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4頭の軍用犬から始める戦争の歴史。 ※ ※ ※まさか犬がこんなにワンさか登場するとは思ってもみなかったので、頭の中こんがらがってきました。犬の系譜図を作って読めばよかった。文庫本にはついているんだって。内容を一言でまとめるのが難しいです。ジャンルも何になるのかしらね。読む人を選びます。歴史や戦争が好きな人向きです。私は犬以外の話だと面白くないことが多くてさらっと流してました。話が壮大になり過ぎて、主題がぼやけたかも。
December 6, 2011
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星野は「あのバス」に乗ってどこかへ連れていかれるので、付き合っていた女性たちに別れを告げにいく。 ※ ※ ※テレビはほとんど見ないのでタレントの名前には疎いけれど、繭美はどうしてもマツコをイメージしてしまうわ。何だか下品で読むのが辛いかもって思ったけど、うん、読み進めるうちにマツコにも慣れてくるものね。性格が読めてくるようになったきました。女の敵であるはずの星野くんもなぜか憎めないんだよね。女性の趣味は見事にバラバラね。いい人ばかりじゃない。よくわからないけど、勿体無いことね。謎が解決されていないのは、読者があれこれ想像してくださいってことよね。読後感は温かいです。
December 4, 2011
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平野瑞穂巡査が主人公の連作短編集。「魔女狩り」「決別の春」「疑惑のデッサン」「共犯者」「心の銃口」 ※ ※ ※単行本は今までの黒っぽい装丁じゃなかったので、おや? それもそのはず。「陰の季節」に登場した平野瑞穂がまた登場しているって聞いたけど、全部主人公だったんだ。心に深い傷を負ったから気になっていたのです。真っ直ぐな性格だからねえ。まるで娘を心配する母の心境です。男性作家が女性を描くと違和感を感じることもありますが、概ね大丈夫でした。あ、ひとりだけ、いくらなんでもこんな女性いないでしょうっていうのがありました。小説の世界だから? 都会には存在する? 極端過ぎて、どうもねえ。女性だから気がついて解決できた事件もあって、著者はよく研究したなと思いました。立ち直れたようでもう大丈夫みたい。平野巡査に敬礼!
December 2, 2011
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昨夜PCが突然「インターネットエクスプロラーでは表示できません」となってしまいました。ちょこちょこっと試してみましたが直らなかったのでとりあえず就寝。一晩たったら直ってるかもと期待しましたが、そうは問屋が卸さず。単身赴任の夫が今度帰ってくるのは3週間後。それまでPCが使えないのは困るわ。「これをやってみてダメなら、プロバイダに連絡してください」と書いてあるから、やっぱり電話か。すごく嫌。緊張する。上手く説明できるか不安だし、相手の言っていることが理解できるのかしら。電話しようとしたら、相談していたお師匠さんからメールが来て、「連絡するのはNTT西日本です」あら? そうなの?それでも緊張度は変わりませんが、えい! と電話かけたら、機械の声が「○の方は1番、○の方は2番、○の方は3番を押してください」えー! 私の用件はどれになるの?「もう一度聞きたい方は○番を」それにしようと押したら、人間に繋がったので、焦りを抑えてかくかくしかじかでと説明しました。固定電話が繋がっているかどうか調べるので、受話器を上げてほしいということで、実行してみると、あら、電話も通じてないじゃない。調査のため一旦切って、10分後くらいに折り返しがありました。元から通じていなくて、今、2時なので4時までには修理の人が来てくれるとのこと。で、結局、3つあるうちのアダプターが故障していて、レンタルなので無料で交換となりました。ああ、よかった。何とか困難を乗り越えることができました。
December 1, 2011
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著者が飼っていたネコとイヌのエッセイ。 ※ ※ ※図書館で単行本を借りてきたら、表紙にネコとイヌの写真が載っているじゃありませんか。ネコを飼うことになった話は読んだけど、イヌまで飼っていたとは知りませんでした。私は飼ったことはないけどイヌもネコも好き。今まで色んな人のペットの話を見聞しましたが、多頭飼いの話は初めてだったので、とても新鮮で面白かったです。ネコの無理・道理・ターニャ・ソーニャ、イヌのゲン――個性豊かだねえ。著者の周りの人もユニークな人が多いですけどね。恩師「早くヒトのオスを飼いなさい、ヒトのオスを!!」通訳のパートナー「遠いハスキー犬より、近くの駄犬よ」「ネズミからゾウまで」というキャッチコピーの動物病院。ネコ語をしゃべれる全ロシア愛猫家協会会長。イヌやネコの好きな人におすすめします。
November 30, 2011
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静子は75歳。どこへだって行ける。フィットネスクラブでばしゃばしゃ泳ぐし、青年ともビールを飲む。 ※ ※ ※な、なんてかわいいおばあちゃんなの!淡々とした日常生活だけれど、何かあると人知れず静かに行動して丸く収めます。お茶目です。家族や周りの人も知らないうちに幸せになっています。色々とあったご主人に先立たれた今だからこそ、自由に羽ばたけるってこともあるのでしょうね。私も静子さんみたいなかわいいおばあちゃんになりたいです。
November 29, 2011
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思いっきり安楽椅子探偵だ。食傷気味ですが、「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」なんて言う執事は初めてだから許してあげよう。一度訪れたことのある国立市が舞台だったのでうれしかったな。小説ってほとんど関東が舞台なんだもん。何処にあるかわからないし、読み方さえわからないことが多いわ。本屋大賞受賞作ということで、図書館に予約を入れて長いこと待っていたけれど、酷評されていたため期待値を下げて読みました。そうじゃなかったら、怒り心頭だったかも。短編だったけど、それはちょっとというものもあれば、書き方さえ変えれば、本格ミステリーに化けるだろうものもありました。
