲気でした。台湾ものの明るさが無いのでどうしてなのかと思いましたら、中国本土での撮影と本土・香港・台湾の俳優陣の共演が目玉の作品なのだとか。確かに同じ中国でも随分違ってますから、この合作はすごいことなのかもしれませんね。それに韓国作品のリメイクで、日本でも人気のF4だし、広くアジア市場を視野に入れてということなのでしょうね。作品自体は、「リベンバーミー ―同感―」を見ているので、韓国ものと比較しながら見ちゃいます。微妙な設定の違いやお国柄の違いは見ていて楽しめました。が、全体的な展開はそっくりそのままで、独自性は感じられませんでした。それに、どーも時を隔てた2人の気持ちのつながりがあまり感じられなくて、ただの謎解き話的なニュアンスが強かったような・・・。シンプルで分かりやすい分、心理描写が薄い感じがしました。「リベンバーミー ―同感―」を見た後に、ずっと引きずってしまったなんともやるせない胸の痛みはあまり感じなかったですね。ちょっともの足りなかったかな。釈ゆみ子似の主演の女優さんは、どこかで見覚えが有ると思ったら「ターンレフト・ターンライト」 と同じ彼女。目がクリクリ大きくて印象的な女性ですよね。前作よりはこちらの方が良い印象ではありましたが・・・。ケンは雨に打たれてる姿は??って感じでしたが、全体にカッコ良くてらしくて良かったです。ただ、彼女役の女の子がイマイチ過ぎてイメージ的に一緒に足引っ張られてる気がしないでもないですが・・・。残るは日本版のリメイク作品です。3つ比べてそれぞれのお国柄の違いを楽しんでみたいですね。 ←ブログランキング
August 4, 2006
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