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2005年の読了本(2月)

2005年の読了本

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*2月*
「ランドマーク」吉田修一(講談社)(2005.2.1読了)
「O-miya スパイラル」の建築士・犬飼とその現場で働く隼人の二人の交差する物語。九州出身の隼人は東京に出てきて何故か?東北出身人ばかりの工務店で鉄筋工として働いている。しかも寮でみんなと暮らしている。適当に遊び、仕事もちゃんとこなしているゴク普通の若者といった感じだろうか。しかし、ネットで海外から男性向けの貞操帯を購入し、装着、そしてその貞操帯の鍵を大量に作ったりと何か壊れているような感じもある。一体何を求めて生きているのだろうか?どこか屈折しているようにも思う。一方の建築士・犬飼は「O-miya スパイラル」の設計士である。35階建てのスパイラルな建物は完成すれば国内外から注目されること間違いなしの作品だ。大宮駅前のホテルに泊り込み、家にはめったに帰らない。しかも愛人と称した恋人との逢瀬はかなり楽しんでいる雰囲気。奥さんはこのことを知っているのだろうか?壊れていく感じはないが、体調不良で実家に帰ってしまうところをみるときっと何かに気づいているかもしれない。しかも犬飼の家はコンクリート打ちっぱなしのデザイナーズマンション。何だか無機質なイメージがする。生活感がないっていうか・・・人間までもが無機質になっていくような。そして恋人の菜穂子とはある恋愛ドラマを見て、それぞれ相手を買い、楽しもうと持ちかけられる。どうして?この人たちも壊れていくのだろうか?犬飼と隼人は特に交差しない。設計者とそこに働く人というだけで別に知り合いでも友達でもなんでもない。そしてラストに事故?事件?が起こってしまう。「O-miya スパイラル」で。で、これが突然、話が終わってしまうんだな~ここから何か話が始まりそうなのに・・・どうして突然、終わる。納得いかない。これも吉田さんの作風なのだろうか?
「ボディ・アンド・ソウル」古川日出男(双葉社)(2005.2.1読了)
フルカワヒデオの物語?ん?どう感想を書けばいいのか?もう???だらけである。これは幻想小説。フルカワヒデオのかなりイッチャッテル現実逃避のエッセイ?こういうのが流行っているのだろうか?それともこういうのを芸術と呼ぶのだろうか?「gift」は面白かったのにな~約300ページもある大作なのに、全くわけがわからない。まあ、現存するカルチャーについては徹底的に思索しているし、ノンフィクションの境界も破って全く新しい小説ではあるが・・・私としてはあまりツラツラと色んなものを書きつらねているものよりも一応でもストーリーがあるほうが好きです。(古川さんごめんなさいね。)
「ナルちゃん憲法 皇后美智子さまが伝える愛情あふれる育児宝典」松崎敏彌(日本文芸社)(2005.2.10読了)
これは珠玉の育児書ですね。皇后美智子さまが伝える愛のメッセージ。民間から皇室に嫁がれて様々なご苦労があったことと思います。子育てに関してもそれまでの皇室の慣習をやめ、自らの育児を貫くことは並大抵のことではなかったと思います。でもこの本は皇室のための育児書ではありません。子育てをしている親に対する愛のメッセージです。一つ一つのお言葉の温かいことはもちろん、皇太子さまの成長も微笑ましく書かれています。
「4時のオヤツ」杉浦日向子(新潮社)(2005.2.10読了)
4時って不思議な時間だ。3時のおやつでは子どものおやつの時間みたいだし、5時だと早い夕食の時間になってします。そんな4時のオヤツは大人が一息ついている感じなのかもしれない。これは東京で買える(買えないものもある。)オヤツとそのショートストーリー。そのものが紹介されているわけではない。さりげなくひとときの風景に収まっているという感じ。写真もさりげなくてどれも美味しそう。ちょうど小腹がすいた時間に読んだせいか、食欲が旺盛になってきた。
「ガールミーツボーイ」野中柊(新潮社)(2005.2.11読了)
