Everything's Gonna Be Alright

・・・拝啓(冷凍ミカンからの手紙)



それまでも工場から冷凍ミカンとして冷たいところにいたのですが、そもそも僕は生まれた頃はただのミカンでした。何も好き好んでこんなに寒い思いをしたかったわけではありません。しかし兄弟たちもみんな冷凍ミカンになっていったので、仕方ないと思います。途中兄弟たちの何個かは出来が悪いと言われ捨てられていってしまいました。それよりはマシだと思っています。

ところで、新しい家の主りんごあめという人間は、僕を見るなりおいしそうだのなんだの勝手なことばかり言うのです。「やっぱり、冷凍ミカンはおいし~~♪」と言ってお兄ちゃんとおねぇちゃんを昨日早速食べてしまいました。

しかもお姉ちゃんに至っては融けるのが待っていられないといって、 レンジ という何でも現代の便利な道具で暖めて、自分が失敗したくせに「少々温かくなった♪」と文句を言いながら食べていたので、それならば、元の僕たちを食べろ!!! (●`Д′●)ムカァ と本当に腹がたちました。

しかしなんと不便な事でしょう。

文句を言ってやろうにもりんごあめという人間には僕たちの世界公用語である ミカン語 がまったく通じないのです。

まぁ、もし ミカン語 が人間に通じるとわかっていたら、とっくの昔から僕たちの仲間が 冷凍ミカン にされる前に散々文句を言っていたでしょうが・・・・・ _| ̄|(ン、)残念です。

人間というものは僕たちよりはるかに地球という星において知恵や力を用いては、ほとんどのものを我が物顔で利用しているのですから、本当に困ったものです。

かという僕も偉そうな事を言ってはいるのですが、実のところその「人間」というヤツにわざわざ育てられたので、あまり大きな声で文句は言えないような気がします。

「しかしさっきも言いましたが、人間には「ミカン語」が通じていないのでまぁいいでしょう。(´∀`*))ァ'`,、」

思う存分文句を言ってやります。

あっ!そうそう、それで僕はやっぱり 冷凍みかん にされたとはいえ、寒いのは嫌なのですよ。お兄ちゃんやお姉ちゃんのようにされるのもなんだか納得がいきません。そこで、考えたのですよ!!!僕にふさわしい最期を!!!

「温まりたい☆★☆」

タイミングよくりんごあめという人間がお風呂というどうにも温かい湯気が伝わってくるものを準備しているではないですか!!

これを逃す手はありません。作戦実行あるのみです!!! 頑張れ俺!!! おぉ~っと口が悪くなってました。(あまりの喜びのためです)

あっ!!扉が開いた!!!よし今だ☆!!!!(本当はキラリマーク)

「とうっε= \_○ノ ヒャッホーウ!!!」


着地しっぱい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ぷか~ん

快適☆

いや~快適です☆やってやりましたよ。

なんだか急に皮がふやけてきました。よく見るとりんごあめという人間の手も少しふやけている・・・・ ふっ☆(*´I `*)


所詮は人間も僕たちミカンと同じ☆★☆(本当はキラリマーク)
皮はふやけるのか・・・♪

よかった。何もかもが違うというのも悔しいので、人間の世界でいう「天国」というやつに近い 実還(実を根源に復帰させてくれる世界だよ!) にいったら、先にいって待ってるはずの にいちゃん ねぇちゃん に教えてあげよう!!

「人間も僕たちミカンみたいにふやけるよ・・」 って。よろこぶだろうなぁ~。

ではでは、皆がこれを読んでる頃には僕食べられてると思うけど、そんなぼくの話を読んでくれたことにまずは御礼まで。   敬具


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: