”ぷろぺら”の,「一日は誰にもやっぱり一日」

”ぷろぺら”の,「一日は誰にもやっぱり一日」

社長より現場を良く知るアルバイト



求人情報を見ると新卒ならいざ知らず未だに大卒以上などと掲載して

募集をしているところがある。

仕事に必要な知識、資格が必要ならそう書けばいいことでなにも大卒と

書くことはない。人間を見る目と見る気がないところはこのようなことが

多い。知識、資格よりも人間性を重視しなければ長くは働いてよい仕事を

してもらうことはできないであろう。

企業の方もすぐ、「即戦力が欲しい」などという。

そんな都合のいいことがそうあるわけはない。

人材は育てなければ使えないのだ。安易に買ってくるものではない。

今や、大卒だと威張ってもしょうがない。

雇うほうにすればなまじっか遊びを覚えて口ばかり達者になると

これほど扱いの悪いものはない。

昔カーデーラーでサービスマンをしているときにパートで洗車をしたり

集金に行くために雇ったおじさんが入ってきた。

すぐに仲良くなったのだが元自動車の板金屋さんだった。

社長との折り合いが悪くやめたそうなのだが、塗装の磨きや板金修理の

見積もりなど自分のような修理工にはできない知識と経験と技を

持ち合わせていた。当時20代の私に親切にいろいろと教えてくれた。

パートだから時給で働いていたのだが修理工場で働く若造よりは

よっぽど優秀で失礼な言い方だがよっぽど役にたっていた。

そしてそれを部署のだれもが認めていた。

一般的に優秀な人が、あるいは仕事ができる人が給料が高いと

思われがちだ。あるいは逆にもらっている給料が多いから自分は

他とは違いできる人間なんだと勘違いしている人は多い。

しかし給料が高いかなんて金のある組織に所属しているかどうか程度の

問題でしかない。それは組織を抜けると歴然となる。

そのパートのおじさんの言うことは社内の問題を鋭く突いていた。

時々そのことを上司に言っていたが聞き入れることはなかった。

おじさんはそのうちに言うこともなくなった。

上司にもささやかな、くだらないプライドがあったのだろう。

それは「そんなことは言われずとも解っている。パートのあんたに

言われたくないと・・・」

中途半端でもそこそこ大きい会社ならそれでも日々は過ぎていくのだった。

それから数年後そのおじさんと私は同じ日に会社を辞めた。

「だめだこりゃぁー」と二人で言いながら・・・。




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