学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<大学受験の学習計画3>




<大学受験(理系)の学習計画(夏休み)>






大学全入時代が到来と言われています。どこの大学でも入学できればよいと
いうのなら、この夏休みに学習計画を立てる必要はないのかもしれません。


しかし有名私大や国公立大学を受験目標にしている人は、そういうわけには
いきません。


目標をたて,その目標を達成するための学習計画がなければ、とうていその
目標に到達する事はできません。そのためにも、この夏休みの学習はとても
重要になってきます。


それでは前回と同様に学習科目、学習時間、学習内容、学習のコツや学習の
注意点についてみていく事にします。







1、 学習科目と学習時間



 大学合格者の最も多い夏休みの学習時間は1日8時間です。夏休みを
40日間とすると8×40=320時間になります。


1学期・2学期がともに550時間くらいですから、夏休みのわずか
1ヶ月ちょっとの間でも、かなりの学習ができる事になります。


それでも第一志望大学と現在の実力が、遠くかけ離れている人は、この時間
以上の学習時間が必要かもしれません。


このように一日の学習時間は各自の達成目標や現在の実力がそれぞれ
ことなる為、それらと照らし合わせながら決めていくのがよいでしょう。


それではこの夏休みに、何をどれだけこなせばよいのでしょうか。
まず学習科目とその学習にあてる時間の比率からみてみます。
それは次の2通りがよいと考えられます。


(1) 英語:数学:理科=2:2:1


(2) 英語;数学:理科:国語=2:2:1:1


基本的には英語、数学、理科の3科目を徹底して学習するのがよいでしょう。
しかし難関レベルの大学を志望し、国語が重要科目になる人や、理系という事で、
あまりふだんから読書をせず、試験ではいつも国語で足を引っ張られていると
いう人は、この夏休みに、国語の学習も必要かもしれません。


それ以外の人であれば、この夏休み、英語、数学、理科を重点的に学習すれば
よいと思います。








2、 各科目の学習内容と学習のコツ




(1) 英語--------------------------------------------------------


一学期にすでに英文法・英語構文の学習が終わっている人は、この夏休みには
「基礎英文問題精講」(旺文社)や「ビジュアル英文解釈」(駿台文庫)などを使って、
英文読解に入りましょう。


また英文法は新たに「新・英文法頻出問題演習」(駿台文庫)などを使い、その
演習に入ります。このテキストの内容が難しければ、「大学入試英語頻出問題
総演習」(桐原書店)などを使って学習するのもよいでしょう。


これらの学習は夏休みからはじめて、2学期に持ち越してもかまいません。
記憶をよくするという観点からすると、同じ事を3回復習する事がよいのです。
つまり2学期にもこの復習を取りいれます。


 一学期から始めた英熟語、「英熟語ターゲット1000」(旺文社)などの
熟語の暗記学習はこの夏休みには終わっておくようにしましょう。



(2) 数学----------------------------------------------------------


数学の成績を伸ばすコツは、解法パターンを多く記憶に残しておく事です。
そのためには解法パターンを暗記する参考書が必要です。これには数件出版の
青チャートや黄チャート「解法と演習」が適しています。


赤チャートは参考にするにはよいのですが、少し難しすぎます。また白チャートは
センター試験レベルに対応していますが、各大学の個別試験には不向きです。


私立6年制や公立高校で、すでに一学期に数3・Cを終えているところも
あるでしょう。そういう人は青チャートや黄チャートで学習することを
おすすめします。


公立高校で数3・Cがまだ終わっていない人は、まず「理解しやすい数3・C」
(文英堂)で学習してもよいでしょう。


この夏休みに最も大事な事はチャートの例題や類題はよくみておくことです。
そしてその他、センター試験演習も同時におこなうようにします。このテキストは
過去門題集でもよいし、各教材メーカーから出されているセンター試験対策演習
でもかまいません。



(3) 物理---------------------------------------------------------


物理は基礎固めが大切です。教科書より参考書のほうがわかりやすいようです。
その基礎固めの参考書として「物理のエッセンス力学・波動」(河合出版)、「物理の
エッセンス電磁気・熱・原子」(河合出版)などがあります。


高校の授業で「物理1・2重要問題集」(数件出版)を使っていたなら、それを
使って基礎固めをしてもよいでしょう、基礎ができたら、次は赤本や青本で
志望校の出題傾向を探ります。


(4) 化学・生物-----------------------------------------------------


化学と生物はこの夏休みに基礎を完成させておきましょう。まずは両科目とも
教科書を使って、今までに学習した内容の要点をつかんでおきましょう。


それができれば、次に青本や赤本で志望校の出題傾向を探ります。この2科目に
ついては夏休みにはここまでおこなえば十分です。








3、 夏休みの学習の注意点




夏休みの学習の注意点ついては以前、夏休み一言集でも書いていますので、
ここではその要点をもう一度、少しだけ書いておく事にします。

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(1) 長期の休みこそ、毎日の生活リズムを整えよう。------------------


 長い夏休みがやってきます。そんなときほど生活リズムを整える
必要があります。それはふだんと変わらない8時間3等分感覚のリズムが最適です。


 確かに夏休みはふだんとはちがい、自由時間を満喫できます。しかし受験生に
とってはそうも言っていられません。


 ふだんは睡眠8時間、通学を含めた学校の就学時間8時間、そしてあとの
8時間は食事や休憩の時間などの4時間と自由時間4時間のリズムで生活
していたと思います。


 夏休みも、このようにふだんのときと同じような時間配分ですごすと、
生活リズムがよく能率が上がります。


 まず睡眠8時間、学校の補講、塾・予備校での勉強4時間と自宅学習4時間の
8時間、そして後は食事や休憩に4時間、まだクラブ活動などをおこなっている
人はクラブ活動も含めた自由時間4時間の、合計8時間で時間配分をおこなう
のです。


