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2004年の読了本(3月)

2004年の読了本

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*3月*
「子どもの王様」殊能将之(講談社・ミステリーランド)(2004.3.2読了)
ショウタの友だちのトモヤは学校にはほとんど行かず本ばかり読んでいるせいか途方もないつくり話をよくする。この団地の外側には何もない、現に団地の案内図には外側なんて描いてないじゃないかという。他にも団地に住む西の良い魔女と東の悪い魔女の話とか、残虐非道な子どもの王様の話とか…。だがある日、ショウタはトモヤがいうとおりの姿かたちをした男を目撃する。もしかしてあれが子どもを穴蔵に閉じ込め、召し使いとしてこきつかうという子どもの王様か?。「ミステリーランド」の第一弾だそうだ。子ども向けというよりも子どもの頃を懐かしむ大人が読むといった感じだ。子どもの頃は世界が狭いせいでいろんな空想をする。この舞台になった団地という場所も何かが潜んでいそうな子どもにとっては秘密基地みたいなものかもしれない。この団地で最後にちゃんと事件が起こるけど、その事件だって、大人は何てことない流れていくニュースの一つかもしれない。でも子どもにとってはこの事件こそが一大事であり、とんでもない冒険なのかもしれない。そして大人の世界を覗き見た瞬間かもしれない。
「シルエット」島本理生(講談社)(2004.3.3読了)
・シルエット ・・・第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。前回読んだ「リトル・バイ・リトル」よりもこちらの作品のほうが好き。あとがきに「他人を受け入れるときに伴う違和感や抵抗感。そして受け入れた後に生まれる新たな感情を。」っていうの、何となくわかる気がする。一人でいるって楽チンなんだけど、他人と交わることによって少し違う身構えた自分っていうのがいると思うと何だか呼吸してて変な感じになる。そういうもどかしさみたいなのがこの小説には出てると思う。特に、冠くんのことを心の深いところで気にしているわたしとか、せっちゃんがいないと本当は淋しい私とか・・・切なさと苦しさと・・・上手く言葉にできないけど、もどかしい感じ。10代でこんな素晴らしい表現が書けるなんてすごいなーと思った一作でした。
・植物たちの呼吸 ・・・16歳の時に「鳩よ」に掲載された短編。植物にうもれた部屋で江島くんを待つわたし。何となく、ただやみくもに呼吸だけしているようなそんな感じ。短編なのに連続ドラマが凝縮されたようで、何だか息をたくさん吸いすぎたって感じ。
・ヨル ・・・15歳の時に「鳩よ」に掲載された短編。変な感想だけど、「夜中にさまよい歩く黒猫の匂い」みたいな感じがした。別に猫の話ではなく、ちゃんとした人間の話なんだけどね。
「草にすわる」白石一文(光文社)(2004.3.5読了)
・草にすわる ・・・バブル崩壊後に入社した素不動産営業マンだった洪治。病気になったのをきっかけにただ今療養中。そして出会った彼女は高校の先輩で元エリート。二人とも壊れていく姿が何ともいえない。薬を飲み死への旅を企てるが・・・現代ってこういうストレスで心も体も壊れかけている人ってたくさんいると思う。主人公たちはそんな壊れた部分を回復しようとしていくわけだけど。「待ち設けよう」という言葉が出てくる。用意して待つ。そうなるだろうと心に望んで待つことだそうだ。苦しいからもがいても、もがいても結局はどこからも脱してないかもしれない。なら・・・待ち設けよう。「草にすわる」という題を見て、「八木重吉」だ!と思ったあなたはかなりの詩人だ!最近、某幼児番組でこの「草にすわる」という詩が紹介されてからとても耳に残っていた。そしてふと、図書館から借りた本を見たら・・・なんという偶然か?草にすわったら・・・何が間違いで何が正しいのかわかるのか?
