パニック障害は脳の病気です。


したがって、他の不安障害のようなカウンセリングが中心の
心理療法ではなく、「薬物療法」が最優先です。
薬物治療で残った広場恐怖などを
心理的な面から治療していく方法が取られています。

 治療の中心となる薬物は、いくつか組み合わせて服用するため、
患者自身も薬の知識をしっかり持つことが重要になります。
 現在、パニック障害の治療には、
セロトニンの再吸収を阻害するSSRI、三環系抗うつ薬(TCA)、
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(BZ)の3つを組み合わせて
使用されています。

 主な薬としてSSRIが使用されますが、
効果が出るまでに少なくとも3週間以上かかるため、
それだけを服用していてはパニックの発作がなかなか治まりません。
そのため、すぐに効果の出るBZを併用し、
SSRIの効果が出てくるまでをカバーしていきます。
即効性のある、BZを最初から最後まで使えばいいと思われがちですが
、この薬には依存性、習慣性があるため、
依存性が少なく、過量に服用しても心臓などへの影響のないSSRIを
中心に治療を行い、その効果が出てくるまでの薬として、
BZを使用するのが原則となっています。

 薬物治療の流れは、最初にSSRIを飲み、
1週間単位で薬の量を増やしながら、
1~3ヶ月かけて発作を抑えていきます。
次に、発作が治まった時のSSRIの量を、1年~2年位飲み続け、
その後、少しずつ量を減らして完治させていきます。
この間、再度何かの発作を起こすようであれば、
頓服という形で安定剤を服用し、治療を進めていきます。

 治療を始めて6週間~10週間程経ってから、
患者さんに「一番苦しかった頃からどれ位良くなっているか」と質問し、
70%位治ったと答えれば、今の治療や薬の組み合わせを続けていきます。
もし、50%位しか良くなっていないならば、
薬の組み合わせを再検討することが必要です。
薬の組み合わせは重要なため、それぞれの持っている特長や副作用を、
きちんと理解しておくことが薬物治療の上で重要な条件となります。

 パニック発作は急激で激しいものですが、
病気自体は慢性的な病気です。
治療には2年~3年かかり、
お薬を飲み続けなければ脳の興奮を抑えることはできません。
早くに薬を止めてしまうと、再発の危険性を高めてしまいます。





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