学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<総合的学習効果、一般化




<総合的学習効果をあげる一般化>




人には得手・不得手があります。人は自分の得意なこと、
好きなことには積極的に取り組め、退屈したり疲れることも
少ないものです。

それに対して、新しいことを学ぶときや苦手な科目を
学ぶときには、得意なことやすでに知っていることの
ようには、うまく要領がつかめず、多くの時間がかかって
しまいます。


確かに、一般的に自分の好きなことや興味のあることを
学習するほうが、苦手なことや嫌いなことを学習するより
、よく身につき学習効果が高くなります。

そのため苦手なことより、得意なことを伸ばすほうが
よいとする考え方があるのです。


しかしそういうふうにすると、得意なことと苦手なことの
ギャップが、さらに大きくなってしまいます。

それでは苦手なことを克服しながら、得意なことを
伸ばす方法はないのでしょうか。それがあるのです。


その方法とは、“一般化“することです。これをおこなうと
苦手なことと得意なことの両方とも伸ばすことができるように
なってきます。

それではどうするのかというと、苦手と得意の相対する
二つの共通する点を見出す事からはじめます。

そしてその共通点を中心にして学習に取り組むことで、
不得手なことや新しいことも、得意な事と同じように
要領よくこなすことができるようになってきます。

またそれは、すでにあなたの得意なことが、より器用になり
それうを伸ばすことにもつながります。


例えばテニスでバックハンドストロークが苦手で、フォア
ハンドストロークが得意だとします。得意なことはすでに
宣言型知識と手続き型知識が混ざり合って、うまくその技能が
習得されているものです。


ここで言う宣言型知識とは「円周率は3.14である。」、
「鎌倉幕府ができたのは1192年である。」といったような、
言葉で宣言されたもののことを言います。


それに対して手続き型知識とは、「この花は香りがよい。」、
「このみかんはすっぱい。」などの臭覚や味覚などの、言葉では
表すことのできない、体感的なものを言います。


先のテニスのフォアハンドストロークであれば、「ストローク
するときは1.2、3のリズムでおこなう。」が宣言型知識に
あたります。

そして「飛んできたボールのスピードが速い。」、「ボールに
スピンがかかっている。」などは言葉では表せない、体感的な
手続き型知識になるのです。

手続き型知識は飛んでくるボールを推測して、そのたびに
対応するための知識であるといえます。


自分が得意なフォアハンドストロークでは、すでにこれら2つの
知識が習得されていて、技能が出来上がっているのです。

それに対してバックハンドストロークは、まだこの知識が身に
ついておらず、技能が不十分な状態を言います。


そういう場合、苦手なバックハンドストロークの時には、得意な
フォアハンドストロークのイメージを、常に思い浮かべるように
するとよいでしょう。

そして共通なところを、常に意識しながら練習します。この共通な
ところとは例えば言葉で表すと、「力を抜いてフォアハンドの
イメージで打つ。」といったようなものです。


そうすることで不得手なところが克服でき、しかも得意なことが
さらに器用になり、上達するのです。

そしてこれはストロークだけでなく、少しことなるところのある
サーブ、スマッシュやボレーの上達にも適用できます。


新しく覚えることや苦手なことをするときは、自分のすでに
知っていることや得意なこととの共通点を見出し、“一般化”
します。

そうすれば自分の苦手なところを克服でき、得意なことを
さらに伸ばすことができるようになるのです。


ここではスポーツについて“一般化”することを見てきましたが、
これは勉強でも同じことが言えるのです。自分の得意とする科目や
苦手な科目は、みなそれぞれあると思います。                    


 そういう場合、この両者に共通する点を見出し“一般化”
することで、苦手科目をなくし、得意科目をさらに伸ばすことも
できるようになるのです。


例えば中学生がはじめて英語を習うとき、国語の漢字を覚えるのは
得意なのに、英語の単語を覚えるのは、苦手だと感じるものです。

そういう場合まず、漢字と英単語を覚える時の共通点を見つけるのが
よいでしょう。


小学生の頃、漢字を覚えるときは、漢字練習帳に何度も漢字を
書きながら、読みながら覚えたと思います。英単語もそれと同じで、
まず書きながら、読みながらスペル、発音やアクセントを覚えるのです。


