★ 「少女雑誌ふろくコレクション」弥生美術館/中村圭子・外舘惠子(編)(河出書房新社)(2008.3.9読了) |
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「りぼん」「なかよし」子どものころによく見た少女雑誌たちだ。ふろくはもちろんかわいいもののオンパレードで使うのがもったいないくらいだった。 そんな1970年代以降の少女雑誌と1960年代までの少女雑誌のふろくをとりあげている。内藤ルネ、田村セツコ、巴里夫・・・なんて懐かしい人には懐かしいだろうけど。どちらかというと70年代以降の方がわかる。陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子、小田空・・・それに一条ゆかり先生。もちろんさくらももこ先生も出てくる。今でも第一線で活躍している人たちだ。 |
★ 「駆け込み、セーフ?」酒井順子(講談社)(2008.3.11読了) |
実はまだ「負け犬の遠吠え」を読んでいない。先日、古本屋で文庫本を入手した。きっと「駆け込み」以前のことがもっと詳しくわかるだろう。 「駆け込み」とは30歳代最後ということだ。そのギリギリな感じで一体どんなことが起きるのだろう・・・何歳がギリギリなのかはその人次第だと思うけど、年代の変わり目というのは女性にとっては大問題なんだろうな。 結婚を考えると・・・出産を考えると・・・ってな具合に。 皇室の人々について語ったものもあり、大変興味深く面白く読了しました。 |
★ 「乙女部部長」吉野万理子(メディアファクトリー)(2008.3.12読了) |
乙女部か~面白いよね。特に部に入れる条件が。 30代で独身で恋人なしの小夏が乙女部部長に就任!?運命の出会いを信じて日々活動する。合コンしてみたり、みんなで食事会してみたりとグループの仲良しのノリが学生っぽくていいね。この乙女部になぜか?いる乙男。神無月くん。そして親友の遥香。いい仲間がいるじゃないか~私は既婚者だから入れないけど、「赤毛のアン」は1巻以上読んでて大好きです。 |
★ 「好き、だからこそ Portraits in Passion」小手鞠るい(新潮社)(2008.3.13読了) |
風子が愛したのはゴンちゃんこと大岸豪介。彼女はまっすぐに純粋にゴンちゃんを愛したのだと思う。でも思いもかけない形で二人は別れてしまう。 そしてその後・・・何だろう。愛ってもしかしたら許すことなのかも。 連作短編になっているので、最後がああいう形で終わることにふ~んと思ってしまったが。これはこれで一つの愛の形なんだろうな。 |
★ 「ブラバン」津原泰水(バジリコ)(2008.3.13読了) |
1980年代、音楽に熱をあげていた高校生。ブラバンのメンバーの過去と現在が対比で書かれている。正直言って、人物の数が多すぎてよくわからない。 人物紹介を見ながら読みすすんでいくが、途中でわからなくなり諦める。 主人公以外はよくわからない・・・という結果になりました。ブラバンやってた人とかその時代の音楽をこよなく愛した人にはよいのではないだろうか。 |
★ 「ふじこさん」大島真寿美(講談社)(2008.3.21読了) |
「ふじこさん」「夕暮れカメラ」「春の手品師」の3編。「ふじこさん」が一番よかったな。両親は離婚調停中で別居。主人公のリサは母と母の実家で暮らしている。いつも息苦しくて気が休まらない日々を送っていたが、ある日、父のマンションへいくとそこには見知らぬ女性が。その女性が「ふじこさん」。 彼女は変わった人のように書かれているけど、私にはそんな風には思えなかったな。彼女との交流を通してリサは疲れた心が少しずつ元気になっていったと思うし。 |
★ 「立派になりましたか? 」大道珠貴(双葉社)(2008.3.25読了) |
「名前が書ければ合格」の高校の中でもさらに落ちこぼれを集めたトッキュウ(特別学級)から巣立った生徒たちのその後を描いた話。卒業後26年たって44歳。世間的にいえば中年ですが。老いた母親と暮らしていて今も独身の木ノ下はじめや万引きGメンをしている田中川瞳、男を求め続け、3人も子供を産み、未婚の母になったが、その3人とも亡くしてしまった井上真代、山小屋に暮らしている金山岩男などなどそして締めくくりはおばさんなんだかおじさんなんだかよくわからない先生の目加田力先生。彼らにもそれぞれいろんな人生があり、その生きざまがとてもうまく描かれていて面白かった。 |
★ 「スワンソング」大崎善生(角川書店)(2008.3.26読了) |
情報誌の編集者の僕は、同僚の由香と交際して3年。結婚も考える中だったと思う。しかし、同じ職場にアシスタントとして入社してきた由布子への恋心。 僕は由布子との付き合いを選ぶのだが、そこからが地獄の日々の始まりだった。由香から由布子への執拗な嫌がらせ、しだいに由布子は心を閉ざし、壊れていく。そして由香も・・・二人の女性の心と体が壊れていく中、主人公の僕はきっとものすごく苦しんでもがいたんだと思う。最後まで息苦しくて、悲しくて、空しくて、何ともいえない感じだった。途中でやめることができないまま、一気に読んでしまった。私の心も哀しみでいっぱいになった。苦しかった日々はそれでも幸せだったんだろうか・・・ |
★ 「目覚めよと彼の呼ぶ声がする」石田衣良(文芸春秋)(2008.3.26読了) |
恋愛に趣味に生活にいろんなことを書いたエッセイ集。この人はすごい。何がって・・・一体、いつこれだけの仕事をこなしているんだろう?ということ。 TVのコメンテーターで出ていたり、あちこちの雑誌などのメディアにエッセイが載っていたり、もちろん、小説も書いている。一体、いつ書いて、いつ寝て、いつ家族と触れ合っているのだろう?もしかしたら超人なんじゃないだろうか・・・と思わせるくらいすごい。だからいつも注目してしまう。きっとこれからもこの人のいろんなメッセージを読んでふむふむとうなずくんだろうな。 |
★ 「リリイの篭」豊島ミホ(講談社)(2008.3.27読了) |
女子高を舞台にした7編の連作短編集。高校生、卒業生、教師、登場人物たちがそれぞれの話にリンクしているのが面白かった。女の子同士の感情というのものはとても難しいもの。そんな微妙な感情がとてもよく描けていていつも驚かされます。 |