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2008年の読了本(5月)

2008年の読了本

*5月*
「静かな爆弾」吉田修一(中央公論新社)(2008.5.7読了)
テレビ局に勤める俊平と神宮外苑で出会った耳の不自由な響子との恋愛小説。 ドキュメンタリー番組を作っていた俊平だが、バラエティーの部署に異動させられた。同僚がアフガニスタンの大仏爆破の映像を入手したため、それを番組にするためにひそかに取材を始める。この俊平とは反対に響子は静かな世界だ。もちろん、耳が不自由なので無音ということもあるけど。どこかなぞめいていて、でも俊平にとっては安らぎの場所である響子。社会的な問題と恋愛とがうまく絡んだ小説だと思う。
「博士の本棚」小川洋子(新潮社)(2008.5.8読了)
雑誌や本などに発表してきた書評やエッセイの数々をまとめた本。子どものころからやはり文学少女でしたか。そのまま、大学行って、作家になったって感じでしょうかね。アンネ・フランクについてのことや息子さんとキャッチボールのこと、愛犬のラブのこと、どれも素敵なお話ですね。
「フラミンゴの家」伊藤たかみ(文芸春秋)(2008.5.20読了)
正人は東京で翔子と結婚して晶という娘がいる。離婚し、今は関西の田舎に住んでいる。そして翔子から晶を一時預かることになるが、翔子はガンに侵されていてやがて死んでしまう。正人と晶が親子関係を築いていくところと地方の町の寂れたような懐かしいような情景が読みどころでしょうか。もちろん、母親を失う、元妻を失うという喪失感も存分にありますが。家族って何なんでしょうね。子どもの視点、大人の視点によって感じ方も違うでしょうし。
「夜明けの縁をさ迷う人々」小川洋子(角川書店)(2008.5.20読了)
この短編集は今までの小川洋子氏の小説からいうと異端かもしれない。 どれも奇妙で哀しくてどこか不思議で・・・どの話がどう・・・っていう個々の感想がうまく書けないけど、こういうのも私的には有りだな。
「本を読むわたし My Book Report 」華恵(筑摩書房)(2008.5.21読了)
4歳から14歳までの本にまつわる思い出を綴ったエッセイ。中学生・・・と聞いて侮っていたが、びっくり。文章がうまい。本との出会いやその本の思い出をとっても素直な素敵な文章で綴っている。これからがとても楽しみな感じがします。
「案外、買い物好き」村上龍(幻冬舎)(2008.5.21読了)
龍さんはシャツが好き。本当ですね。一体、何枚のシャツがあるのでしょうか?そんなにシャツを買わなくても・・・と思うが、好きなものは枚数に関係なく手にとってしまうのでしょうね。


mitu n



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