僕の心の詩

老いた歌姫♪

冬と単車3.jpg
詩のお部屋はこちらになります。(^^♪。




老いた歌姫♪

街角で
老婆が空に向かい
それはそれは
綺麗なバイオリンの
音色を奏でていた

天空にそびえる
摩天楼に反響し
通行する人々は
あまりにも繊細な
音色と老婆に
驚きつつも
耳を傾けていた

お昼時になった
老婆はすくっと立ち上がり
今度はとても若々しい声で
ソプラノの音域で
周囲の人々を驚かせた
老婆は歌い終わると
恥ずかしい気持ちと
自信に満ち溢れた顔で
丁寧にお辞儀をした

自然に湧き上がった
拍手喝采の嵐
お昼時の時間が
老婆の為の
ショ-タイムになった

老婆は瞳にうっすら
涙を浮かべながら語った
これでも昔は
歌姫と呼ばれたのよって
そして長年連れ添った
相方の病院の床で
人生で最後で最高の
歌を歌うのだって

老いた歌姫
でも心はあの時のまま
その場に居合わせた人々は
彼女に再度拍手を送り
立ち去る老婆の後ろ姿を
遠くなるまで追い続けた

※コメント
もしあなたの最愛の人と別れが近づいた時
あなたはその人の為に何ができますか。?
私にも分りません。でも、今夜はこんな詩
を書きたい気分になりました。(^^♪。


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