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2004年の読了本(12月)

2004年の読了本

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*12月*
「ばら色の人生La vie en Rose」鷺沢萠(作品社)(2004.12.2読了)
鷺沢萠がいちばん伝えたかった家族、友人、仲間たちの、あたたかくて強い絆の物語。鷺沢萠の遺した3本の戯曲を収録した全戯曲集。伊集院静、永江朗、原田宗典らのエッセイを収録した「鷺沢萠とその戯曲」も付す。 これは実際に舞台化されたものなんだけど、「ばら色の人生-La vie en Rose」「ビューティフル・ネーム」「ウェルカム・ホーム!」の3本。実は小説とは少々違うお話になっているのだけど、コミカルでとても面白そうな内容です。戯曲集なので勿論、セリフだらけですが、結構楽しめます。このお芝居のことはイルカ団という劇団のサイトでも見れます。
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子(偕成社)(2004.12.4読了)
「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」の三作収録。そしてこの本はなんとMOEの「2004年絵本ベスト30」の2位に選ばれました!すごいですね~やっぱりみんな酒井駒子さんの本、好きなんですね~表題作は小さな生き物たちに見守られながらお昼寝をする女の子のお話。 「草のオルガン」は男の子が夕方に原っぱに寄り道するお話。「夜と夜のあいだに」はベッドからそうっと抜け出した女の子のお話。ちょっとシュールな感じのお話でした。黒と白を基調にした世界がとても印象的です。どのお話も現実と幻想のはざ間で起きているような不思議なお話。言葉のひとつひとつと酒井さんの深い色合いの絵がすてきです。
「Star egg 星の玉子さま」森博嗣(文芸春秋)(2004.12.5読了)
森博嗣先生が自ら手がけた大人向けの絵本ですね。この絵本には4通りの読み方がある。つまり4倍楽しめるってわけだ。宇宙にはたくさんの星があり、形や色も大きさも様々。玉子さんが愛犬のジュペリと一緒にいろんな星に旅をします。とても可愛いです。森先生自らおすすめの絵本なので、プレゼントにもよいでしょう!
「富士山」田口ランディ(文芸春秋)(2004.12.5読了)
富士山には不思議な魅力がある。そして4つの短編には富士山がどこかにかかわっている。
「青い峰」 あるコンビニの店員の僕は昔、カルト教団の信者だった。 強盗が入ってきても無の表情。人間を信じることができないのだ。同じくコンビニのアルバイト森下こずえ。彼女にとって、僕は富士山らしい。 この僕にとっての富士山とは?
「樹海」 中学を卒業し、卒業旅行と題してやってきた青木が原の樹海。そこで彼らが経験したこととは?生きる意味を求めて樹海に入ってきたといったらいいのかな。サトシとユウジとジュン。それぞれにいろんな悩みを抱え、生きること、死ぬことの意味を探している。魂はどこへいくのだろう?そういえば昔、単純に「死んだらどこへいくのだろう?」と考えて夜の月明かりを眺めていたことを思い出した。
「ジャミラ」 ごみ屋敷に住むおばあさん。環境課の職員になった僕は・・・想像するだけでごみ屋敷に住むジャミラ(おばあさん)に吐き気を覚えるが、そうなるまでの悲しい日々。何となくわかるような。そしてそのジャミラに依存しているような主人公の僕。きっと誰もが悲しい思いを抱えて生きているのかもしれない。
「ひかりの子」 産婦人科の病院で看護士をする私。水子供養の場である女性と知り合い、富士山登山をすることになる。この富士山登山に来た人たちにはそれぞれにいろんなものを抱えて生きている。やっと出来た命の喜びも与えらぬまま、通り魔によってお腹を刺され、流産した女性。末期の子宮ガンで余命のない女性。そしてこの看護士の私は中絶の意味も軽く考えている少女たちの言動に耐え切れなくなり、看護士をあきらめようとしている。富士山は祈り・・・ランディさんはあとがきでそう綴っていました。 私もそう思います。いろんな試練を乗り越えてしまう強さ。でもそんな彼女たちは本当は乗り越えたくて生きているのではない。このお話が私には一番、心に突き刺さりました。頑張って、頑張って毎日を生きている。でもその頑張りは一体誰に向けてなのだろう?実は自分に対しての自己満足のため。富士山には五合目までしか行ったことがないけど、見るだけでもその雄大さ、力強さ、そして何よりも魂がすーっとひかりとなるような気がします。