私は小一の息子、太朗と二人で暮らしている。夫であり太朗の父である田口はある日突然、失踪したままだ。主人公で太朗の母・美世は働きながら太朗を育て強く生きていると思う。友達にも恵まれているし。この物語の夏はこの母子にとって大きな成長を遂げたと言っていいだろう。太朗は少しだけ大人になり、美世はやっと田口と別々の道を歩き出すことが出来た。子どもって大人が思っている以上にすさまじい速度で成長していくものなんだな。大人が思っている以上にもっと深いことを考え、行動する。美世も太朗の成長の速度についていけていなかったのかも。表題作のほかに「ボーイミーツガール」収録。こちらは太朗の友達の鈴木くんのお話だ。やっぱり野中柊さんの本、好きだな~♪こういう何気ない日常・・・何となく前向きになるし。思わず一気読みした作品です。
「雪の華」伊藤たかみ(角川春樹事務所)(2005.2.16読了)
恋愛+ミステリーみたいなお話だったな。共感覚という特殊な能力を持つ優。彼は人の持つ匂いを「形」で認識できる。偶然、街で会ったかつての親友霧島。そして隣にいた彼女・七海に亡き京子と同じ「形」を見てしまうことから話は始まる。京子は交通事故で死んだ。そして死ぬ前に電話をかけたのが七海だった。偶然か?必然か?そして京子の死は自殺か?事故か?優、霧島、七海と三人が京子の死の謎を調べていくうちに・・・共感覚・・・私の周りでは聞いたことがない。現実にあるのだろうか?難しいテーマのような気もするが、恋愛が絡み、ミステリーの要素もある新しいタイプの小説。
「おうちとおでかけ」廣瀬裕子(文芸春秋)(2005.2.17読了)
Afternoon TeaのHPで好評連載中のエッセイに、書き下ろしを加え単行本化。途中にある「おやつのじかん」がとても美味しそうで・・・着物に目覚めた廣瀬さん。和の暮らしも素敵だな。毎日を大切にゆったりと過ごすってすてきなことだと思います。
「風たんてい日記」杉田比呂美(小峰書店)(2005.2.20読了)
「風に関する探しもの引き受けます」 風探偵、南風渉と愛犬ゼファーの毎日を描いた絵本。 とっても可愛い絵本。子どもよりも大人向けかもしれません。ゼファーといつも一緒で、風を集めに行ったり。冒険もしたり。風いりパンってどんな感じだろう?食べてみたいな。私は最後のさくら・・・のトンネルの絵が大好きです。
「おとりよせ日和」おとりよせネット(WAVE出版)(2005.2.21読了)
「おとりよせネット」のくちこみ厳選品が一冊の本になりました。これはもう活用するしかありませんね。季節・ジャンル・定番ものなど初心者にも優しい一冊です。これを見ながらすぐにお取り寄せできる・・・嬉しいな~それにコラムとしても充実しているので、読んでも楽しい。
「鉱石倶楽部」長野まゆみ(文春文庫)(2005.2.21読了)
知らなかったこのようなすてきな本があったとは・・・本書は1994年に単行本として発刊されたものを加筆補筆し文庫化されたもの。長野まゆみさんは好きでかなり読んでいるほうだと思っていたのに・・・放課後の理科室で古びた図鑑を見つけた少年は、不思議な夜間学級に出席する。ファンタジー短篇「ゾロ博士の鉱物図鑑」を収録。短いお話もファンタジーで面白いが、石の写真の美しいこと。そしてなんとも美味しそう。その石にまつわるお話も収録されていて、楽しい。石なので食べられないけど、レシピのような説明書きを読んでいると本当に美味しそうに見えてくるから不思議ですね。さくらももこさんの宝石の本を見て「綺麗だな~」と思ったけど、鉱石だらけの書は磨かれた宝石に負けず劣らず綺麗だと思いました。これは何度でも読み返したい、また石の写真をずーっと見ていたい私のお気に入りの一冊になりそうです。
「うろこひめ」嶽本野ばら(文)高橋真琴(絵)(主婦と生活社)(2005.2.23読了)
乙女のカリスマ・嶽本野ばら×少女画の巨匠・高橋真琴、初のコラボレーション。ある小さな国のお姫さまは双子だった。姉は美しく、妹は醜かった。姉は 姫として何不自由なく成長し、妹は幽閉されて誰にも知られることなく暮らす。美しい姉が毒きのこによって死に、魔法使いによって美しくなった妹が姫としての幸せを手に入れるのだが。ここからが残酷物語。背中にはうろこがある醜い体。魔法がとけないために人を食べ続けなければならない。何の罪もない人たちを。お話がグロテスクだが、絵は美しい。さすが高橋真琴さんだ。絵本としては少々長めのお話だけど、大人が読むにはちょうど良いだろう。子には残酷すぎて読ませられない。元々の「鱗姫」とは話が違うのだが、こちらの話も異形ホラーっぽくていい感じだと思う。絵本の方は「本当の幸せ」とは何だろう?と考えてしまうね。
「自転車少年記」竹内真(新潮社)(2005.2.26読了)