November 28, 2011
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「片葉の芦」「送り提灯」「置いてけ堀」「落ち葉なしの椎」「馬鹿囃子」「足洗い屋敷」「消えずの行灯」の本所七不思議をテーマにした7編からなる連作短編集。 ※ ※ ※宮部さんの時代物を読むのは初めてです。本格的過ぎたら、無理かも。ドキドキしたけど、時代物初心者でも大丈夫でした。ちょうどこの前読んだ畠中恵さんの小説に、「置いてけ堀」が出てきたので本所七不思議のことを調べたのですよ。「置いてけ堀」くらいしか聞いたことないです。番町皿屋敷は違うのね。文章も構成も人情の機微もバッチリ。読みやすかったわ。さすが宮部さんだな。お店のHPによると、宮部さんは、人形焼の山田家さんの包装紙をモチーフにこの作品を書いたそうです。美味しそうな人形焼。食べたいなあ。
November 26, 2011
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8人が集う山荘に、逃走中の銀行強盗犯が逃げ込んできた。そこで殺人事件が起きる。7人の中に犯人がいる? ※ ※ ※犯人は一体誰かしら?こんな状況で犯行に及ぶのも不思議なんだけど、一番怪しくない人が犯人よね。うーん、わからない。二人でグルになっているっていうのはどう?ラストは大どんでん返し。こんなの初めて。びっくりしたな、もう。アンフェアだとか後味が悪いと意見があったけど、私はただただ唖然としました。そこまでするなんて、まあまあまあ! タイトルの仮面には二つの意味がありました。
November 23, 2011
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関西最大の都市・浪速で新型インフルエンザ「キャメル」が 発生した。 ※ ※ ※お、可笑しい! 強烈な風刺。ああ、こんなこともあった。そんなこともあった。ククククク。新型インフルエンザで大騒ぎしたときのことを思い出すわ。マスコミが煽って、罹ったら死ぬようなイメージを持ったわよ。結局は季節性インフルエンザと変わらなかったのよね。国家の思惑が絡んできて、話がどんどん大きくなるではありませんか。で、結局最後はいつものそれですか?(笑)ぶれないっちゃあ、ぶれないんですけどね。インフルエンザで引っ張ってくれた方が面白かっただろうな。
November 22, 2011
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イギリス文化って精神的な豊かさがあっていいなあ。日本では無理なことも書いてあったけど、取り入れられるところだけ取り入れたらいいのよ。スコットランド西域の島々を巡る「トレジャー・アイランド」というクルーズの旅が紹介されていました。 『夜寝ている間に次の島に到着するという効率的な時間の使い方で、部屋が変わらないから、荷物を一度運び込めば終わり』いいわねえ、これ。年を取ると、益々体力がなくなるから、楽ちんな旅がいいわ。豪に海外旅行したとき、搭乗前の検査が厳しくなって夜中の3時に移動したことあるわよ。スケジュール表には早朝って書いてあったけど、違う。絶対夜中だ。もうそういうのはごめんだわ。『生姜には免疫力を高める作用がある』へ~え、そうなんだ。刺激物は苦手で、何かに生姜をつけて食べるのは無理なので、紅茶にチューブ入りの生姜を入れてみました。うん、大丈夫飲める。体がほかほかする。ダイエットにもよさそう。
November 21, 2011
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部活が一週間休みだということで娘が金曜日の夜に帰ってきました。アウトレットモールであるジャズドリームに行くと約束してあったので、夫と3人で出かけました。息子はテスト期間中だったので、行けませんでした。ごめんね、あなたの好きなモンブラン買ってくるよ。娘にはシャツ・スカート・バッグ・手袋(原付運転用)を買ってあげました。友達に赤が似合わないって言われたそうだけど大丈夫。一口に赤と言っても、色々あるわ。このスカートは落ち着いた赤だから、これだったらシックでいい感じよ。手袋が一番高かった。アウトドアのお店みたい。私には縁のない世界。釣竿があって、朝顔の支柱とかにも使えそうと何気なく値段を見たら、ギャー。すごーく高かった。園芸に使うのは勿体ないです。私はかろうじてタンクトップを1枚買いました。よさげなニットワンピースがあったけど、娘にNG出されたのでやめました。お昼は2階のナガシマキッチンという名のフードコートへ。席は奥の方で何とか確保。何だか今日のジャズドリームはいつもより人が多いです。結構並んでいるところもあるから、この際何を食べるじゃなくて、どのお店がすいているかです。新しく入った四日市とんてきだと、まだ誰も並んでいなかったので、そこにしました。呼び出し装置をもらって、席で出来上がるのを待っていたけど、結構時間がかかりました。でも美味しかったわ。休憩時のお茶はカフェタナカでケーキセット。娘はまだお腹すいてないと言っていたのに、鉄板スパゲティも頼みました。若いわね。至れり尽くせりだったから、「帰りたくない」と言っていました。アハハ。実家にいたら、何でも買ってもらえるし、美味しいものも食べられるしね。でも自分の夢をつかむために、大学で専門的なことを学ばなくっちゃね。夜、帰る娘を徒歩で駅まで送っていくとき、本当にすごい風。向かい風で、かよわい私はヒエーと一時歩けなかった。台風並みだわさ。よそから越してきた人が、ここは風が強いって言ってたわ。私は県外に住んだことがないのでよくわかりませんけど。こんど会えるのは、年末だね。バイチャ、バイチャ。帰るときは風は止んでいました。追い風で歩くのらっく楽~とはいかなかった。あの強風は一体何だったんだろう?