「水の繭」大島真寿美(角川書店)(2004.12.5読了)
母と父は離婚して、母は兄を連れて行った。そして父は亡くなって、ひとりぼっちになったとうこ。ある日、ひょっこりと転がりこんできた従妹の瑠璃。彼女は昔から家での常習犯だったね。瑠璃のおかげでずっと会うことがなかった兄の陸に会うことが出来たこの夏。少しだけど、ぽっかりあいた穴がふさがりつつあるような気がした。こんな風に何かを重く抱えて生きていくこと。まだ大人になりきれていない少女には少々重すぎたのかもしれない。でも最後は何だかほんわかとした気分になったな。
「江原啓之のスピリチュアル子育て」江原 啓之(三笠書房)(2004.12.9読了)
スピリチュアルな視点で子育てをする。そもそもスピリチュアルの意味がわからなかった私。何故この本を手に取ったのだろう?スピリチュアルとは霊的な精神的な世界を意味する。この本では子育てで本当に大切なことは何か?を書いているわけで。子どもが生まれてきたことには意味があり、だからこそ、きちんと叱り、本当の力を見つけ出して伸ばしてあげる。子育ては親育てでもあると。いろんなメッセージが書かれているが、「あなたは『子どもに選ばれて』親になりました」っていうのが一番うなずけたかも。これは基本かもしれないが、自分が選んでこの子を産んだわけではなくて、選ばれて、この世で出会うことができたのだと。それから興味深かったのは、「肉の年齢」と「たましいの年齢」のこと。「肉の年齢」とはこの世に生まれてきて何年たったかということ。しかし「たましいの年齢」は経験や成長で決まる。早く生まれたから全てが上だということはないと。自分に当てはめると確かに幼少期の自分を思い出してみると、「たましいの年齢」が親よりも上だったかも!?肉体は子どもなのに自分の中に生きているたましいはたくさんの試練や経験を積んだ感覚で、考え方が大人よりも大人だった感じがする。つまり、外に感情として出すために無理やり子どもらしい振る舞いをしていたように思う。まとめとしては、子育て本としてのマニュアルで読むのではなくて、精神的な指南書として読むのがいいように思います。
「シナモンとまいごのこいぬ」マルク・ブタヴァン(絵)せきちさと(話)(小学館)(2004.12.10読了)
まっしろなこいぬのシナモンは、金色に光る丸いものを追いかけて扉の向こうへ。そこはまっくらなトンネルで、シナモンはやみの中に落ちてしまいます。やみの向こうはパリの広場。そこには、迷子のこいぬシャルロットがいて…。 シナモンはもちろんサンリオのキャラクターだよね。絵本なんだけど、絵がとってもおしゃれでしかもパリを舞台にしているんだよ。大人が読んでも十分楽しめる一冊。
「おいしくてかわいい」伊藤まさこ 渡辺有子(主婦と生活社)(2004.12.10読了)
伊藤まさこさんと渡辺有子さんはご近所同士でお友達。その二人がそれぞれのお気に入りの食材などを紹介。 パッケージが可愛くてつい買ってしまったものとかわかるな~空き瓶や缶をどんな風に使おうかな~とか考えると何倍も嬉しくなる。紹介商品の美味しい食べ方とかパッケージの利用法も紹介しているから参考にしてみるといいよ。
「魔王城殺人事件」歌野晶午(講談社・ミステリーランド)(2004.12.12読了)
星野台小学校5年1組の翔太たちは、探偵クラブを結成。いくつかの事件を解決し、ついに、町のはずれにある悪魔の巣窟のような屋敷、デオドロス城にまつわる怪しいウワサの真相を確かめるべく探険することになった。あはは!これも少年探偵団って感じかな。このお屋敷に幽霊の姿。そして消えた死体。あ~どうして?どうして?って思いたかったけど、トリックが簡単だったので。あっそうか。こんなもんか。って感じ。(これじゃあ意味がわからないね。)しかし、この屋敷、何のためにこんなものを作ったのか?ちょっとばかり無理があるのでは・・・まあいいさ。面白かったから。あとがきっていうのかな。歌野さんの「子どもだった頃」のこと。こっちの方がえ~って感じだったよ。正にミステリー。装丁が荒井良二さんなんだよね~とってもいいわ♪
「ぐるぐるまわるすべり台」中村航(文芸春秋)(2004.12.13読了)