ひえ~今まで延滞願いで長期で借り出してごめんなさい。図書館さま。やっと読み終わりました。だって、長いんだもーん。昇平と草太が4歳にして出会ってから何年だ?29歳まで、とにかく半生くらいの物語なんです。昇平4歳のとき、補助輪なしの自転車で練習していたが、坂道を猛スピードで下ってしまい、草太の家の生垣に突っ込んだ。これが二人の出会い。それから少し成長して小学生、特訓山での自転車練習、海までの長いサイクリング。中学生になってからは自転車屋の息子、伸男との出会い。高校になって自転車部を作り。まあ出会い、別れ、挫折、恋に仕事にいろいろあるわけなんだけど、その様子がとっても爽やかで、嫌味ではなくて、こういうのを青春っていうんだな~草太の八王子から日本海までの300キロを自転車で走り抜けたところはすごかったな~それも理由が失恋だもの。これが元で八海ラリーなるものが生まれ、年々盛大なイベントとなって人と人のつながりを濃くしていくわけなんだけど。草太の恋も応援したいな。相手は実家が隣通しで幼馴染の奏。彼女は音楽の道へ進むためにドイツへ行ってしまうんだけど、草太が29歳のラリー(最後の章)時に一時帰国してこのラリーに伴走として参加したんだよね。昇平は朝美と結婚して北斗という男の子がいる。昇平が北斗に自転車乗りを教えるシーンがあるんだけど、自分の子どもの頃のことを思い出しながら教えるんだよね。これもよかったな。みんなそれぞれ別の人生があるけど、自転車を通して一つになれるって素敵だな~何だかどこまでも走っていきたい気分になったよ。
「お昼ごはん、何にする?」こぐれひでこ(マガジンハウス)(2005.2.27読了)
食通のこぐれひでこさん。高級料理店のランチの食べ歩きエッセイ。もちろん、こぐれさんのイラストで美味しそうな(実際美味しいのだろうけど。)料理も紹介。「クロワッサン」での連載をまとめたもの。敷居の高そうなお店だとお金の心配もあるし、夜のコース料理なんてとてもいけない。しかし、これがランチだったら大丈夫らしい。巻末にはレストランの紹介もあり。東京のお店ばかりなので残念ながら行って食することはできないが、たま~にの豪華ランチをしたい人はおすすめです。
「ココナッツ」大島真寿美(作)荒井良二(画)(偕成社)(2005.2.27読了)
とびらは父親と二人暮らし。夏休みのラジオ体操は朝寝坊のため、いつも間に合いません。そんなとびらをからかうのが健太郎の楽しみ。健太郎はとびらの家の大家さんの孫。ある日、二人はビルの屋上で釣りをしているおじいさんに出会います。屋上で釣り?っていうだけでも不思議な話だけど、このおじいさん、ココナッツを釣っていた。何故?ココナッツ?そして台風が来た日に公園で「南の島屋」という屋台を見つける。ここにはココナッツという名前の女の人がココやしを売っていた!?この屋台を手伝い、台風がひどくなって・・・これは小学校高学年向けの児童書なんだけど、夢のようなお話がとっても面白い。荒井良二さんの絵もいい感じなのだ。夏休みの不思議体験ってなんだかわくわくするな~
「ぼくらのバス」大島真寿美(作)早川司寿乃(画)(偕成社)(2005.2.27読了)
たいくつな夏休みに思い出したバスの図書館。圭太は弟の広太と一緒に秘密の隠れ家をつくることにした。バスの隠れ家を満喫していた兄弟だったが、ある日、家出してきた中学生順平が転がり込んでくる。男の子って秘密基地とか作るのすきそうだよね~このバスの図書館は持ち主だったおじいさんが死んでしまったので閉鎖しちゃったんだけど、それまでは子どもの憩いの場だったんだよね。こういう場所があると何だか楽しいし、おじいさんやおばあさんからいろんなお話も聞けていいよね。自分の子ども時代にはこういうわくわくすることがなかったから少しつまらなかったかもしれない。自分の子はこれから自分だけの秘密を持ってわくわくするのだろうか?「ココナッツ」同様、夏休みのお話だけど、これもいいお話だったな~
「ちなつのハワイ」大島真寿美(作)池田 進吾(絵)(教育画劇)(2005.2.27読了)
家族でハワイにやってきたちなつ。今までいい家族をやってきたのに、旅行を機に一気に崩れてしまった。結構シビアな話だったな~お父さんは仕事人間で、お母さんはカリカリしてて、お兄ちゃんのヨウジは受験生。楽しいはずのハワイ旅行なのに、何故かみんなの心はバラバラ。どこの家庭にでもおこりうるような内容なんだな。でもこの家族を再生していくのが主人公ちなつと管沢のおばあちゃん(亡霊か?)。このみんなには見えないおばあちゃんの助言が家族を結びつけていくんだよね。またまた不思議体験の話だけど、日常に追われて忘れかけていた大事なものを取り戻せてよかったな。

mitu n



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