November 20, 2011
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「まんまこと」シリーズ第3弾。「おさかなばなし」「お江戸の一番」「御身の名は」「おとこだて」「鬼神のお告げ」「こいわすれ」の6編からなる連作短編集。 ※ ※ ※「おさかなばなし」…江戸七不思議のひとつ、置いてけ堀「お江戸の一番」…書画と狂歌の対決「御身の名は」…待ち合わせ場所に行ってみるが待ちぼうけ「おとこだて」…武家の妻女をたぶらかして金をとるという事件を調べる「鬼神のお告げ」…庚申待の夜に寝ると、三尸の虫という鬼神が人の身の内から逃げる「こいわすれ」…江戸暦が引き起こした揉め事やられた。畠中さん、またもやラストは切ない系。悲しみが大きすぎると泣けないから、まずは泣けるようになってホッ。ようやく自分の道を歩んでいけるかと思ったのに、どうなるんだろう。
November 17, 2011
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村内先生は中学校の国語の臨時教師。吃音でうまくしゃべれないから、「たいせつ」なことしか言わない。「ハンカチ 」「ひむりーる独唱」「おまもり」「青い鳥」「静かな楽隊 」「拝啓ねずみ大王さま」「進路は北へ」「カッコウの卵」の8編からなる短編集。 ※ ※ ※心に傷を持った子が出てくるけど、読後感はいい。中学校時代は本当に楽しくなかったから、私も村内先生のような人に出会いたかったわ。そうしたらもっと人生違っただろうな。学校は勉強を教えるところだっていうけど、生きる上で大事なことを教えることも必要だと思うよ。村内先生は生徒の心に寄り添うために、色々な学校を回ります。「ひとりぼっちじゃないよ」と伝えるために。そして「間に合ってよかった」と言います。この本はバスとか電車とか人前で読みませぬように。
November 13, 2011
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これからはガーデニングを楽しもうっと。腕を故障しているので、大層なことはできませんけど。あまり鉢の量を増やすと水やりや台風前の取り込みが大変になるし、洗濯物を干すときに邪魔になります。今、バルコニーにあるのは寄せ植えが1鉢。お店のおまかせというのをネットショッピングしました。色は選べるので赤系統にしたら、「チェリーセージー・デージー・ガーベラ・ミニバラ・プミラ・プテリス」が約27センチのテラコッタに植えられて届きました。自分でお店に行くと、優柔不断になって決められず、買えずにすごすご帰ってくるから、ネットで買ってよかったわ。それから蚊避けのために買った蚊恋草というゼラニウムが2鉢。効果はどうだろう。ないよりはましかと……。今日は寄せ植えの鉢から枯れたデージーとプミラを抜いて、新たにガーデンシクラメンとビオラを植えました。この前薄いピンクのシクラメンの鉢を買ってダインングテーブルの上に飾ったので、寄せ植えには濃いピンクをチョイスしました。ビオラはサントリーの花ざかりビオラのホワイトです。初めて存在を知ったけど、花が沢山咲くって書いてあったので決定。二つ植えてみると、なかなかいい感じ。写真は貼り方を忘れたので、アップできません。想像できるように文章力を磨きます。アハハ。笑ってごまかそう……。
November 12, 2011
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「動機」「逆転の夏」「ネタ元」「密室の人」の4編からなる短編集。 ※ ※ ※警察物の横山というイメージがありましたが、表題作以外は違いました。主人公は元服役囚・記者・裁判官と様々です。どれも完成度が高いです。一番よかったものを選ぶとしたら「動機」です。エゴのドロドロしたものを想像していたら……。落としどころがお見事!
November 12, 2011
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雑誌記者の高坂昭吾は、嵐の晩に自転車がパンクして困っている少年を助けた。彼には超能力があるという。 ※ ※ ※主人公が超能力を疑っているので、読者である私は肯定派か否定派か日和見派か、どういった立ち位置で読めばいいのか戸惑いました。超能力は嫌いではないので、現実離れし過ぎない程度に取り入れ、積極的に楽しんで読みたかったです。少年の描き方には定評のある宮部さんですが、本作に登場した少年二人には、あまり感情移入できませんでした。苦悩を背負っているし、二人の超能力に対する考え方が正反対だったからかもしれません。もう少し内面を描いてほしかったです。宮部さんの作品にしては珍しく私には合いませんでした。
November 11, 2011
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著者の伯母をモデルに描いた女の一代記。 ※ ※ ※姫野カオルコさんは初めて読みます。大正生まれの持丸遙はモダンガール。一流ホテルのラウンジでコーヒーを飲む姿が格好いい。いかにしてこうなったのか、わくわくしながら読みました。女学生の頃はさぞかしおきゃんな子かと思いきや、普通よね。むしろ恋文を親友に届ける役柄。お見合い結婚で妻となり母となったけれど、決して自由奔放に生きたわけでもない。中産階級の普通の女性の生き方。戦時中を描くと、どうしても暗くジメジメした重いものになるけれど、本作からはそういった悲壮感は感じられず新鮮でした。でも50代で終わっているので、あれ? もう終わり? といった中途半端な感は否めません。夫婦の形も不思議です。結婚したばかりの頃は優しくて魅力的な旦那さんだと思ったけれど、段々しょうもない男に成り下がったような……。ハルカが幸せだからいいけどね。私も格好いいおばあちゃんを目指そうっと。
November 10, 2011
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京都の大学から能登半島の海辺にある実験所に飛ばされた大学院生の守田一郎は、「文通武者修行」と称して手紙を書きまくる。 ※ ※ ※How to 本みたいなタイトルですが、書簡体小説です。平成の世の中に、こんな古風な文体で恋文はおろか手紙を書く若者っているのだろうか?あーそこ、突っ込んじゃダメ。でもちょっと飽きてきたかもって思ったけど、二人目に出した手紙を読んでみると、ある出来事を違う角度から見ていたりして、ふむふむ。出す相手によって、書き分けているのが見事だわ。返信は載っていなくて、往信だけで事態の推移がわかるっていうのもなかなかのものです。家庭教師をしていた教え子宛の手紙が可笑しいわ。それにしても一番手紙を出したい相手にはうまく書けないのよね。恋文って難しいよね。
November 7, 2011
