はっぴぃ★ぶ~け

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『ジーザスクライスト・スーパースター』

『ジーザス・クライスト=スーパースター』観劇報告

2004年7月4日 四季劇場『秋』

主な配役
ジーザス・クライスト:柳瀬大輔 イスカリオテのユダ:芝清道 マグダラのマリア:佐渡寧子 カヤパ:高井治 アンナス:喜納兼徳 ピラト:村俊英 ヘロデ王:半場俊一郎 他
*ストーリー*
ローマ帝国領のパレスチナ。 ユダヤ国王ヘロデが統治していたが、実権はローマ帝国総督ピラトが握っていた。更に、聖都エルサレムでは、ユダヤ教の大司教カヤパとその義父アンナスが権力を奮い、民衆はその三者の支配による圧制に苦しんでいた。 そこへ、ナザレ村の大工の息子ジーザスが現れ、民衆に新しい教えを説いた。救いを求めていたユダヤの民は、ジーザスの言葉に耳を傾け、彼こそ“救世主”“神の子”と讃える。彼は数々の奇跡を起こすと信じられ、行く先々で熱狂的に迎えられた。
しかし弟子の1人、イスカリオテのユダは、師ジーザスを愛してはいるが、他の者のように、彼を“神の子”だとは信じてはいなかった。ユダにはジーザスも民衆の噂に翻弄され、自分のことを“救い主”だと信じ込んでいるのだと思えた。このままではジーザスの“ただの人”の側面が暴かれた時、民衆は決して彼を許すはずは無い、彼らにそむかれた揚げ句に、押しつぶされてしまうと予感していた。 マグダラのマリアもまたジーザスの心を理解し、陰りの無い純粋で献身的な愛をジーザスに注ぎ、優しく包み込む。

ジーザスの異常な人気に、カヤパと司祭達は今の地位を追われるかも知れないと危機感を募らせる。カヤパはジーザスを捕らえ殺そうと企む。 一方ジーザスも、“神の子”としての運命と“ただの人”の側面の狭間で悩み、苛立っていた。祈りの場である神殿を占拠した商人を追い払い、救いを求めてすがりつく民衆を突き放して叫ぶ。「私は無力だ。悩める者は自分で治せ。」そんなジーザスの苦悩の姿を見ながらも、どう慰めたらいいか判らないマリア。

「貴方を誰かが追い詰めるなら私がやる」 ユダは悩み抜いた末、ジーザスを裏切る決心をし、銀貨30枚と引換に、カヤパにジーザスの居場所を教える。
木曜の晩、ジーザスは使徒達と共に最後の晩餐をとる。その席で、ジーザスはワインを自分の血に、パンを自分の体に喩え、ユダの裏切りを静かに指摘する。

「私はあなたの心が知りたい、この目であなたが見たい」 自分に課せられた使命に疲れ果てたジーザスは、独りゲッセマネの園で父なる神に問い掛ける。

ユダに手引きされたカヤパの手下によってジーザスは捕らえられ、カヤパのもとへ引かれて行く。使徒ペテロはジーザスの預言通り、鶏が鳴く前に3度彼と一緒にいたことを否認する。ジーザスはカヤパのもとからピラトのもとへ送られる。

ピラトはいつか夢を見た。自分がガラリヤ人の魂を奪おうとする時、その男は聞こうともしないように黙っていた。そして多くの人が彼を憎悪し襲いかかるが、その後にもっと多くの人が彼の為に泣き、男の魂を奪った自分を責めるという夢を。 目の前に引き出されたガラリヤ人のジーザスは冷静そのもの。ジーザスを裁く責任から逃れたいピラトは、ヘロデがエルサレムにいるのを幸いと、ヘロデに彼の裁きを任せる。しかしヘロデは無力に見えるジーザスを侮辱・嘲笑して、追い出す。 一方師を裏切ったユダは、彼への愛情と、裏切ったことへの苦悩から自殺する。

再びピラトの前に引き出されたジーザス。彼を裏切ったのはユダだけではなかった。“王”としてジーザスを讃えた民衆は、ジーザスが静かで無力に見えたとたん、心変わりし、逆にジーザスに憎悪さえ抱く。ピラトはジーザスに罪が無いことを承知し、できれば彼を助けてやりたいと願う。しかし民衆は叫びつづける。「彼を殺せ、十字架にかけろ」と。 ピラトは民衆の力に圧倒され、ジーザスを磔刑(タツケイ)に処することを決定する。

十字架に張り付けられたジーザスは父なる神に最期まで答えを求めるが、神は沈黙を続ける。
「父なる神よ、私の魂を御手にゆだねます」
そう言い残して、息絶える。

キリスト教や聖書をかじっていかないと、微妙に分かりにくい作品ですね。色々なタイプの音楽が使われていて面白いのですが、初めて観たときは「えっ?そこでその音くるか?」みたいな、違和感ちっくな衝撃を覚えました。歌う側は難しい曲が多いのではないかな?
ジーザスの柳瀬さんは、役に合っていると思いました(って、前回もジーザスやってらっしゃいますし)そもそもクラッシックな発声の方なので、ロックにはちょっと違和感あったりしますが、ファルセットが綺麗なのが個人的に好きです。彼のラウル(オペラ座の怪人)は、スマートでかっこいいです。
芝さん!!!私はこの人の為に『ジーザス~』を観に行ったと言っても過言ではありません(すみません・・・)文句ナシ、超美声で苦悩する姿なんて観てるほうが悶えそう(・・・・)ロックにも似合いの声質だし、シャウトされちゃったらもう!台詞を話される声も深くて、囁かれたら失神しそうです(爆)四季で『エリザベート』をやるなら、絶対ルキーニをやっていただきたい方。
佐渡さんのマリアは、ちょっと押しが今ひとつな気がしました。多分前回見ているマリアが大分強い女性を押し出していたからだと思うのですが、もうちょっと存在感があってもいいような気がします。声は文句ナシ、とっても綺麗なナンバーを聞かせて頂きました。
そのほかにも、メインキャストに歌える人をそろえているのがさすがですね。『オペラ座の怪人』でファントムのキャストに入ってる方が二人も!(高井さんと村さん)そして、ヘロデ王の半場さんは、『オペラ座~』でピアンジ(オペラ歌手の役)をされているくらいの巧者ですから、そりゃ見ごたえ抜群です。後すばらしいのはアンサンブルの皆様でしょうか。宝塚等より全然少ない人数なのに、すごい迫力。ユダが恐れた民衆のパワーが、30人くらい?もっと少ないかな、余すところなく発揮されていましたね。この作品、民衆がいなければ成り立ちませんから、これはすごいなと思いました。
ちなみに元のままの『エルサレムバージョン』と、四季オリジナルの『ジャポネスクバージョン』とがありまして、後者は8月から『秋』で上演されます。歌舞伎の隈取のメイクで、花魁まで出てくる、スゴイバージョンです。エルサレムバージョンはもうチケットもソールドアウトですが、ジャポネスクバージョンはまだ間に合うようですよ。興味おありでしたら、是非。



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