宇宙の調べ THE COSMIC WAVE

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言葉の「慣用」ということ



一方、字義の解説を辞書で見ると、通常の解説のほかに、「慣用」としての説明もあります。日本語として、本来的には、そう言う用法が無いものが、何時の間にか突然変異的に現れて誤用がはびこり、あまりにも多くそれが使用され、乱用された結果、世の中に定着してしまった用法、これを慣用と呼ぶのです。

結構あるんですね、この「慣用」。

ミヒャエルは、慣用の用例は、あまり歓迎派では有りません、皆一人一人夫々の感じ方や感性の違いで、夫々このことへの印象は違うことでしょう。

反対派が多ければ、乱用は食い止るはずですが、その乱用に迎合したり、無意識に使ってしまったりという人たちが、あまりにも多いので、それが、辞書に慣用として載るまでになってしまうのです。

未だ、辞書に掲載されないものも、この状況に近いものが多くあります。

慣用は、その乱用表現の仕方が、既にが市民権を得てしまった証ですが、美しい日本語としては、あまり件芸で切るとは言いがたい存在でもあると思います。

言葉の美しさとは、音をいう場合と、文字をいう場合では異なるものでしょうけれど、双方に於いて、慣用表現は、美しいとは言いがたいものだと、思います。

文字を初見する際に、分からぬまま適当に発音してしまって、そのまま使っている。耳学問で、正確な発音を聞き取っていないか、発言者自体が間違い発音をしているかによる、間違い覚え。こういうことが積み重なって、誤用が乱用に至ると思われます。

その例を少しだけ、掲載しておきます。→印の右側が慣用です。

撒水(さっすい)→さんすい
水面(みのも)→みなも
隧道(すいどう)→ずいどう
順風満帆(じゅんぷうまんぱん)→じゅんぷうまんぽ
見参(げんざん)→けんざん
大地震(おおじしん)→だいじしん
少人数(しょうにんずう)→小人数→こにんずう
固執(こしゅう)→こしつ
完遂(かんすい)→かんつい
早急(さっきゅう)→そうきゅう
大地震(おおじしん)→だいじしん(「だい」と発音する時は「大震災」となる)
梅雨寒(つゆさむ)→つゆざむ(NHKアナウンサーまで遣っている)

言葉の乱用は留まるところを知りません。

或る所で、「だれだれも大絶賛」とあるのを見て、困ったものだと思いました。
「絶賛」はこの上なく褒めることです。それに「大」をつけてどうするの?
上には上、昔、悪にいじめられると、子供達は、お兄ちゃんに言いつける、お母ちゃんに言いつける、先生に言いつける、お巡りさんに言いつける、お互いに言い合い続けていたものです。

近代に居たり、スーパー、ウルトラスーパー、などと、商戦線では名称が、嘗ての子供のけんか宜しく、その上その上へとエスカレートします。それで騙される消費者はもう存在しないでしょうけれど。

キャスターかレポーターかの女性が、御利益を「後利益」といっていました。こんなのも慣用化するのでしょうか?背筋が寒くなりました。(テレビ朝日スーパーモーニング 2008.7.9))


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