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中学1年生の海月(みづき)は、幼馴染に誘われて「飛行クラブ」に入部した。メンバーは、個性的な人ばかり。果たして、空を飛ぶことができるのか。 ※ ※ ※作風が今までと違って明るいわ。それもそのはず、あとがきに「底抜けに明るい、青春物語が書きたくなりました」なるほどね、このご時世ですものね。おかげさまでスカッとした気分になれました。「空を飛びたい飛びたい」と言っているだけでは飛べないんです。実行に移さなきゃ。でも中学生だから、お金もないし、できることが限られるというジレンマ。それでも頑張る海月は健気で応援していました。海月のママもいい味出していたわ。私も子どもの母だから、母親が少しでも活躍する話って無性にうれしくなるのよ。
November 3, 2011
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「小さな故意の物語」「闇の中の二人」「 踊り子」「エンドレス・ナイト」「 白い凶器」「さよならコーチ」「 犯人のいない殺人の夜 」の7編からなる短編集。 ※ ※ ※一編読み終わる度に切なくなりました。後味が悪いとは思いませんけど。確かに犯人はいませんねえ。表題作は一度読んだだけではトリックが理解できず、もう一度読み直しました。全てに意外な結末が用意されていました。やっぱ東野さんはすごいなあ。
November 2, 2011
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小説宝石に連載された妄想エッセイ集。 ※ ※ ※お得意の妄想が入り込んでいるので、どこまでが現実でどこまでが妄想なのかよくわからない摩訶不思議なエッセイでした。美女が好きな人は古今東西多いけれど、竹林がここまで好きな人っていうのは初めてです。美女と竹林は等価交換の関係にあるんですって。よくぞここまで話を膨らませましたね。モリミーの小説を読んでから読むことをおすすめします。しかし、竹林への愛は深いけれど、結局本人が刈ったのはほんのわずか。私も力の要る竹刈りはまっぴらごめんだけれど、かぐや姫がいるんだったら、息子のお嫁さん探しのために将来頑張ってもいいかも。求む、かぐや姫のいる竹。
November 1, 2011
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高校2年生の由紀夫はごく普通の男の子。普通じゃないのはお父さんが4人いるということ。 ※ ※ ※子どもひとりにお父さん4人。この設定、私はすぐに受け入れられました。ミュージカルの「マンマ・ミーア」を観ましたから。そこにひとり増えたバージョンですもの。アハハ。こんなに沢山の男性の心をつかんだ女性なら、さぞかし魅力的な人なのでしょう。でもほんの少ししか登場していないし、普通の人というか、むしろユニークな人とお見受けしましたけど?ピンチのときに助けにきてくれるお父さんっていいなあ。由紀夫は得意分野がそれぞれ違う4人のお父さんが助けにきてくれるから心強いよね。うらやましい。ささいなことが伏線になっていて、ラストで回収。いつもながら鮮やかなお手並み。苦手な理屈っぽさながなくてよかった。
October 29, 2011
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なぜ男は毎週土曜日になると本屋に現れ、五十円玉二十枚を千円札に両替するのか。若竹七海が大学生のとき体験した奇妙な出来事を、推理作家の集まりで話したところ、その当時の東京創元社の編集者・戸川安宣から、そのテーマで競作するという提案がなされた。 ※ ※ ※この本も北村薫さんの「ニッポン硬貨の謎」を読むための予習です。私も謎に挑戦してみたけどさっぱりでした。難しいわあ。普通五十円玉なんて一週間に二十枚も貯まらないしね。プロとアマの作品を読みましたが、ビビビときたものはなかったわねえ。一般公募した作品の選考の様子の方が興味深かったです。優秀賞に選ばれた矢多真沙香さんの作品が一番好みでした。
October 25, 2011
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山道を車で走行中、クイーン親子は山火事に巻き込まれ、山頂の屋敷にたどり着いた。翌日殺人事件が起き、被害者はトランプのカードをにぎりしめていた。 ※ ※ ※私が海外ミステリーを読むなんて珍しいでしょ?北村薫さんの「ニッポン硬貨の謎」を半分読んだところで、エラリー・クイーンを読んで予習しないと無理だと悟ったからです。「シャム双子の謎」は訳が私には合わなかったわ。こなれた日本語ではないし、図書館で借りたら昔の文庫で字が細かいし、修行のようでした。親子の会話がどうしてこんなに芝居がかっているんだろう?舞台はいわゆる「嵐の山荘」と言われる閉ざされた空間で、カードの謎説きも地味でした。山火事の描写だけは鬼気迫る様子が出ていて上手いなあと感じました。EQの他の作品ねえ、うーん、もう読まないかも。
October 21, 2011
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「ビストロ・コウタ」シリーズ第2弾。ビストロを営む柴山幸太は新しいデザートの開発を目指していたが、食中毒事件に巻き込まれることになった。 ※ ※ ※プロローグは不気味だったけれどすぐに忘れて、それはそれは美味しそうなデザートの描写に、無償にケーキが食べたくなり、読むのが苦しい。買いに行こうか、どうしようか。一番のお気に入りのお店は合併して市内になったところにあります。片道30分はね~と結局やめました。次の日、買い物先で偶然パリ・ブレストを見つけ、置いてあるお店はあまり見たことがなかったので買いました。美味しかったわ。前作の課題だったミステリー部分は大分レベルが上がっていました。でももう少し構成がすっきりするといいな。デザートが好きな人だったら、読んでみてもいいかも。へーそうだったのかという薀蓄が楽しめます。ダイエット中の人には危険ですわ。
October 13, 2011
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著者は小4から中2まで、プラハのソビエト学校に通っていた。その頃の同級生3人――ギリシャ人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカを捜し出して会いに行く話。 ※ ※ ※いつもの爆笑エッセイではなく、ほろ苦さを感じるノン・フィクション。子どもにはどうすることもできない時代の波に、少しずつ飲まれていく様子が苦しかったです。30年振りに級友に会いに行くと、子どもの頃にはわからなかった真実に遭遇しました。1960年代にプラハのソビエト学校に通っていた米原さんでなければ書けなかった作品です。
October 12, 2011
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失踪した女子高生を探すカウンセラー。目が覚めたら記憶を失っていたので、自分たちが何者なのかを調べる男女二人。二つの追跡がやがて交錯したとき、過去の事件と向き合うことになる。 ※ ※ ※面白いと聞いて期待しましたが、冗長すぎてちょうど半分読んだところで、いい加減にしてくれー。心の叫びが効いたのか、やっと物語が動き始めました。手がかりが全くつかめず、時間ばかりすぎていくって嫌よね。私だったらもう少しうまく立ち回れるかも? えへ。どこの誰かもわからないから主人公に感情移入ができないというのも大きいわ。後半はどんでん返しが続きました。だからと言って、引き込まれて夢中になって面白かったというわけでもないです。前半散々じらされて、後半ジェットコースターになってもね。初期の頃の作品だからか、今ひとつこなれていないわ。文体はかっちりしてきました。おしゃまな女の子は、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」に出てきた子と雰囲気似てるなあ。
