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2009年09月24日
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カテゴリ: 著者インタビュー



「大西洋を飛びたいと思いますか」

大空への夢を心の奥底に眠らせ、大地に根付いた生活を送っていた一人の女性は、その一言で眠りから覚め、もう一度、大空を振り仰ぎます。


1897年~1937年、アメリカ合衆国の女性飛行士、アメリア・イアハートをモデルに、夢を追う女性の恋、人生をより等身大に描いたのがこの本 『翼をください』 。著者の原田マハさんは史実に基づきながらもあえて舞台を日本に移し、より等身大での女性像を描くことに成功しています。

実在の人物をそのまま描くのではなく、著者がしっかり咀嚼した上で新たな世界と解釈を描く。こういう手法の小説って、私は割と好きです。
曽野綾子さんが書いた『砂糖菓子が壊れるとき』という小説があるのですが、これはまさにマリリン・モンローがモデル。千坂(ちさか)京子という一人の女が貧しい生活から抜け出し女優として成功するも、心の奥底の不安はぬぐえないまま無我夢中でひたすらに生を進めていきます。そのままですばらしいのに、「そのままではよくない」と自分を追い詰め、壊れていく。周りの人も彼女を愛することはできても彼女を救うことはできない…。そんな様子を、あえてハリウッドではなく日本映画界を舞台に描きなおした作品なんですが、これがまた良くって良くって…。

著者さんの咀嚼力にかかっている部分が大きいため、ダメなときはもうこてんぱんにダメなんですが(笑)、女性をみずみずしく描くことで定評のある原田マハさんの手によるとこんなふうな世界観に生まれ変わるんだなあ…と非常に楽しませてもらいました。ダイナミックで鮮やかで強い小説。からりと晴れた秋空にふさわしい、爽快感あふれる小説です。

実在し、モデルとなったアメリア・イアハートは、女性として初めての大西洋単独横断飛行に成功した飛行家。第一次世界大戦中は、飛行機とはまったく関係なく、カナダのアメリカ陸軍病院で看護助手として働いていました。1921年、カリフォルニア州ロサンゼルスで、ネタ・スヌークから飛行訓練を受け、最初の飛行機を購入し、飛行家デビューするも、家族に問題が生じ、1924年に飛行機を売ってしまいます。

東部に戻りソーシャル・ワーカーとして働いていた彼女を大空に連れ戻したのは、政治評論家で出版者、そして後の夫となるジョージ・プットナム氏からの一本の電話。「大西洋を飛びたいと思いますか」という一言に心を動かされたアメリアは、大西洋横断を成功させたのをきっかけに、女性飛行家として活躍を再開します。

1937年、世界一周飛行を目指しての旅の途中、7月2日にニューギニアのラエから飛び立った後アメリアたち一行は消息を絶ちます。彼女が残した航空日誌は、後に夫のジョージがまとめて『最後の飛行』として出版されました。決して女性として生きやすい時代ではなかった戦中にもかかわらず、大空に自分を解き放ち、自由を求めて飛び続けたアメリア。 『星の王子様』

空気が澄み渡り空の高さを実感できるこの季節。こんな小説で空を身近に感じてみるのはいかがですか?この季節だけの爽快感が、そのまま文章になったような一冊です!







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最終更新日  2009年09月24日 13時21分43秒


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