僕の心の詩

帰郷♪

国道307の風景1

帰郷♪


人にはそれぞれの故郷がある。
心の中に帰る場所がある。
一人でも家族でも。

都会で過ごす私にも
故郷がある。
子供の頃遊んだ
あの山、川、海が恋しい。

あの頃の父も母も元気で
いっぱい、いっぱい
遊びに連れて行ってもらった。
山ではかぶと虫やくわがたを捕り
川では魚釣りや魚捕りに夢中になり
海では貝捕りやすもぐりをした。

私も歳を取り、家族が出来た。
子供達を山や川や海に連れて行く。
だけど悲しい事に私の住む街に
山や川や海で遊ぶ場所は無い。

帰郷する度にに変わり行く故郷。
父は他界して、母は歳老いて行く。
想いでだけは心の中に鮮明に残るが
はしゃぐ子供達とは裏腹に少しだけ
寂しい自分を見つける私がいる。

歳を取った事に
寂しさを感じるのでなく
心の故郷が現実とかなり
様変わりしていて行く事。

あの綺麗な川や海や山
今では山は住宅に変わり
川は魚釣りも出来ない。
海は堤防に覆われてしまった。

何かやるせない醜い故郷。
でも子供達にとっては今の
現実が心の想いでになるのかと
思うと、本来の日本の景色が
色あせて行く事を知らずに育つ
子供達が可愛そうである。

昔の良き美しき日本の姿は
お国に金儲けの為に美を失い
いらない道が沢山出来て、
農薬や公害で虫も住めない街に
変わりはててしまった。

今年も夏休みがやって来た。
帰郷する事の楽しさと、
帰郷する事の落胆が入り混じる。

でも子供達の笑顔を見ていると、
時代の流れかと心の中で妥協する。

故郷、変わり果てても、私の故郷。
心の故郷、私にはいつまでも故郷。







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