・砂の城 ・・・この本にはもう一編小説が載っている。この小説はある文豪の話だ。とても誇れる一生を送っているわけではない中年の小説家。 人生なんてどう転ぶかわからないし・・・関係ないが、片山恭一氏とは若い頃からの親友だそうだ。
「甘露なごほうび」渡辺満里奈(マガジンハウス)(2004.3.8読了)
いや~すごい食べっぷりですね。とてもご本人からは想像できないような・・・たくさんお店も紹介されているし・・・これは関東地方にお住まいの方には食べ歩きガイドに匹敵するくらいな情報でしょうね。田舎に住む私にはとてもわかりませんが、近くにあったら行きたくなるような、食べたいものがたくさんあります。
「ピンクレディー世代の女のコたちへ」益田ミリ(いそっぷ社)(2004.3.8読了)
懐かしい世代の人はとても懐かしいでしょう。口さけ女、キャンディ・キャンディ。サンリオ、なめ猫ピンクレディーを踊ったり・・・駄菓子屋は子どもの頃の社交場だったし。年齢がばれるのであまりうなずきたくはないが、うなずいてしまった1冊です。
「アミが来た」エンリケ・バリオス(原作) さくらももこ(訳・絵)うんのさしみ(絵)(徳間書店)(2004.3.8読了)
小さいお子様向けにかかれた1冊。絵本版ということだが、絵本にしては字が多すぎるので、小学低学年向けか?今回は5歳の少女ペルリータのもとへ宇宙人のアミがやってきたお話。少女の成長と友情の心温まる物語。やはり愛と友情、平和を描いています。さくらももこさんとうんのさしみさんのコラボイラストがとっても可愛いです。
「旅人の心得」田口ランディ(角川書店)(2004.3.9読了)
ランディさんの旅のエッセイ集。旅行記を数々書いているだけあって、普通の観光旅行とは少し違う。きっとこれが「旅」ってやつなのかもしれない。 沖縄や石垣島に行った時の話やかなり昔の旅の話まで盛りだくさんだ。ランディさんが書いていたが、その土地には安易に踏み入れてはいけないところがあるらしい。神様のいるところとでもいうのだろうか?確かにそういう場所は別に観光地と呼ばれる場所でなくてもあると思う。近年、日本人旅行者が海外で悪戯な行為をして処罰されたりというのはあまりにその土地に対して無知な行動をとるからなのかな?やっぱり知らない土地へ行く時は「心得」というのが必要だと思う。最後の方に広島のこと(原爆ドーム等のこと)とアメリカのテロのことが書いてあった。原爆ドームは暑いから人は行かないらしい。きっと無念な魂が込められているのかも。アメリカのテロはTVで何回もリプレイされていたが、ランディさんは自分の子どもに「どうして?」と聞かれたそうだ。そのあたりを読んで胸が熱くなった。
「四季(夏)」森博嗣(講談社ノベルス)(2004.3.11読了)
真賀田四季13歳。叔父、新藤清二と行った閉園間近の遊園地で、四季は何者かに誘拐される。瀬在丸紅子との再会。そして妃真加島の研究所で何が起こったのか?「F」の原点はここにあった!読了後、全てが私の中でつながる。こういうことだったんだ・・・あの天才・真賀田四季と妃真加島、「F」の事件。「夏」は結構衝撃的だったかもしれない。特に最後は・・・ う~深くいえないが「F」ファンは読んでほしい!
「MAZE」恩田陸(双葉社)(2004.3.13読了)
アジアの西の果て。丘の上にはその昔「存在しない場所」または「あり得ぬ場所」と呼ばれる、白い矩形の構造物があった。これまでに何人もの人間がそこに入り込んだきり戻ってこないという、曰くつきの場所である。神原恵弥、時枝満、スコット、セリムの4人がこの地へとやってきた。ミッションは「人間消失のルール」の謎を解き明かすこと。そうだ~これ再読です。前回の「クレオパトラ~」を読んで恵弥が気になり・・・「MAZE」を読み進むうちに「豆腐」う~ん。確かこれ前に読んだよな~壮大なんです。お話が・・・しかもミステリーなのか?ホラーなのか?ファンタジーではないけど、不思議な感じだし。まぼろしからいきなり現実に引き戻される感じの終わり方だな~
「開放区」木村拓哉(集英社)(2004.3.13読了)
「MYOJO」の連載をまとめたエッセイ。かなり話題になりましたね。キムタクってジャイアンだと思う。いい意味で。見た目がかっこいいだけに意地悪っぽいけど本当は心の優しいやつ。アイドルのエッセイってあまり読む機会ないけど、キムタクの場合、言葉がキムタク語なんだよね。プライベートなこと(家庭生活とか子どものこととか)は書いてないけど(期待して読むとはずれる)心の中のこと、日々思っていることはちゃんと出てると思う。キムタクってやっぱりキムタクっていうブランドなんだよね。
「アミ 3度めの約束 愛はすべてをこえて」エンリケ・バリオス(原作)石原彰二(訳)さくらももこ(絵)(徳間書店)(2004.3.19読了)
3部作の完結です。この3度目の約束は困難の連続。双子の魂であるビンカが恋しくてたまらないペドゥリート。待ちに待ったアミが地球に来るが今回の旅はみんなにとって試練のの旅。3冊の中で一番難しくて一番「愛」を深く感じる作品です。副題の「愛はすべてをこえて」っていうのはまさしくって感じ。
「虹果て村の秘密」有栖川有栖(講談社・ミステリーランド)(2004.3.21読了)
ミステリーランド第二回配本の中の一冊がこの本です。 推理作家にどうしてもなりたい刑事の父親を持つ12歳の上月秀介と刑事になりたくてしょうがない推理作家の母親を持つ12歳の二宮優希。虹果て村にある二宮ミサト(優希の母)の別荘で夏休みを過ごすことになった。虹にまつわる七つの言い伝えがある村では、高速道路建設をめぐって対立が激化していた。そんな中で密室殺人事件が・・・12歳のコンビが事件解明にひと役かってでる。さすが有栖川有栖だ~しっかりと本格している。トリックも内容も・・・あとがきを読むところのもしかしてこの秀介っていうのは有栖川有栖氏の子どもの頃を夢を乗せているのかも!?しっかし~この秀介と優希のコンビ!私的には大好評!また登場させてほしいわ~と願う私です。
「絵本のよろこび」松居直(NHK出版)(2004.3.21読了)
NHK人間講座において、2002.10~2003.1に放送されたテキストに加筆されたものが本になりました。絵本とは何か?ということから、絵本づくりの裏側的なものまで絵本についての楽しみ方が十分わかる本です。放送を見られていた人もそうでない人にも十分に絵本の魅力がわかるのではないでしょうか?
