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学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。
<数学のつまずき>
<算数・数学のつまずき>
今の世の中、「算数なんて大嫌い!」「数学はどうも苦手…」と
いう子どもたちは多いものです。
そんな子ども達は何かしらのつまずきの経験を持っていると、
数学教育の第一人者である芳沢先生はおっしゃっています。
私も多くの子ども達を見てきてそれを感じます。
例えば、子ども達は分数の割り算とか、因数分解とか、微積分と
いったところでどうにもわからなくなって、それっきり嫌いになるか、
苦手意識を持ってしまうのです。
周りの友だちが要領よくスイスイさきに進んで行くのに対して
劣等感を持ってしまう人も多いのです。
それで今日は「算数・数学のつまずき」をテーマに取り上げてみます。
まず「つまずきはなぜおこるのか」ですが、これは子ども達が
きちんと理解する前に解き方だけを丸暗記して、テストで要領よく
いい成績をとろうとする姿勢にあるようです。
「1」小学生の時に習う『掛け算の筆算』
245
×117
1715
245
245
-----------
28665
縦書きの掛け算で10の位を掛けるとき、答えの1の位は左へ
一文字分ずらして書き、 100の位を掛けるときは左へ2文字分
ずらして書きます。
これは大人は当たり前にやっていることですが、小学生の子ども
たちの中にはさっぱりわからないという人も多いのです。
教えられたその時はそのとおりにできてもしばらくたつと、
10の位も100の位も全部右端をそろえて足してしまうのです。
そのためもちろん答えは全部違ってきます。
このように文字をずらすのは、10の位を掛けたときは右端に
書くべき一個分の0を省略し、100の位を掛けたときは右端に
描くべき2個分の0を省略しているからなのですが、子ども達が
そのことを理解していないために起こしてしまうまちがえなのです。
「2」小学生で習う掛け算
5. 96
× 23
-------------
1788
1192
137. 08
5.96×23の計算は、まず5.96は0.01が596個
あると考えます。そこで596×23=13708を先に求めます。
そして0.01が13708個あることから、137.08を導きます。
この計算を縦書きの筆算でおこなうとき、後から小数点の位置を
2個分ずらす理由がわかると思います。
このとき子ども達が『小数点の位置を左へずらす』ということだけを
機械的に覚えていると、「3.2+1.1=0.43」のように
足し算に適用してしまうまちがいをおかします。
さて小学生はたとえ「1」、「2」のようなミスをしても『ほとんど
気にしない』という場合が多いのではないでしょうか。
しかしこれは何らかの「つまずき」に発展してしまう要素をたぶんに
含んでいます。
そのため指導する保護者の方や、先生がたが何度でも理由を説明しながら、
そして計算練習を何度でもおこなわせないとなかなか子ども達には身に
つかないものです。
「3」中学生の「うっかりミス」の代表的なもの
1、 分配法則の適用ミス
{36x+60}/4=9x+60
-(2x-5y)=-2x-5y
前者では2番目の項も4で割る事を忘れ、後者では2番目の項に
(-1)を掛ける事を忘れています。
このように、多項式に分配法則を適用するとき、2番目以降の項に
掛けたり、割ったりするのを忘れてしまうのは、非常に多く見られる
ミスです。
2、 乗法公式 (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+abの適用ミス
たとえば(2x+1)(2x+3)=4x2+4x+3としてしまうミス。
これは2番目の項が(1+3)×2xとなるべきところで、「2」が
抜け落ちてしま っています。このミスも非常に多く見られます。
3、 根号√を使った計算の誤り
√4=±2、√9=±3
√2+√2=√4=2、√2+√3=√5
前者は4の平方根、9の平方根のうちの正のほうをあらわします。
したがって それぞれ2,3が正解です。
後者は√a+√b=√a+bだと思い込んでいるためのミスです。
「4」ヒラメキがないと思うことによるつまずき
特に因数分解や図形問題では、ひらめくかひらめかないかが大きな
分かれ道に なる事があります。
そのため、『自分はヒラメキがないから数学の才能はない』 と
あきらめてしまう人や、「たまたまひらめくかどうかで結果が
大きく変わって しまうから数学なんて嫌いだ。」という人は
多いことでしょう。
確かに X-1-Y+XYをみて、「これはX-1でくくれる」と
すぐに見破る 人は『センスがいい』といわれるかも知れません。
実際、 X-1-Y+XY = X-1+( X-1)Y
=( X-1)(Y +1)と因数分解できます。
このヒラメキはいろいろな問題を試行錯誤の上、時間をかけて
取り組むことで 身につけることができます。ふつう時間をかけた
試行錯誤の上、解けなかった因 数分解も適当なときに答えを見て解法を
知ることになります。
そのときには、展開して最初の問題にたどり着く検算をすること、
および解法 を理解するために書くことが必要です。
日ごろから問題にこういうふうに取り組んでいると、ヒラメキ
すなわち妙手に 見出す事ができます。
「3」、「4」はよく目にする中学生のつまずきです。そして中学生は
『自分の 才能などと結びつけ深刻に受け止めてしまいます。』これは
中学生という思春期 に特有の現象の一つかもしれません。
しかしそれでつまらない事で数学に背を向けて何らかの「つまずき」に
発展し てしまうのはこれまたもったいない話です。
「5」高校数学のつまずき「並べる=P,選ぶ=Cと覚えるな。」
ものの個数を数えるとき、順列の記号のPや組み合わせの記号Cを
使わなければならないとカン違いしている人が多い。これは樹形図、
表や図を用いて、ていねいに一つずつ数える経験を十分にしないうちから
PやCを使う練習ばかりしたからだと思います。
例えば「26人のクラスから委員長、副委員長、書記の3人を選び出す
場合の総数はいくつになりますか。」という問題に対して
答えは26P3=15600が出てくるはずです。ところが「並べる=P」
[選ぶ=C]とだけ覚えている高校生が非常に多く、そのような生徒は
26C3=2600という答えを平気で書いてしまいます。「選ぶ」という言葉に
機械的に反応しているのです。
これは意味を理解しないで「やり方」だけに頼る勉強法の危険な面が、
ここにも現れているのです。
「6」高校数学「数値を代入する方法の落とし穴」
{問題}a,bを定数として次の等式がXについての恒等式になるならば、
a,bの値を求めよ。
{答え}解なし
{誤解答}上式にX=0,-1を代入すると
a+b=4,b=5,よってa=-1,b=5
{正解答} 与式を展開して
ax+2ax+a+b=x2+4
(a-1)x2+2ax+a+b-4=0から
a=1,2a=0,a+b=4
a=1,2a=0は矛盾。よって解なし
すなわち与式は恒等式にはならない。
問題文は「恒等式になるならば」とありますから安易に数値を
代入してはいけないのです。
「5」、「6」のようなミスをおかしても高校生の場合、「自分はミスを
よくするタイプ」と開き直ってしまいます。
こういうミスの対策は「一歩ずつ慎重に事を運ぶ」「理解してから解法を
覚える」という事を、常日頃から徹底する事が求められます。
そして数学では、問題演習やテストでの誤りはそのままにしないで、
「後で必ず直す」、というクセをつけることがミスを防ぐために最も
効果的です。
以上
<知っているはずと思い込むな!>に移動する。
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