学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<理解の・・・(高校数学編)






 <理解してから覚えることの大切さ(高校数学編)>






 前回にも述べたように日常生活においては、犬と猫の定義が
述べられなくても、それらを見間違える人はいません。しかし
こと学習面においては、はっきりと区別をつけていないと、
問題解決において、すべてあやまってしまうことが多いものです。


 特に高校の数学は算数や中学数学のように、具体的な事柄
ばかりとは限りません。むしろ抽象的な事柄のほうが多く
なってきます。それだからこそ、定義を理解してから覚える
ことが、大切さになってくるのです。


 ここではまず中学校でも学習する確率についてみてみましょう。
確率を学習すると「同様に確からしい。」という言葉がでてきます。
まずこのことからはいりましょう。


 例えば1つのさいころを投げて偶数の目の出る確率はというと、
1・2・3・4・5・6の6つの目のうち、偶数の目は2・4・6
ですから、その確率は2分の1です。


 次に2つのさいころを投げて、その合計が偶数になる場合をみて
みましょう。2つのさいころの合計は、2・3・4・5・6・7・
8・9・10・11・12の11とおりになります。


 このうち合計が偶数になるのは2・4・6・8・10の5とおり
なので求める確率は、11分の5としてよいのでしょうか。


 もちろんそれはいけません。なぜなら前者は1・2・3・4・5
・6のそれぞれの目の出る確率は6分の1となり、同様に確からしい
ことが言えます。しかし後者は、2・3・4・5・6・7・8・9・
10・11・12となるのは、同様に確からしいとは言えないからです。


 例えば、合計が2になる確率は36分の1であり、3になる確率は
18分の1となるように、それぞれの場合について、同様に確からしい
ことがいえないのです。


 また前者の場合、奇数になる確率は偶数のときと同じ2分の1ですが、
後者の場合は奇数となる確率は11分の6となり、偶数になるときとは
異なってしまうのです。


 つまり後者の場合は同様に確からしい場合を出発点として、考えない
といけないのです。この場合、(1,1)、(1.2)、(1、3)、
…・、(6,4)、(6,5)、(6,6)の合計36通りのなかから、
合計が偶数になる場合は18通りなので、その合計が偶数になる確率は
2分の1となります。


 このように確率では、同様に確からしいことを確認して考えないと、
間違った結果を導いてしまうのです。


 もうひとつ例をあげます。コインを2回投げたとき、1回目・表、
2回目・裏となる場合と1回目・表、2回目・表となる場合の確率を
考えてみましょう。


 この場合、1回目・表・2回目・裏のほうが確率は高そうに思われ
ますが、その確率はどちらもともに4分の1で同じになります。


 それではコインを2回投げたとき、2回のうち1回が表になる場合と
2回とも表になる場合の確率はどうでしょう。この場合は2回のうち
1回が表になる場合の確率が2分の1になり、2回とも表になる確率は
4分の1になります。


 この両者は、表・裏の出方が同様に確からしいことが、確認できれば
問題なく解けると思います。この場合、(表、表)、(表、裏)、
(裏、表)、(裏、裏)が同様に確からしい事になり、それぞれの確率は
4分の1なのです。


 今度は同様に確からしいに関連して、独立についてみてみます。
先ほど2つのさいころを投げて、目の合計が偶数になる確率は2分の1
であることがわかりました。


 それでは2つのさいころを投げて、2つの目の合計が偶数になり、
かつ、ひとつの目が少なくとも1になる確率はどうでしょう。


 この場合、余事象の確率を考えて、2つとも1以外の確率36分
の25を、1から引いて、36分の11とし、それを2分の1にかけて、
72分の11としてよいのでしょうか。


 もちろんこれはいけません。それは2つの場合が独立になっていない
からです。2つの場合が独立で、相互に影響がない場合ならば、かける
ことはできます。


 実際、先ほどの36通りの中から、この条件を満たすものを選び出すと、
(1.1)、(1,3)、(1、5)、(3,1)、(5,1)の5通りで、
その確率は36分の5となるのです。


