学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<学習計画・高校受験1>




  <第55回、学習計画(高校受験その1)>






 ここでは中学3年生の4月、新学期から志望高校受験までの計画の立て方と
そのスケジュールを示していくことにします。もちろん中学1・2年生から
自分の志望高校を決め、計画が着実に進んでいる人もいるでしょう。しかし
ここでは、あえて中学3年生になってからはじめる学習計画を示すことにします。


 今回の学習計画は、都道府県の中堅公立高校から上位高校への志望者の
人たちに合う内容です。その内容は志望校決定から受験までの、各学期
ごとの学習計画を示す事にします。


 受験まで一年を通じると、下記のような学期ごとの学習計画が考えられます。
今回から、ひとつずつ、それぞれの学期ごとの学習計画を示していく事にします。


1、 春休みの学習計画
2、 一学期の学習計画
3、 夏休みの学習計画
4、 二学期の学習計画
5、 冬休みの学習計画
6、 三学期の学習計画






 <1、 春休みの学習計画>






 まず春休み、まっ先に何をしなければならないのか。それは志望高校を決める
事です。この段階では、中学2年生までの日ごろの勉強、定期考査、実力試験、
対外模試の結果から、自分のレベルを、自分なりに大体は把握してきている事と
思います。この自分が自覚している水準を自我水準といいます。


 この自我水準をもとに、まずはじめに達成可能と思われる第一志望高校を
決めるとよいでしょう。今現在の自分の水準では、第一志望校合格は無理でも、
今後の努力しだいで可能だと思えれば、その高校を第一志望高校とします。


 次に第2・第3志望高校も同時に決めます。ここは現在の水準と同水準の
高校を、選んでおくようにします。第一志望高校がうまくいかず、第2・第3の
志望高校に入学する事になっても、決して後悔しない、そんな高校です。


 最後に、この高校なら絶対大丈夫であろうと思われる高校を、第4志望高校と
します。現在の水準から判断すると、ここなら大丈夫と確信のもてるところを
志望します。もちろんこの志望高校の決定は、今までの経験から得られた自我
水準にもとづくものです。



 第一志望高校から第4志望高校まで決定するのに、まだそれほど自我水準を
把握していない。そういう時は親、学校の先生、塾の先生、先輩、友だちや
情報誌などから情報を仕入れ、できるだけ早く、現在の自分のレベルを知る
ようにします。


 志望校を決定することができれば、それらを必ず紙やノートに書いておきます。
そして次にやらなければならない事は、目標達成のための問題点の発見です。
第一志望高校合格という目標達成のために、解決しなければならない問題点です。
まず、客観的にみて、大きな問題点から考えていきます。


 今のレベルから内申点をあげる必要があるのか、それとも実力をあげなければ
ならないのか。または内申点と実力の相関はとれているが、両方とも成績を
いまよりさらにあげていく必要があるのか。そういったことから考えていきます。


 そして次にこまかく各教科の現在の成績に目を移していきます。例えば数学の
成績が学校の定期考査ではよいが、実力試験になるとうまく成績を伸ばす事が
できない。


 理科の第2分野の成績はよいが、第1分野は苦手なので成績が思うように
取れないというような事です。これらの事を箇条書きにして、これらもノートに
書いておきます。


 そしてこれらノートに書いた問題点を解決するために、自分が今から何を
しなければならないかを、今考えられるだけノートに書き出してみます。
例えば数学の確率が苦手であれば、確率の基本問題集を買ってきて基礎から
学習しなおす。または今まで解いた問題をもう一度、解いてみる事などです。


 理科の第一分野を克服するために、図解入りの詳しい参考書を購入し、自然
法則を理解する。問題集を解く事で公式の活用法を覚える事などもそうです。
このように考えられるだけの解決法を、ノートに書き出してみます。


 書き出せるだけノートに書き出す事ができれば、今度はその中で実際、
実行してみようとする解決法を選び出し、それをいつから実行するのかを
決めます。新学期が始まってからであれば4月から。今日からおこなえる
事であれば、もちろん今日からです。これもノートにすべて書き出します。


 こうして目標設定ができ,それを達成するための問題点を発見し、その
解決法も考え、それをいつから実行するのかまで決定します。


 そして最後にその評価や方針の追加と修正はその学期末ごとにします。
学期の途中でも修正する事はかまいません。このように、まず目標設定と
実行内容をノートに書き出す事から始めます。そのなかには春休みから実行
しようとする事も、含まれているでしょう。


 それではこの春休みに、どういう学習をしておくとよいのでしょう。
春休みは期間が短いため、やり方は人それぞれに考えられます。


 すでに学習塾に通っている人であれば、この春休みにおこなわれる、模試の
範囲を学習してもよいでしょう。ほとんどの学習塾の場合、中学1年生の範囲の
出題です。忘れているであろう事の復習にはもってこいです。


 また学習塾の春期講習会に参加する人もあるでしょう。この場合、テキストは
中学2年生の復習が中心です。わずかですが、中学3年生の内容の先取り学習も
おこなうところもあります。


 学習塾に通っていない人であれば、自分で中学1・2年生の復習をやれる範囲、
やっておくのがベストです。理由は中学3年生のはじめての実力テストの範囲が、
ふつう中学1年生の範囲から出題されるからです。そのための勉強だと思えば、
やる気もでてくるでしょう。


 春休みは期間が短いといっても、休みなのである程度の時間はあります。
そういう時は苦手な科目の集中学習に使ってもよいでしょう。ふだん授業が
あるときには、まとめて学習する事ができません。


 もちろん苦手な科目である事から、基礎にさかのぼって学習する態度が
よいでしょう。必要とあれば小学校の学習範囲から始めてもかまいません。
いまさらかっこ悪いとは思わない事です。ぱらぱらと教科書をめくってみる
だけでもよいのです。


 苦手な科目は得意な科目とくらべて集中力が持続しません。ある程度、休憩を
入れながら取り組むのがよいでしょう。


 また数学のような問題演習の場合は、ある程度時間をかけた、集中学習が
適しています。それに対して、英単語や歴史年表などを暗記するときは、15分
から20分ごとに、5分間の休憩をとる分散学習のほうが、効果を発揮します。


 このように教科ごとに時間配分を考慮し、効率が上がる学習方法をとります。
またおなかがすいている時のほうが、集中力は高まります。食事前に学習時間を
とれば、より学習に集中でき、効果的です。


 就寝前に学習する事も効果があります。これは就寝中に学習した事が、脳の
中で定着するからです。したがって勉強した後にテレビを見て就寝する事は、
実は学習にはよくないのです。


 こういうことも考えながら、春休みを過ごすようにしましょう。そうすれば
新学期をむかえた時、きっとよいスタートが切れるはずです。春休みは新学期
から立てる学習計画の準備段階だともいえます。この時期に、せめて志望高校
だけでも決めておきましょう。



                               以上


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