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「注射痛くないよ」と言われると、実際の痛みも弱くなる―。事前の思い込みに痛みを和らげる効果があることを、西宮協立脳神経外科病院の小山哲男医師(大脳生理学)らの日米研究グループが世界で初めて実験で確認した。十七日までに、米科学アカデミー紀要の電子版に掲載された。
小山医師らは24~46歳の男女10人を対象に、46度、48度、50度の熱刺激を実験用器具を使って右太ももに与え、痛みの予測と実際の感覚について実験。各刺激の前には、46度では7.5秒間隔、48度は15秒間隔、50度は30秒間隔の信号音を聞かせた。実験前には「音の間隔と温度には傾向がある」と説明、実験過程で「間隔が長いと熱刺激が強くより痛い」と思い込ませるようにした。
実験は前半,後半で各15回。それぞれ最初の10回は信号に対応した刺激を与え、残り5回は違う刺激を与えた。痛みの度合いは自己申告で11段階評価してもらった。
その結果、50度の熱刺激で、信号音の間隔が15秒と30秒の場合を比較したところ、10人全員が15秒の方が痛みは弱いと回答。痛みの軽減割合は8―46%で、平均約28%だった。
磁気によって脳内の血流状態を調べる専門装置による解析でも、信号音の間隔が短い時は、痛みなどを感じる脳の領域の活動が弱まっていたことが判明した。逆に、30秒間隔の信号音の後に48度の熱刺激を与えた場合、痛みをより強く感じる傾向は見られたが、統計的に意味がある差までは現れなかったという。
小山医師は「思い込みだけで、痛みをある程度和らげることが証明できた。注射が苦手な子供だけでなく、大人への医療にも役立ててもらえれば」としている。 (神戸新聞)
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