 それでは独立の場合とはどういうときでしょう。それは例えばさいころを
2回投げ、1回目が偶数で2回目に1がでるようなときです。この場合、
それぞれが独立なので、その確率どおしをかけることができます。


 このように確率では、同様に確からしいことと、独立であることの理解が
大切なのです。このほかにも順列と組み合わせのように、理解があいまいな
ところもあります。


 それは順列は並べる、組み合わせは選ぶと機械的に覚えてしまうことに
よるものです。この場合、順列は並べると覚えてしまうより、区別して
選ぶと理解したほうがよいでしょう。


 例えば10人のなかから、委員長と副委員長の2人を選ぶ場合は
10×9=90とおりとなり、選ぶと書いてあっても、組み合わせ
ではなく順列なのです。


 今度は論証についてみてみましょう。命題は「PならばQである。」と
表されます。これが日常生活では、例えば「18歳以上ならば自動車免許
が取れる。」や「37度以上ならば医者に行く。」のように使われます。


 この場合、この表現は「18歳未満なら自動車免許がとれない。」
「37度未満なら医者に行かない。」のようにとられます。しかし
数学では「PならばQである。」は「PでなくてもQである。」であっても
よいのです。


 例えば「正方形ならば四角形である。」これは正方形でなくても
長方形やひし形でもかまわないのです。ここが日常生活と数学で
使われる命題の違いなのです。ここはしっかり理解しておきましょう。


 そして数学では命題「正方形ならば四角形である。」、逆「四角形
ならば正方形である。」、否定「正方形でないならば四角形でない。」、
対偶「四角形でないならば正方形でない。」と定義されています。


 ここでいえるのは命題が真であれば対偶も真であることです。
日常生活では命題と逆が同じとして、間違った表現がなされている
ことがあります。


 例えば「総合的な学習を増やせば、子供たちは活動的になる。」と
聞いたときに、逆に「子供たちが活動的になるには、総合的学習を
増やせばよい。」と思われがちなのです。 


 これは確かに相関はありますが、命題と逆は同じにはなりません。


 このように日常で使われる表現と数学の定義には、ずれを生じる
場合があるのです。学習するにおいて、このことは正しく理解して
おく必要があります。


 さらに正しく理解が必要なのは必要十分条件です。先ほどの命題
「正方形ならば四角形である。」この場合、正方形ならば四角形の
条件を十分兼ねそなえていると言う意味で、正方形は四角形で
あるための十分条件であるといいます。


 逆に四角形だけでは正方形の条件をすべて満たしていません。それで
必要ではあるがそれだけでは十分ではないと言う意味で、四角形は
正方形であるための必要条件であるというのです。


 それでは必要十分条件とはどういうときに言うのでしょう。それは
「ひし形、かつ、長方形ならば正方形である。」という場合です。
つまり「PならばQである。」と「QならばPである。」の両方が同時に
言えることなのです。


 こういった論証に使われる定義は、あいまいなままではなく、正しく
理解されていなければなりません。このほかにも「すべてのXについて
Pである。」の否定は「あるXについてPでない。」ということも、よく
間違われるところです。正しく理解しておきましょう。


 最後に、公式が一番多く出てくる三角比や三角関数などは、理解して
から覚えないと、大変だと思います。この場合は三角比の基本公式や
三角関数の加法定理から、他の公式が導けるようにしておくべきです。 


 公式を導く手順を知っているということが、問題にあたったときに
余裕をうみだし、問題解決をよりはやくできるようになるのです。


 このように高校の数学においては、特に公式の丸暗記ではなく、
公式が導けるまで理解してから記憶することが、高校数学上達の
コツになるのです。


 高校数学の上達を望む人は、ぜひ理解してから覚える習慣を身に
つけてほしいものです。そうすれば長期記憶の中に、新たなスキーマ
(枠組み)ができ 、次の問題解決にあたり、そのことがきっと
有効にはたらいてくれることでしょう。

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