そうすれば体調もよく、長い夏休みも快適にすごせます。ともすれば
だらだらとすごしてしまう夏休み、一日くぎりで、リズムよく生活しましょう。
リズムよい生活、それは能率を上げるコツなのです。






 (2) 苦手な科目の勉強法にはコツがある。----------------------


 一学期も無事終わりました。各自成績表をもらっています。なかには夏休み
に苦手な科目だけは、何とかしたいと思っている人もいるでしょう。


苦手科目の勉強は夏休みのような時間的余裕があるときには、作業制限法で
いくと効果が上がります。


 確かに得意な科目は時間が気にならず、長時間、勉強を続けることができます。
それに対して苦手な科目は時間は気になり、少しおこなっただけでイヤになります。


しかしそれをこのまま放っておくわけにはいきません。それはますます苦手科目が
イヤになってしまうからです。


 ふだん学校に通っているときなら、苦手な科目は時間制限で、得意な科目を
おこなう前に、一定時間を決め学習すると能率が上がります。


ところが夏休みのような、長い休み期間があるときは、時間制限法ではなく
作業制限法で学習するほうが効果があがるのです。


 作業制限法とは苦手な科目の基本問題集を一冊仕上げるようなことを言います。
そのときの学習法は一冊をさらに細分化して、細分化したところをひとつひとつ
目標達成させていくとよいでしょう。このように細分化したほうが、人はやる気
をうむものです


 さらに適当に休憩を入れたり、ほかの科目に切り替えたり、変化を加えていくと
飽きずに目標達成が容易になります。一度試してみてください。






(3) 精神的な疲れは肉体的な疲れに転換すると回復がはやくなります。-----


 長い休み、受験生にとって、この夏休みは勉強に集中して取り組まなければなり
ません。長時間にわたって学習をおこない、精神的な疲れは徐々にたまってきます。


 確かにスポーツなどの肉体的な疲れは回復も早く、長時間、体を使っても一晩
寝ればすっきりすることがあります。


しかし勉強など、長時間続けた後の精神的な疲れは、一晩寝ればなおるという
わけにはいきません。翌日もまだ疲れが残ったままです。


 ところがこの勉強し頭を使い、精神的に疲れた時、その後、体を動かしたり、
スポーツをおこない、肉体的な疲れに転換すると、翌日の疲労回復が早くなります。


 つまり今日一日、精神的に疲れたと感じるときは、思いっきり体を動かしてみる事
がよいのです。そうすれば翌日、肉体的な疲れと一緒に、精神的な疲れも取れている
事でしょう。


長い夏休み、うまく心と体をコントロールすることも大切です。






 (4) 勉強は目移り学習で効果倍増!----------------------------


 一科目に集中して長時間学習するより、何科目かをとっかえひっかえ勉強する
ほうが、飽きもこなくて実りも大きいものです。これを目移り学習といいます。


 確かに苦手な科目を克服したい一念で、一科目集中特訓をしようとします。
心がけとしてはすばらしい。しかしそれは長続きしないものです。人の心は一般に
変化があるときに興味や関心がうまれます。


 苦手な科目なら、最後まで残らないように最初に学習するとか、得意な科目と
得意な科目の間におこない、サンドイッチ型で学習するのがよいでしょう。その
タイミングは勉強が飽きる頃に科目をかえるのです。変化をつけることは、
また新たなやる気をうみだします。


 勉強するにしても丸一日やりづめでは、飽きてきてかえって能率が下がります。
そういう時はねっころがったり、体を動かしたり、だべったりすること、その
適度な変化が能率を上げてくれることでしょう。


 長時間勉強に取り組まなければならないときは、特に変化をつけるようにすると
勉強ははかどります。いわば勉強は目移りしながらのほうが、能率は上がるのです。






(5) 長期休みのときは朝型中心にその利点をいかす。----------



 最近は午前中に頭が一番よくはたらくとして、早起きを奨励する小学校が
いくつかあります。その学校のなかには朝5時に起きる子どもまでいると聞きます。


 確かに寝起きの悪い人や血圧の低い人たちにとって、朝の早起きは大変です。
また寝つきの悪い人たちにとっても朝はつらいものです。しかし朝型には利点も
たっぷりあるのです。


 最近のデータでは頭のはたらきのピークは午前10時くらい、体のはたらきの
ピークは午後2時頃であることがわかっています。実際、午前中にテストをする
ほうが、午後にテストをするよりよい結果がでているようです。


 普段の学校の授業でも体育の時間は1・2時限目には、組まれていません。
3・4時限目の時間か午後の時間帯が最も多いはずです。 これは頭のはたらきと
体のはたらきの調子のずれを考えてのことです。


 学習内容は、頭のピークをむかえる午前中には、正確さを要求されるもの、
不得意科目、ややむずかしめの事をおこなうほうがよいでしょう。そして午後の
集中力がゆるんでくる時には、かんたんなことや得意科目をおこなうほうが
メリットが多いようです。


 夏休みのような長期休みのときでも、頭と体のはたらきのピークを知り、一日の
学習計画をたて、大事なことは朝型中心におこなうと、効率的に勉強をすすめる
ことができるのです。
<大学受験の学習計画4>に移動する。





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