October 10, 2011
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「しゃばけ」シリーズ第10弾。「こいしくて」 長崎屋のある通町に恋の病が流行っている。 「やなりいなり」 海苔でやなりの顔が描かれたいなり寿司を食べていたら… 「からかみなり」 若だんなの父・藤兵衛が3日も帰ってこない。「長崎屋のたまご」 空から落ちてきた不思議な玉は何だろう?「あましょう」 若だんなが栄吉の修行先のお店にお菓子を買いに行くと… ※ ※ ※無難にいつものパターンで纏めてありました。やなりのキャラで読んだという感じです。やなりのおいなりさん、食べたーい。いつになく長崎屋には沢山の妖が現れたけれど、だからといってものすごく面白い話になるというわけではないのですね。若だんなの安楽椅子探偵振りも「ブルータス、おまえもか」話をほんの少し聞いただけで、事件の真相を推理する探偵が巷には多いので、染まらないでほしいわ。全話にレシピがついています。私はカラー写真がついていないと、やる気の炎が芽生えないので作りませんけど(笑)「用心するもの」という注意事項がついているのがミソです。やなりキッチンタイマー、スペックに問題がありそうな……。最近、このシリーズの最終話は切ない系が多いわね。あははははと笑ってページを閉じたいんだけどな。
October 7, 2011
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ロケット開発の技術者だった佃は責任を取って職場を辞め、父親が創業した精密機械の製造工場の跡を継いだ。ある日、大手企業に理不尽な言いがかりをつけられ、存続の危機に。 ※ ※ ※ロケットを飛ばす話でしょう?私は文系で理系のことはどうも……。難しい方程式とか出てきたら、どうしましょう。心配したけどメインは企業小説でした。佃の生き方やポリシー好きだな。夢を追いかけてなぜ悪い?日本という国は物作りで発展してきたんじゃない。読み終わってから表紙を見ると、飛んでるよ。ロケットが。下町から発射されたように見えるわ。あながち間違いではない言い方だけどね。部品ひとつ上手くいかないだけで、飛ばないんだな。勧善懲悪のスカっとした話で痛快。ハートが熱くなりました。
October 4, 2011
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父が危篤状態となり、郷里へ帰った。母から父が書いたものだと原稿用紙を渡され、事実か創作かわからないまま読み始めた。 ※ ※ ※文章読本のようなタイトルですが小説です。「死様(しにざま)」をテーマに6人の作家が競作で1冊ずつ本を出しました。テーマが重くて読むのを躊躇しましたが、読後感はよかったです。仲が悪いわけではないけれど、父と何を話せばいいのか戸惑ったままいい年になってしまった息子が、父親を理解する。いいですね。私は女性なので、父と息子という関係に憧れがあります。死様を考えるってことは、生き方を考えることかもしれないわねえ。
October 3, 2011
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5年生のシンは、父親の転勤で東京から九州へ引っ越すことになった。社宅なので友達もすぐにできたが、ここには何か秘密が隠されているような気がする。 ※ ※ ※読み終わってから知ったのですが、ミステリーランド版とノベルス版とあるそうです。私が図書館から借りたのは前者の方です。どうりでカラーのイラスト入りで、紙の角が丸くなっていると思った。また九州弁?奇遇ね。ついこの前も違う作家さんの小説に出てきたのよ。それとはちょっと違うみたい。大阪弁も地域によって違うと聞いたので、九州弁もきっと色々あるんだろうな。子どもたちがいきいきと描かれていました。大人は添え物程度。子どもは親や先生たちには秘密の世界を持っています。自分もそうだったわ。子どもには子どもの世界があるのよ。中盤で秘密のひとつがわかったとき、えー!それはいくらなんでも……。でも読み進めていくうちに馴染んで、大人社会に対する問題提起かもしれないと思えてきました。日常の謎が解けたとき、じわーっと心が温かくなりました。急になくなった大切な宝物――あれは夢だったの?風に吹かれてさまよっていた不安な気持ちが、5年振りにふんわりと着地しました。後書きによると、加納さんは、子どもの頃は内弁慶で引っ込み思案な性格だったそうです。あら、私もそうだったのよ。「世界は金魚鉢みたいにせまく、もやもやとした藻のような不安にみちていました」そんな風に的確に表現できるなんて凄いです。
October 2, 2011
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「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」の4編からなる短編集。 ※ ※ ※人間のエゴって醜いわ。暗いドロドロした話は気分じゃないんだけど……あれれ? 肩透かしを食らいました。警察小説だと思って読んだら、警察内部小説でした。変わってるわね。派手な事件が起こるのではないのですが、地味だけど面白かったです。心理描写が絶妙。
October 1, 2011
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イタリア語通訳の大横綱・田丸公美子さんには「シモネッタ・ドッジ」、スペイン語通訳の大御所・横田佐知子さんには「ガセネッタ・ダジャーレ」という栄えある屋号・芸名を捧げます。 ※ ※ ※色々な雑誌や新聞に発表された短いエッセイをまとめたものです。「イタリア男性の口説き文句=京のぶぶづけ」説って、な~るほど。「おぶづけでもどうどす。食べていきよす」=「もう遅いから帰ってください」「ああ、こんな絶世の美女、生まれて初めてだ」=身持ちの固いイタリア女性には「やあ、こんにちは」ダジャレや慣用句は通訳者泣かせという話にククククク。まあ一度騙されたと思って読んでみて。
September 30, 2011
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「モノレールねこ」「パズルの中の犬」「マイ・フーリッシュ・アンクル」「シンデレラのお城」「セイムタイム・ネクストイヤー」「ちょうちょう」「ポトスの樹」「バルタン最期の日」の8編からなる短編集。 ※ ※ ※表紙の絵を見て、何て不細工な猫なんだろうと思いながら、ページを捲るとまさにその表現が。アハハハハ。「死」が出てきて暗い話? 重い話? とどきっとしたけれど、基本ハッピーエンドなので大丈夫でした。温かくてほんわかした気持ちになれました。生きていくってブルーになったり悩んだりすることも多いから、せめて本を読んで優しさに包まれたいの。加納さんは人生の苦味も書ける力量のある方なので、余裕を持って優しさを描けるのです。「モノレールねこ」「セイムタイム・ネクストイヤー」「バルタン最期の日」がよかったなあ。でも一番よかったのは「バルタン最期の日」です。状況証拠から行動を理解してもらえてよかった。ホロリとしました。何回読んでもええ話やわ。