「少年たちの密室」古処誠二(講談社ノベルス)(2004.3.22読了)
東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた6人の高校生と担任教師。その暗闇の中で少年の一人が瓦礫で頭を打たれて死亡する。事故?殺人?密室でおきた事件とその前に死んだ同級生宮下の謎。彼は自殺?それとも事故?最初からいろんな謎がひしめきあいます。そして最後まで気が抜けない。一言で本格と片付けるには問題が多すぎる作品です。根底にはいじめ、少年犯罪、そして学校や教師側の体質など今、社会的に問題になっていることの表と裏がきっちりと描かれていると思います。
「接近」古処誠二(新潮社)(2004.3.22読了)
桜の花の咲く頃に出会うはずのない二人が接近した…。米軍沖縄上陸から三週間、容赦なく攻撃はおこなわれた。そんな戦争の中で11歳の少年、安次嶺 弥一(あしみね やいち)は、二人の将兵と出会う。戦争を題材にしているだけあってとても重い内容だと思う。誰がスパイなのか?ミステリっぽく仕上げているので戦争の話が苦手な人でも読めるかもしれない。
「ここちいい毎日 C’est joli (セ・ジョリ)」石田ゆり子(幻冬舎)(2004.3.28読了)
セ・ジョリとはフランス語で可愛いとか素敵という意味だそうで。女優・石田ゆり子さん流の健やかで美しくなるためのここちいい方法を紹介。家族のことや自分のこと、動物たちのこと・・・エッセイも載っています。石田ゆり子さんてとても可愛らしい人ですね。でも真の強さも感じららる。 美に関することやファッション、インテリアのこと、いくつか実践できそうなものがあったので真似してみたいな~と思いました。美顔器・・・高いけど効きそうね。結構な読書家なのも驚いたな~本が好きな人の書棚って興味あるの。写真が出てて、すごい数の本に圧倒!何だか嬉しかったり。
「Sing 2 もう一度、ステージに」喜多嶋隆(角川文庫)(2004.3.29読了)
「Sing 海がくれたバラード」の続編。恋人・ロビンを失った傷を抱えるノブ。サーファーの久実。二人の共同生活も3か月目。二人は地元の漁師・昭一郎の紹介でウクレレを弾きながらステージで歌っている。今回の物語は昭一郎がかつてはプロのミュージシャンを目指していたがあきらめて漁師になったいきさつを知ることが大きな柱となる。昭一郎がケンカをして大怪我を負い入院。そこの院長が若くて美人の腕利きの外科医。なんと昭一郎とは中・高校の先輩後輩の中。昭一郎と父・和男の間に起きたことを紐解きながらいろいろな人間関係と人生における挫折と再生の素晴らしい物語・・・(と言っておこう。)ちょっぴり恋愛・・・?もあったりして・・・久実のサーファーの腕を知るカメラマンの磯田が乱入?してきたりして・・・この人も挫折の経験者なんだな~登場人物それぞれがいい味出して頑張ってもがいて生きている。やっぱりこれが青春!?この二人、シリーズ化してくれないかな~(希望)
「ももこのおもしろ宝石手帖」さくらももこ(幻冬舎)(2004.3.30読了)
ももこさんと幻冬舎の山口ミルコさんとの対談エッセイです。「ももこの宝石物語」に続く~って言ったらいいのかな?より詳しく宝石について語り合っています。ベルエトワールの岡本さんの宝石探しの過酷な旅の話から石の値段や種類といった初心者でもわかる話まで盛りだくさんです。石ってみんなパワーがあるんだよね~ヒーリングパワーっていうのかな。どの石にどういうパワーがあるか一覧表があったりして参考になったな。それと最後には岡本さんのインタビューも載ってるの。この人、とてもすごい人なんだ。秘境とかどんどん行っちゃうし。すごさは読んでみればわかるよ~


mitu n



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