塾講師の傍ら、僕は教え子ヨシモクの名を騙ってバンドを募集した。ボーカルの中浜に自らの分身を見た瞬間、僕の中で物語が始まった。「リレキショ」「夏休み」に続く「始まりの」3部作完結篇。 らしい・・・つまりはバンドやろうぜ!っていうノリなんだろうけど、今一度、人生に区切りをつけて新しいスタートを切ろうってことか!?同時収録の「月に吠える」は「ぐるぐる」の前のお話らしく、人物とかがリンクされてて面白かったな。しかし、このヨシモクのにゅいーんって笑いがいいね。はまっちゃいそうだよ。芥川賞の候補になったのはすごいね。これから期待度大の人だな。その3部作の作品も読んでみたいな。
「記憶の小瓶」高楼方子(たかどのほうこ)(クレヨンハウス)(2004.12.15読了)
「月刊クーヨン」に連載されたいたエッセーです。幼少期の思い出を児童文学作家の著者が綴っています。2歳の頃、どぶにはまった話や友達の家にいって知った他所のおかあさんのこと、卒園式の練習のおめんじょうの話などなど、幼い頃のことなのによく覚えているな~しかも昭和30年代という時代の懐かしさみたいなのがとても伝わってきて中々よかったです。こうした幼少期をもとに児童文学作品を書いているんだな~と思うと、高楼さんの作品をたくさん読んでみたくなりました。
「デウスの棄て児」嶽本野ばら(小学館)(2004.12.15読了)
天草四郎を主人公にした歴史小説です。しかも野ばらさんが書いたのですよ。どうなることか・・・と思っていましたが、前半部分はかなり読みにくく、あ~やっぱり歴史小説なんだわ。島原の乱とかもきっちり書いてあるし。しかし、後半に進むに従って野ばら色も適度に出てきていい感じ。キリスト教に関しての疑問なども結構ぶつけてあって、いろんな意味で面白い作品になったのかな。しかし、本当は悲劇で悲しい運命の話なのに、前半のイヤイヤ読みが祟って、イマイチ感動が薄くなってしまった。これは反省しよう。野ばらさんにしては新しい感じの作品なので何だか新鮮でした。
「お菓子を仕事にできる幸福」東ハト編(日経BP社)(2004.12.24読了)
東ハトが社員たちに配るためにつくった同名の豪華飛び出す絵本。これがメディアに紹介され、口コミで広がり、本として出版になりました。事実上倒産となり、民事再生法のもと、新会社としてスタートした東ハト。お菓子作りに対する情熱とお客様への信頼はこの本から十分、学ぶことが出来ます。仕事とは何か?今一度原点に戻って考えてみるのもよいでしょうね。全部が大事なことですが、今の世の中で私は特に「うそ0%。」にとてもうなずいてしまいました。偽装・・・こういう文字が日々新聞をにぎわせていますよね。でもついた嘘はいつかばれるものです。嘘のない素材、付き合い、経営、簡単だけど、とても大事なことだと思います。
「想い出プリント大百科」宇山あゆみ(新紀元社)(2004.12.24読了)
生地、折り紙、包装紙などなど。昭和30~50年代の暮らしの中のプリント柄と宇山あゆみさんのプリントものコレクションを当時の雑貨や小物とともに紹介する本です。 表紙からしてとても可愛くて懐かしい。そういえば、こんな柄の折り紙をたくさん集めたな~見ているだけで楽しいけど・・・昔の生地や折り紙ってどこへ行ってしまったのだろう?もう捨てられちゃったかな・・・もし、復刻版の柄の生地などがあったら、それでバッグとか小物とか作ってみたいな~
「High and dry(はつ恋) 」よしもとばなな(文芸春秋)(2004.12.31読了)
14歳の夕子の初恋の相手は28歳の絵画教室の先生キュウ君。これがまた胸キュンものなのだな。14歳と言えば、子どもなのか?大人なのか?年齢差に関係なく、恋が出来るって・・・奇跡を一緒に目撃してしまった二人だから信頼できる関係なのかな・・・でもやっぱりばななワールドだな~甘い恋愛ではなくて、もっと奥が深くて・・・生命力っていうのかな。そういう生きるっていう根本のところから突き詰めているような・・・う~ん。上手くいえないけど。この夕子と母親の関係・・・父親はほとんど海外にいるので母子家庭のような状態ってあるけど、最近多い、友達親子?っていう感じ。でも微妙・・・なんだよね。ちゃんとした感想がかけないな~とにかくこの一冊が2004年の最後を飾りました。

mitu n



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