September 28, 2011
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神戸でフレンチのビストロを営む柴山幸太は結婚披露宴で、有名な料理評論家・中島と知り合いになった。一方、翌日、神戸ポートタワーで男性の刺殺死体が発見された。 ※ ※ ※第6回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作ということだし、パンダのイラストがかわいかったので読んでみることにしました。 表紙はウエイターがパンダの乗ったお皿をテーブルに差し出し、左手で蓋を取っています。裏表紙もいっしょに広げると、おっちゃんがナイフとフォークを持って、舌なめずり。…パンダを食べる話? この銀色のボールのようなお皿の蓋はマンガの中でしか見たことがないけれど、何て名前かしら?調べてみると「クロッシュ」でした。著者は1973年生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、神戸のフランス料理店に就職。その後様々な飲食業店に従事。シェフなんだ。だから料理の描写がすごい! それはそれは美味しそうなフランス料理の描写で、料理小説なのね。あー食べたい食べたい食べたい。ワインを飲む描写もたまりません。昼間は飲まない主義なので、我慢しながら読んでいました。パンダ云々は理屈っぽくてどうも……。タイトルにもなっているし、伏線になっているのでしょう。ミステリーの部分はまあ普通。特に目新しいものはありませんでした。選評を読むと、ミステリーの部分は酷評されていました。このミスは書き直しを前提とした賞だそうで、ということは大分書き直したようです。読み終わってから、着メロをスピッツの「遥か」にしてみました。スーパーでペリエを買ってきて飲みました。そのときの状況を想像するのによろしいかと。さすがにフランス料理を食べにいくのは予算的に無理です。(小声で)作るのは技術的にもっと無理です。続編出てるの? 知らなかった。図書館で借りてこようっと。「蜜蜂のデザート」内容に残酷な部分があります。現実離れしているので、深く考えずにサラっと読んだし、頭の中がかわいいパンダモードになっていたので、怖いもの・気持ち悪いもの苦手の私が珍しく平気でした。妊婦さんは読まない方がいいです。
September 27, 2011
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高校時代最後の夏。いよいよ決戦! ※ ※ ※ 早苗と香織の対決は意外な結末でした。でもこの高みまできたら、もうどちらが勝つとか負けるとかは問題じゃない。何て楽しそうに戦っていたんだろう。うらやましいな。脇役だった4人の視点での話も入っているので、早苗と香織の話が減って不満という意見が多かったけれど、私は作品に深みが出てよかったと思います。武士道については書き上がっているわけで、もう引っ張れないでしょう。早苗と香織に接する人たちも彼女たちに大きな影響を与えているわけです。その人たちがどういう人生を歩んできたかを知っておいてもよいのでは?どうも好きになれなかった緑子の内面や苦悩を知り、好きになることができました。吉野先生は胡散臭すぎると思っていたけど、いやはや恐れ入りました。高3にとっては進路というのが大きな問題で、これをテーマにしています。娘も続けたいスポーツがあって、それを生かせる大学選びで苦労したので、重ね合わせながら読んでいました。剣道ができなくなる=挫折ではないという著者のメッセージがよかったです。香織も早苗も浮いた話ひとつなく、高校生生活を終えました。下手に恋愛話を織り込まれてもベタになるので嫌だわ。それにしても香織が驚くほど丸くなったなあ。成長を感じてウルウル。武士道シリーズは、なーんて面白かったんだろう。感無量。何だか我が子の成長を見守る母の心境で応援していました。ああ、やっぱりこれはスポーツをやっている娘にも読ませようっと。
September 23, 2011
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早苗は福岡の剣道強豪高に転入したが、東松学園との違いに戸惑うばかり。香織は熱心に後輩の指導に当たっていた。 ※ ※ ※著者は文藝春秋のインタビューでこう語っています。 『武士道シックスティーン』は、今まで自分が書いてきた小説の中で、人が死なない初めての作品だったんです。書いている最中は人が一人も死ななくて本当に面白いのかどうか不安で、とにかく物語を終わらせることに必死で、続編にはまったく頭がいきませんでした。刊行後に担当の方から続編のお話を頂いたのですが、主人公の一人を転校させてしまっていましたし、すぐに書けるかどうか自信がなかったので二年待ってくださいと申し上げたんです。 ――二年を待たず、ちょうど一年後に続編の『武士道セブンティーン』が刊行されています。てっきり三部作を想定して書かれたものだと思っていました。筆力ある人は違いますね。1は面白かったけど2は今いちというパターンがよくあるけど、これは前作を凌ぐ面白さで一層楽しめました。今度は早苗が悩む番か。学校によって、練習方法や方針が違うからね。強豪校だったら、勝利至上主義が多いと思うよ。楽しんで剣道をしてきた早苗とは正反対だよね。香織に支えてほしいけど、でもほら、彼女は剣道バカっていうか、機微に疎いから……。そこは香織の周りにいる人たちが香織の背中を押してね。本作は「武士道とか何か」をテーマとしています。私もさっぱりわからないから早苗と香織といっしょに真理の追究をしていました。
September 22, 2011
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「柔」の早苗と「剛」の香織が中学最後の大会で戦う。この2人が一緒の高校になり、剣道を通じて成長していく姿を描いた青春小説。 ※ ※ ※お師匠さんから勧められて読みました。タイトルから察するに主人公は16才でしょ。10代や20代の子から勧められても、触手を伸ばさなかったかもしれないけれど、年上の男性が言うなら間違いないでしょう。まず、予習。名前の読み方は「ほんだ」著者プロフィールによると「本書は著者初の、人が一人も死なない青春エンターテインメントである」と書かれていました。栞紐が二本もついてる!! それも赤と白。試合で赤と白に分かれてたから、それにちなんでいるようです。凝ってるわ。こんなの初めてです。早苗の章と香織の章で使い分けようとしましたが、面倒になってやめました(笑)面白い!読みやすいけど、そんなに軽くはなく、しっかり書き込んであっていいわ。香織と早苗って正反対の性格よね。足して二で割ったらよかったのに。あはは。作中人物に言われてしまいました。剣道が出てくる小説といえば「鹿男あをによし」と「ひかりの剣」に出会いました。本作は竹刀や面のイラスト入りで名称の説明付きだったので、剣道のことが全くわからない人にも親切です。陸上の投擲種目の小説には未だお目にかかっておらず、自分で書くしかなさそうです。ええと、投げてから地面に落ちるまでに回想シーン挿入です。「どこまで飛んでくんだ」と突っ込みが入りそう。でもキャプテン翼も回想シーンが長くて、ピッチ内を走るシーンがマラソン選手のようでした。だからよしとしよう。「作家の読書道」で誉田さんが言ってたけど、誕生のきっかけは仮面ライダーですって。「面を被って、相手が誰かも分からないまま戦う」作家は発想が違うわねえ。スポーツにしろ何にしろ、壁にぶつかったときに、どうやって乗り越えていくかが大事です。自分ひとりで乗り越えられる者もいれば、周りの人のアドバイスで乗り越えられる者もいます。乗り越えられたとき、ひとまわりもふたまわりも成長しています。香織のお兄ちゃん、地味なポジションだったけど、最後の方でグッジョブ! かっこいい。