漢字の場合は視覚化できるので、それだけで漢字の意味まで覚えることが
できます。しかし英単語は書いて読むだけでは、日本語の意味まで
覚えることはできません。

それで英単語の意味を覚えるのには、他に単語カードなどで、意味を
チェックすることが必要になってきます。


こういうふうに共通するところは“一般化”して、共通しないところだけ、
それに対する対応策をとるようにします。この場合、共通しないところは
単語カードなどを作り、英単語とその日本語の意味が、チェック
できるようにするのです。


また英単語のボキャブラリィー(単語の数)をふやすには、共通なところを
見い出し一般化することで、ボキャブラィーは飛躍的に増やすことが
できます。

それは英単語を覚えるとき、共通点のある関連語や派生語まで覚えて
しまうことです。


そういうと、「ただひとつの単語でさえ覚えられないのに、関連語や派生語を
覚えるなんて、とんでもない」という人が必ずでてきます。

しかしそれはその人の勉強法が間違っているのです。ぽつんとでてきた
ひとつの単語だけを覚えるより、意味や形・音が似かよったものを視覚・
聴覚に訴えながら覚えるほうが、実は覚えやすく記憶に残りやすいのです。


例えばmove(動く、移動する)、mobile(動きのある、動きやすい)、
motion(動かさせること)の三つは単語のはじまりが「mov」,[mob][,mot]と
異なっても、もともと同じ起源を持っています。


moveの派生語にはmovemennt(動き)、mover(引越し業者)、
moving(移動、引越し)などがあります。またmobilからmobility
(動き、可動性)、automobile(自動車)が連想できるのです。

motionはmotive(動機)、motivate(動機づける)、motor(モーター)などの
関連語につながります。こういうふうに共通点を見つけ、一般化して
いくと覚えやすく学習効果が高くなるのです。


 また小学生の算数や中学1年生の数学には、比例・反比例の関係が
取り扱われています。それで中学1年生の終わりには、比例・反比例の
関係はだいたい理解されています。


しかしこれが中学2年生になり、理科で電気のオームの法則を学習すると、
これを苦手にしてしまう人が多くでてきます。それではこれを苦手に
しないためにはどうすればよいのか。

それはすでに数学で習った比例・反比例の関係と共通する点を
見い出し、一般化するとよいのです。


V=IRの関係式は抵抗が一定のとき、電圧は電流に比例することや、
電圧が一定のとき、電流は抵抗に反比例することを表しています。
これにふつうは直列回路や並列回路の電流、抵抗や電圧の性質が
加わってくるのです。


例えば直列回路に、2つの抵抗が直列につながれている場合、
直列回路では電流が一定なので電圧と抵抗とは比例することになります。

例えばここで2つの抵抗が1オームと4オームで、電源電圧が10ボルトで
あれば、それぞれの抵抗にかかる電圧は、比例関係『比1:4』から
2ボルトと8ボルトが求まります。。


 これが並列につながれていれば、電圧は一定なので、抵抗と電流との
間に反比例の関係「比4:1」があり、それぞれの抵抗には10アンペアと
2.5アンペアの電流が流れることになります。


このようにすでに習った数学とこれから習う理科の共通点を見い出すことで、
新しく習う内容でも、より理解を深めることができるのです。またそれが
すでに習った数学の力をさらに伸ばすことにもつながります。


ところで、ここでちょっと「不器用なことが器用になる」実験について
お話しましょう。

例えば、今、豆をはしでつかむ作業をするとします。時間を決めその間に
いくつつかめるのか、右手と左手でやってみるのです。そしてその結果、
できの悪かったほうの手だけで、それから毎日練習をくりかえします。


すると不器用な方の手は練習するにつれ、だんだん前よりずっと器用に
なってきます。そしてそれが器用になってくると同時に、不思議なことに、
そのときまったく練習していなかったもう一方の手までが、いつの間にか
前より器用になっているのです。これは実験の結果、一般に知られている
事実です。


このように自分の苦手なことを、すでにできることとの共通点を見い出し、
練習を行なうことで、苦手なことと得意なことの両方の学習効果を
高めることが、できるようになるのです。


 これは勉強するときや仕事をする時にも同じことが言えます。したがって
苦手なことや新しいことを行なうときには、それらと得意なことやすでに
習ったこととの共通点を見出し、そこを中心に作業を進め一般化していくと、
うまくそれらの事を総合的にこなすことができるようになるです。


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