プードルランド

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ワクチン接種の仕組み!


子犬を購入するとき、必ず聞く言葉が「ワクチン接種」です。
そして、この「ワクチン接種」ほど、そのしくみについてわかり難いものはありません。
「なぜ子犬の時期に何回も受けなければならないの?」
「短期間に連続して打つのはなぜ?」
「どんな予防効果があるの?」
「値段はいくら?」
「そもそもワクチン接種ってなに?」
という疑問は、これから子犬を迎えようとしている方であればあって当然です。
ところが、多くの本、雑誌、などで「ワクチン接種」についてはほんの数行だったり、予防できる感染症の一覧が載っている程度の説明しかされていません。
また、例えば皆さんが「ワクチンの接種時期」について情報を得ようとしたら、あまりにばらばらの意見が帰ってくることにびっくりするでしょう。
これは私が昔、実際に経験したことです。
あるペットショップの店員さんはこう言います。
「ワクチンは生後42日後に第一回目をします。母親の抗体が切れるのがこの時期だから」
獣医さんに相談にいくとこんなことを言われます。
「予防ワクチンの接種は、生後6~8週間ごろに1回目を行います。その3~4週間後に2回目を打ち、さらにその3~4週間後に3回目を打ちますのでそのころ来てください」
本を見てみるとこんな風に書いてあります。
「最も一般的なワクチン接種は生後50日と90日に実施する方法です」~○○堂新光社:子犬の育て方
「子犬の場合、生後60日、90日頃の2回の接種が一般的です」~○東社:室内犬飼い方しつけ
見事にばらばらです。2冊の本なんて堂々と「一般的」と言い放っているのですからたいした度胸です。
皆さんもワクチン接種については同じように混乱したことがあるかもしれません。なんでこんなに意見が違うのでしょうか?というよりなぜ、かかってしまったらほぼ助かる見込みのないような感染症から生まれて間もない子犬を守る重要なワクチン接種が、「この日にやれ!何回!」とかきちんと決まってないのでしょうか?
答えは、「誰にも接種すべき正確な時期がわからないので決まっていない」です。
そして、この事実がとてもわかりにくいために、誤解や知識不足を招き、感染症による子犬の死亡がなくならない原因のひとつとなっているのです。
ご説明しましょう。
まず、そもそものワクチン接種のしくみについて。
ワクチン接種とは「動物の『免疫』」のシステムを利用して、抗原を注射して抗体をつくりだすこと」です。
「しーん」
わかりやすく説明しましょう。(^^;)
よく「女子高出の子は男に免疫がないから危ない」とか言いますよね(今はあんまり言わない?)。免疫とは、一言で言えば「一度かかった病気には、2回目はかかりにくくなる」ということです。男性に免疫がない女子高出が一度はだまされても、学習してだまされにくくなる、「もう同じ手は食わない」というやつです。
ワクチン接種は、この「男にだまされる経験」を意図的になるべく安全に経験させることなのです。
ワクチン注射図解~まず「学習させる」
学習1
まず、感染症のウイルスの毒素を弱めた「抗原」(これがワクチン)を注射します。免疫が機能し、この悪者を退治する「抗体」が体内で新たにつくられまず。このとき、毒素を弱めているので、実害はないままに、ウイルスに打ち勝つ兵隊である「抗体」だけがつくられるわけです。
ワクチン注射図解2~本物が来たときに「すでに学習してある」抗体で対処する
学習1
抗体がつくられれば、凶悪なパルボウイスルやジステンパーのウイルスがもし体内に侵入しても、事前につくってある「抗体」でこれらをガンガン退治するわけです。
つまり、将来確実にやってくるであろう極悪非道なな外敵に対して、事前にシュミレーションして打ち勝つための準備をしておくわけですね。
ところが、ここで問題があります。人間の場合、予防接種(ワクチン)を初回に受ければほとんど終生その病気に対する免疫ができますが、犬は時間がたつと抗体がなくなってしまうのです。そして、現状ではその抗体の効果が切れる時期を正確に予測することはできないのです。
これは犬を飼おうという人がまず、しつけよりも、食べさせるフードの種類よりも、はたまた一緒に行けるカフェの場所よりもなによりも先に知っておくべきとってもとっても重要なポイントです。
整理しましょう。
1子犬は赤ちゃんと同じ。恐ろしい感染症にかかって死んでしまうことは今でも頻繁に起こる
2しかし感染症の対抗策、ワクチンがちゃんと開発されている
3ところが人間と違って犬は抗体が時間がたつとなくなっていまう
4しかもその予測を正確にすることはできない。
ただし、ワクチンの効果については、もちろん「この日に」というところまではわかりませんが、各接種についてその効果はだいたい判明していて、だいたい1年間とされています。現在では8種混合など、さまざまな感染症の対抗ワクチンがセットになって接種(一回5,000円~1万円)となっていますので、これを一年に一回うちにいくわけです。
「なるほど、わかった、じゃあちゃんと一年に一回予防接種すればよいわけね。じゃあ、生まれてすぐワクチン打って、その一年後にまた予防接種すればいいんじゃないの? 子犬のワクチンは生後50日、90日、120日、ってどういうこと?」
って思いませんか?
ここでさらにワクチン接種を複雑にしている、生後間もない子犬だけに起こる特有の問題があります。
それが「母親からの移行抗体」です。


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