September 21, 2011
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著者の就職活動の体験を基に描いたデビュー作。 ※ ※ ※大学生の就職活動というものを経験していないので、ここに書かれていることがどこまで本当なのか戸惑ってしまいます。面接試験に「平服で」というが指定あるの?そう書いてあっても普通スーツで行くと思いますが。それとも個性的な人を求めているとか? 出版社の人がそんなに難しくない漢字を読み間違えるのかしら?可南子と友達は内定をなかなかもらえないのにお気楽すぎるし、家族構成も複雑で、恋人の趣味も渋いので、どうも現実感に欠けました。何だか変わった話でよく理解できませんでした。早川書房の入社試験で、三浦さんの作文を読んだ面接者の編集者は執筆の才があることを見出したそうです。確かに若いのに語彙が豊富だと感じました。
September 16, 2011
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学生時代の宿敵と、刑事と容疑者という形で対決する。彼の妻は初恋の女性だった。 ※ ※ ※レンガ造りの病院というのは、ミステリーによく似合います。何かが起こりそう。サナエの死の謎・美佐子の実家と夫の謎、これらのことが知りたいという欲求に駆られながらぐいぐいと読みました。意外な真相にえっと思いました。それもそのはず。著者はこう述べています。「犯人は誰か、どういうトリックか――手品を駆使したそういう謎もいいけれど、もっと別のタイプの意外性を創造したいと思いました。このようなタイトルをつけたのも、そういう意図のあらわれです。そして今回一番気に入っている意外性は、ラストの一行にあります。だからといって、それを先に読まないで下さいね」
September 14, 2011
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地元に残っている幼馴染のチエミが事件を起して失踪。結婚と同時に都会へ引越したので、疎遠になっていたけど、フリーライターのみずほは事件の真相を求めて奔走する。 ※ ※ ※暗号のようなこのタイトルは何だろう?みなさん、誰もが気になることと存じます。読み始めても全然出てこなくて、そのうちタイトルのことはすっかり忘れてしまいました。ラスト近くになってわかったとき、え! ウルウル。何て深いタイトルなのかしら。そういえば、さりげなく伏線が張ってあったっけ。でもあれでわかる人いるかな。というわけでネタバレになるといけないので秘密です。講談社のHPにインタビューがあって、タイトルのことも書いてありました。「最初書き出した時点では(タイトルは)決まってなかったんです。書き終わってから、これしかない、と。」読み始めてすぐに、ムムム。著者は女性に違いない。それも登場人物たちと同世代。ペンネームもあるし、名前だけじゃ性別がわからないんですよ。北村薫・有川浩・長嶋有・桜庭一樹etc検索してみるとやっぱり思ったとおりでした。今どきの女性を描いています。女性の30歳って負け犬とか勝ち組とかいう言葉の呪縛に囚われて大変そう。私のときはクリスマスという言葉がありました。24歳までは飛ぶように売れるけど、25歳になると……。男性は何も言われないのに、どうして女性だけ?息苦しいよね。ともすると重苦しいテーマになってしまうところですが、透明感のある作品になっていました。
September 11, 2011
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スポーツをしている人・トップセールスマンを目指す人、ぜひ読んでみて!図書館で見つけたとき、成功本かと思いました。あら、ここは栄養学の棚。パラパラっと読んでみたら、ムムム。これは!!不機嫌な息子の訳はもしや!?缶コーヒーには砂糖が非常に多く含まれている。砂糖を摂ると血糖値が一気に上がって一気に下がる。一気に下がるときに、眠気・集中力低下・疲労感に襲われる。低血糖症の表れで、うつ病やパニック障害も、これが大きな原因。チェックテストがあって、「鉄不足」を息子に当てはめてしてみると……。「寝起きが悪い」「イライラしやすい」「集中力が低下しやすい」等々、よーく当てはまっています。肉だ、肉。卵もだ。スーパーで買ってくるぞ。娘がアスリートにしては鉄分が足りないと言われて、薬の服用をしていたことがあるけど、今思うとたんぱく質が不足していたような気がします。野球に興味のない私でも、イチローは毎日カレーを食べているというエピソードは知っています。でもカレーは一部でしかありませんでした。「基本は肉食です。肉を欲しない体って不健康なんじゃないですかね。草ばっかり食べてるヤツは力がないですよ。きっと、お年寄りでも元気な人って肉を食べてるんじゃないですか」何の本だったか忘れたけど、あるスポーツ選手が野菜ばかり食べていたら、戦うことなんてどうでもよくなってきたそうで、慌てて肉を食べるようにしたら闘争心が湧くようになったと書いてありました。(川合俊一氏と仲間たちは選手村でステーキ三昧していたら、試合ではスタミナ切れ。メダルは取れず。試合中は炭水化物が要ります)午後から大事な会議を控えているときは、定食を選んでなおかつご飯抜き。おやつはナッツやチーズを。大物は肉食系が多いらしいです。お会いする機会があれば聞いてみたいものです。「やる気のないヤツは出てけー!」じゃなくて、「肉を食えー!」だな。
September 10, 2011
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『ささらさや』の姉妹編。中学校を卒業したばかりの照代は、訳あって佐々良の町にやってきた。ここは不思議な町。佐々良マジックが起きるか。 ※ ※ ※主人公の照代は不機嫌で斜に構えています。何とも可哀想な境遇だからね。こうなっちゃったものは仕方ないから、気持ちを切り替えて自分の道は自分で切り開くぞという前向き精神を、中学校を出たばかりの子に求めるのは難しいか。ここ佐々良は不思議なことが起こる町。きっとサヤが助けてくれるはず。サヤのご主人の幽霊もついていることだし、エリカも渇を入れてくれるに違いない。何だか「ささらさや」とはちょっと雰囲気が違うわね。幽霊は一体誰?久代おばあちゃんから仕事を見つけなさいって言われているけど、それってまるで「千と千尋」。幽霊の正体と久代おばあちゃんの厳しさの裏に隠された愛情とお母さんのことがわかったとき、ウルウル。やっぱり佐々良はいい町だ。
