マラソン大会

人間には向き不向きがあります。それが先天的なものであったり後天的なものであったりしますね。

例をあげると、女の子の前だと無口になるとか。目を見て喋れないとか。これは後天的なもの。努力しだいでは克服できる可能性があります。(うん。きっとそうだ!)

先天的なものの例として一つあげると「走る」ということでしょうか。短距離型か長距離型になるかは生まれてきたときに持っている白身の筋肉と赤身の筋肉の比率によって決まるそうです。(確かね・・・。)
赤身の筋肉が多い人は短距離向き、元から持っている筋肉が違うけれど努力すればある程度までは長い距離を走れるようになるだろうけれど、白身の多い人には勝てないでしょう。逆もまた然り。

おいらは明らかに赤身が多い、いわゆる短距離型です。このことを頭に入れて読みすすめて下さい。

改めまして、今回は「走る」にまつわる話です。

おいらの小学校では年に一回冬にマラソン大会が学年・男女別に分かれて行われます。

そして、マラソン大会の1ヶ月まえぐらいになると先生がマラソンカードと言うものを全員に配ります。そのカードには横浜から京都までの有名どころの駅の名前が30~40ぐらい書かれてあって、校庭を5周走ると駅の名前のところにあるマスを塗れることが出来、次の駅に進めるというすごろくの要素が入っていて、男の子、さらには元気な女の子たちは中休みの短い時間、昼休みなどを使い走って頑張って京都まであがろうとするわけですね。何十人と休み時間にぐるぐるみんな回っているわけです。

一方、若かりし頃のお鮨君はというと、走らない。全然走らない。「わざわざマラソン大会の為にやってられっか!」とクソガキぶりをいかんなく発揮いたしまして、いつも通り休み時間は大好きなバスケに愛情を注いでいるのでありました。

中休みが終わり、昇降口で靴から上履きに履き替えていると、同じクラスの体の成長が早くしかも筋肉質で足も速いS君がおいらにこう話しかけてくるわけですよ。

「今日は40周走った」って。

いや、絶対にありえないんですけど・・・。

学校の校庭一周短く見積もっても100メートルくらいありますよね?それを40周っていうと
40(周)×100(m)=4000(m)

4キロですよ。4キロ。たかだか15分そこいらの中休みの時間で4キロ。しかも小学生が走れるわけがない!しかも、Sくんは筋肉質で足も速い短距離型の人間です。
さらにいうならば全然息があがってないっつーの。

これはまさしく小学生男子が嘘をつく典型的な表現でありますね。
大幅に誇張する!
小学生相手のバイトをやっているのでわかるのですがこれは今も昔も変わってませんねぇ。

明らかな嘘に「嘘つけぇ!」と言えませんでした。何故ならS君は力が強い(=喧嘩が強い)。おいらは喧嘩は嫌いだし泣かされては困る。だからスルー。

毎日毎日一生懸命頑張って走る(誇張?)するSくんのマラソンカードにある駅のマスは次々と色が塗られ、余裕で京都まで行き、今度は京都から横浜まで目指す2枚目に到達していました。

このマラソンカードはそれぞれの教室の廊下に面した掲示板に張られているわけでありまして、クラスの個人の進み具合が詳細に分かるわけでありますね。Sくんを筆頭に男子の頑張り(誇張)メンバー数人は2枚目突入。他の男子も着々と京都を目指している中、おいらはさすがに1マスも進まないで真っ白なマラソンカードなのは先生に怒られたりして非常にマズイですから、2マス分だけ走りましたよ。男子じゃ最弱だったと思います。活発な女の子に余裕で抜かされてましたね。

おいらのマラソン大会の結果は、それまでの行動(長距離苦手+バスケ馬鹿で走っていない)から見事に反映いたしまして、余裕で上位になんか入ってません。5年か6年のときの順位が22位で「あっ、もう一つ遅ければ23でジョーダンと同じ番号になったのに」とかほざいている始末。

S君はというと短距離型+誇張もあり上位には食い込むのですが1位にはなれず。
同じクラスのT君が6年連続1位という素晴らしい快挙を成し遂げてました。

でも、純粋なときがおいらにもあったんですよ。あれは確か2年生のマラソン大会。1位を目指したお鮨少年はある秘策を立てていました。

それは競馬で言うところの大逃げ。弱い馬がなりふりかまわず逃げて展開がハマればいいところまでいけるんじゃないの?もしくは今は亡きサイレンススズカのようなスピードがあってメッチャ強い馬が使う戦法。ダビスタにおける最強馬が使う戦法。それを実行したのであります。

スタートの鉄砲の音がなったと同時に猛ダッシュ!短距離のスピードで猛ダッシュ!
コースは校庭3周してから学校の周りを走る約600メートルぐらいの距離。それをダッシュ!
いま思えば馬鹿としか言いようがないんだけれどもダッシュ!
校庭のライン際で見守っている副校長先生が大逃げをしているおいらを見て、野球の三塁コーチが走者をホームに帰すが如く腕をグルグル回すのでさらにスピードアップしてダッシュ!
まさに注目の的。みんなおいらに釘付け。


まあ、そんなのが最初から最後まで続くわけもなく校庭を2周まわったあたりから徐々にスピードダウンして後続集団に飲み込まれていきました。しかし、そのときは粘って6位入賞といいう快挙を成し遂げたのです。

そのときが一番輝いていたときでしょうか。
あとは前述したとおりグータラです。

今はバスケに必要な持久力を得るために走っています。でもやっぱり長距離は嫌いです。



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