September 9, 2011
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倫太郎とその仲間たちの成長を描いた灰谷氏のライフワークである作品。 ※ ※ ※随分昔、4冊目くらいまで読んだかな。早く次作が出ないかなと待っているうちにそのままになってしまいました。もう内容をすっかり忘れてしまったので、最初から読み直すことにしました。全部で8冊だと思っていたら、没後遺稿が見つかったそうで、最終話として刊行されたので全部で9冊でした。主人公の倫太郎は一見、とてつもない悪ガキ、野生児と思われるけど本当は違うんです。本質を理解してね。いい大人たちに囲まれて、いっしょに成長していきます。特に倫太郎のお祖父ちゃんの言葉がいい!でも中には首を傾げたくなる大人にも出会うわけで、そういう人が担任だったりするとちょっと厄介なことになります。中学校に入ると不良グループもいて、もっともっと苦労します。未完なのが残念。でも私の心の中で成長を続けています。色々な名言が飛び交いました。味わい深いです。一番心に残ったのは、「先生はクツを履いているから、下駄を履かせろ」という言葉でした。クツはクツでも普通のクツじゃないよ。こんなクツは嫌だなあ。ぜひ、読んでみて。
September 8, 2011
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「心とろかすような」「てのひらの森の下で」「白い騎士は歌う」「マサ、留守番する」「マサの弁明」の5編からなる短編集。デビュー長編「パーフェクト・ブルー」に登場したマサを主人公にしたシリーズ第2作。 ※ ※ ※「心とろかすような」って、美しい言葉ですが、読んでみたら唖然としてしまいました。なんと言っても書き下ろしである「マサ、留守番する」が一番読み応えがあって面白かったです。マサ、頑張ったね。お疲れさま。「マサの弁明」では宮部みゆきさんが登場。でも読んでいてドキドキしました。これって本当のこと?後書きに「すべてがフィクションです」と書かれていてホッとしました。
August 30, 2011
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チュウちゃんやGが出るスーパーマーケットがあるなんて……。遭遇したら「キャー!」と叫んで逃げるわ。いえ、気絶するかも。昔は食べていたお刺身のツマや干物は、美味しくないからと全然食べなくなりました。この本を読んだら、そりゃ美味しくないよねーと納得しました。理由は恐ろし過ぎてここには書けません。いいスーパーマーケットとは何かを考えるきっかけとなった本でした。買い物に行ったついでに、いいスーパーの見分け方チェックをしています。いつも利用しているスーパーがもっとよくなるといいな。
August 29, 2011
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亡き兄の後を受け、多々良木藩の留守居役となった新之介。同じ役を勤めれば、兄の死んだ理由や兄の許嫁の千穂の行方もわかるかもしれない。藩取りつぶしの危機が訪れた。 ※ ※ ※時代物が苦手なので、時代小説の色が濃い本作は最後まで読めるかどうか不安でしたが、今までの畠中さんの著作で鍛えられたのでなんとか大丈夫でした。江戸時代に留守居役というお役目があったことを初めて知りました。その仕事の内容が多岐に渡り、組合にもなっていて、その組合も色々な種類がありと、複雑怪奇な仕組みを理解するまでは話の中になかなか入り込めませんでしたけどね。外交官みたいな役で、それはそれは大変そうです。亡くなったお兄さんは優秀だったけれど、新之介は平凡な男で、おまけにお金のかかる仕事なのに藩は貧窮しています。そこへ藩取りつぶしの危機が勃発し、えらいこっちゃ!美味しいそうなお菓子が登場。畠中さんはきっとお菓子が好きなお方に違いない。「アイスクリン強し」にしろ、好きじゃなきゃこんな美味しそうな描写ができるわけないわ。あ、思い出した。エッセイに中国へ凄い料理を食べに行ったって書いてあったわね。続編があるような終わり方でした。出るかもしれないなあ。
August 28, 2011
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若様組たちは暮らしのために巡査になることを決意。巡査教習所で訓練中、事件が起きた。 ※ ※ ※「アイスクリン強し」のその後ではなく、少し前を描いた作品です。若様組って個性的な人が多くて面白そ~うと興味深々だったので、本作にて長編でどーんと読めてうれしかったです。「アイスクリン強し」もそこそこ面白かったんだけど、やっぱり短編っていうのは書くのが難しいし、テーマをお菓子で揃えるということに挑戦したからか、ちょっと苦労して纏めた感じがありました。徳川の世なら「若殿様」だったのに、明治となった今はつぶしがきかない故、巡査になるしかないという苦渋の選択。試験に合格し教習所に入ってみれば、「若様組」「薩摩組」「静岡組」「平民組」というそれぞれの思惑を持った相容れないグループがひとつのところにいるので、必然的に揉め事が起きます。そして幹事がね~、このいやらしい性格はまるでハリポタのスネイプのようだわ。いがみ合っていた者たちが最後は心がひとつになり、事件を解決してめでたし、めでたし。青春物っていいわね。でも若様組たちを堪能できたけど、ミナは少ししか登場しなくてちょっぴり残念。いえ、ある意味、登場したことが「何でこんなところにー!!」よね。相変わらず美味しそうなお菓子を作ること。食べてみたーい。
August 26, 2011
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「ななつのこ」「魔法飛行」に続く駒子シリーズ第3作。大晦日のデパートで瀬尾さんにばったり出会った駒子は、手紙を読んでもらうことにした。 ※ ※ ※「スペース」は十数通の手紙がメインで、そりゃ、おや? と思った箇所もほんの少しありました。でもまさかね、微笑ましい学生生活の近況報告だし、駒子シり-ズだから、あらまあ、やられた~という感じです。「バック・スペース」では、どうも駒子がとろくさい子としか描かれてないような気がするのですが……(笑)大学時代友達ができなかった子の視点なのでいたしかたないかな。友達になろうとすると邪魔が入るという女子にありがちなことも起こったしね。「スペース」には色んな意味だあるんだなあ。ほんわか感健在でした。悪意を持った子も出てきたけど、災い転じて福となすになりました。これが完結編だと思っていましたが、第4作まで執筆されるそうです。2作目と3作目の間が11年開いています。いつ出るのかな。首を長くして待つとします。
August 25, 2011
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